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変化の「流れ」を「時間管理」の概念から探る

変化の「流れ」を「時間管理」の概念から探る

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

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世の中の変わり目、人の意識の変わり目ということは分かっていても、それでは、どのような方向にこれから進むのでしょうか?今日はその方向性を捉えるための1つの考え方をご紹介します。

「方向性」とは何かと言うと、「流れ」という言葉に置き換えることができます。そして、「流れ」を見ることができるものには、例えば、「歴史を知る」ということがあります。しかし歴史は、大きく変化した後に整理され伝達されたものであること、また、その当時と今とで様々な違いがあるため、今のこととして捉え活用することがしにくいといえます。

そこで、その「流れ」を捉えるための1つの考え方として、私が有効だと考えているものがあります。それは、7つの習慣の「時間管理」の考え方です。7つの習慣では、時間管理は4つの段階を経て、概念が進化していると言っています。その段階を「世代」という言い方をしていますが、「世代」とは「流れ」と捉えられます。以下にその「世代」についてご紹介します。

第一世代:「メモ」や「チェックリスト」を特徴としている。これは、時間やエネルギーに対する私たちの様々な要求を認識し、それを整理しておくことを狙いとしている。
第二世代:「カレンダー」や「予定を書き入れる手帳」に代表されている。この世代では、先を見据えて、将来の様々な出来事や活動をスケジュール化しようとする。
第三世代:前の二つの世代の概念に、「優先順位づけ」「価値観の明確化」および「目標設定」の概念を加えたもので、現在の時間管理の主流になっている。具体的な長期・中期・短期的な目標を設定し、価値観と調和した形で、今のエネルギーを集中させる手法である。この世代の中心的なツールは、「一日単位の計画表」である。
第四世代:物や時間に集中するより、「大切な人間関係」や「生活の役割」、あるいは「大切な目的の達成」に焦点を合わせている。簡単に言ってしまえば、生活における「P/PCバランスを維持する」ための手法である。※P(Performance:目標)「黄金の卵」、PC(Performance Capability:目標達成能力)「ガチョウ」

時間管理の概念の進化を見ると、個人や組織が大事にしたいもの、すべきものの概念の進化に共通しているように見えないでしょうか?

例えば、組織を例に挙げると、数年前まで「目標」にフォーカスした思考や行動が中心となっていました。この「目標」にフォーカスするというのは、「第三世代」の特徴です。
しかし最近は、その「目標」の背景にある「ビジョンやミッション」、「理念や行動指針」といった、組織の「あり方」が先にあり、その上で「何をすべきか」という「目標」をつくる方向になりつつあります。つまり「第四世代」の考え方に移ってきていると言えます。
少し話をわかりやすくすると、数年前までの「目標」は、「対前年度数(十)%アップ」を機械的に設定していたのに対し、今は、「どうあるべきか」が先にあり、それを達成するために目標を設定するというように、順番が変わりつつあるということです。

この「流れ」をふまえて物事を発想するのとしないのとでは、大きな違いとなるでしょう。また、この「流れ」を捉えて、製品やサービスの開発に取り組む組織や個人とそうでない組織と個人では、その持続性に大きな違いがでてくると私は考えます。

次回は、「時間管理のマトリックス」をもう少し詳しく見て、今の「流れ」を具体的に捉え、お客様の訪問活動に役立てるために考えていきます。