誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

NECの方にLifetouch NOTEについて聞いてきた

NECの方にLifetouch NOTEについて聞いてきた

吉崎 寛

「ニヤニヤ」を追求する団体「にやや会」を設立。ブレストしたり、勉強したり、知的生産活動を通して生まれるニヤニヤを世の中に還元しようと奮闘中。そんな日常に潜むニヤニヤを記事にしていきます。ニヤニヤできるコラボをしてくださる方も絶賛募集中です!

当ブログ「niyaniya hack! ~ 仕事も遊びもニヤニヤでいこう ~」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/hiroshiiiiii/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


だいぶレビューに乗り遅れた感がありますが、先日誠ブロガーMTGでNECの Lifetouch NOTEを触ってきました。

lifetouchnote.jpg


NECの方の説明があったあと、総勢30名ほどのブロガーさん達が思い思いに触ります。

さっそくアプリのゲームに興じている人、
skypeをダウンロードして通話を試してみる人、
タイピングのレスポンスを確認している人、様々でしたが
僕はというと、NECの方にインタビューをしていました。だって、実機は量販店に行けば触れるけれど、NECの方は量販店にはいないじゃないですか。
すでにレビューがたくさん掲載されていますからね、今更...という感もありますし、そのインタビュー内容の一部を書いてみようと思います。


***********

-企画段階での製品思想は、ソフト的なユーザー体験、ハード的な快適性、どちらが先行していたのでしょうか?

ハードの快適性を第一に追求しました。やはりタッチのみでは大量の文字入力はきついです。AndroidをPCの操作性を持った快適なハードで提供したいというのが最初です。

-Androidは携帯電話のカテゴリに属すると思いますが、開発したのは携帯チームですか?PCチームですか?

既存の携帯ともPCとも別部隊の、タブレットのLifetouchを開発した部隊と同じチームになります。


-タブレットとハードキーでは必要な要素がガラリと変わって大変だったのではないでしょうか?

そこはPCメーカーですから、企画から開発、評価まで社内のPC開発におけるノウハウを活かして商品化しています。

例えば、タッチタイプに必要となるキーピッチの選定、 ポイントとなるキーの打ちやすさ向上の工夫(エンターを縦長にするとか、スペースキー手前をえぐるとか)、キーバインド(Ctrl/Fn/Menuの入れ換え)対応など、細かい部分を作りこんでいます。


-色々あるOSの中で、なぜAndroidを選択したのでしょうか?

Androidはアプリのインフラとクラウドサービスが揃っている、というのが他に比べてすごいところであり、それが決め手でした。

-オープンソースだと、開発のコストは浮くのでしょうか?

いえ、逆にコストは高くつきます。ライセンスを払うものであれば、ライセンス元のサポートを受けられます。しかしAndroidは無料であるが故に、カスタマイズを自前で行わなければならないので工数がかかります。

標準的にサポートされているキー以外(f1~f10、Ctrl、delete、Insertなど) の実装や、タッチパネル操作前提で作られている部分をハードキーに対応させることなどは全て自社開発です。(標準仕様のみで製品化すれば、カスタマイズの費用は発生しないですけどね)

今回Lifetouch NOTEの商品化を通して感じたことは、「オープンソースで安くなるのではなく、お金のかかる場所が変わる」ということでした。

-開発の過程で受けたグーグルの印象を教えていただけますか?
譲らないところは譲らない、という印象です。グーグルは「Android」というブランドをとても大切にしています。ブランドの扱いに対するこだわりはとても大きかったです。


-今後もLifetouch NOTEは新製品が出るのでしょうか?

はい。今後も新製品を出していく予定です。

***********


実際触ってみると、確かに文字入力は快適です。個人的にタッチパネルで文字入力するのは好きではないので、ハードキーがきっちり作りこまれているのは好印象。そこはやはりPCメーカーとしての本領が発揮されていると思います。


個人的には、「Android=オープンソース=無料」の式が頭にあり、それでコストも浮くのかと思っていましたが、逆なんですね。今まで決まっていた部分が自由になってしまうことで、開発に新たなコストがかかってしまうと。なるほど。

そのカスタマイズ部分が他社製品との差別化につながり、ノウハウが蓄積されてブラッシュアップされていくのでしょう。次期製品も検討中とのことですので期待大ですね。

他にもたくさん質問をしてしまいましたが、快く答えてくださいました。興味深いお話ありがとうございました。