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機能的組織のつくり方~統治構造の研究~

機能的組織のつくり方~統治構造の研究~

細島 誠彦

株式会社TransamManagementSystem代表取締役。 中央大学法学部卒業後、ベンチャー企業その他企業の経営企画室長、管理本部長、CFO、取締役を歴任。経営戦略構築、マーケティング戦略構築、新規事業の立ち上げや財務戦略、M&Aなど、企業の参謀業務に従事。

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組織には様々な種類の体系がある。

しかし、絶対に抑えなければならないことが、いくつかある。
1)責任の明確化
2)指揮命令系統の明確化
この2つは最低限必要な条件である。

例えば、
企業においては、役職や部署を兼務するなど、
責任が不明確な場合がよくある。
兼務をするというのは、
その人が優秀であるからというケースが多いのであるが、
兼務をしていることで、責任の所在が不明確になるケースも多い。
そのため、下の人間が混乱をする。不平不満もでてくる。

責任が明確なのに、責任をとらない、感じないというのは論外であるが、
ピラミッド型組織であれば、それぞれのピラミッドの頂点の人の責任ということは
明らかである。

内閣においては、各省で政治家と官僚で2つのピラミッドができあがっている。
形式上は大臣を頂点として、政治家の小さなピラミッドがあり、
その下に事務次官を頂点に、官僚の大きなピラミッドがある。
その2つのピラミッドはつながっているようで、つながっていない。
官僚は政治家をたてながらも、実はたてていない。
企業で考えれば、現場のTOPが取締役を無視するようなものである。
つまり、あり得ない組織図となっているのである。

この場合、当然、指揮命令系統もあやふやなものにならざるを得ない。
事務次官からの命令が最上のものなのか、大臣からの命令が最上のものなのか、
官僚にとっては、事務次官からのものを優先するようである。
指揮命令系統も明確になっているようで、なっていないのだ。

こういう組織が最高のパフォーマンスをできるわけもない。
組織はシンプルに作る必要がある。
朝、社長が発信したことは、すぐに最下位の層に届くようにならなければならない。

このように組織は、簡単につくれるものではあるが、
作る際には、細心の注意を払わなければならないのである。
私の携わった組織においても、
過去、これらをきちんと作れていた組織というのはかなり少ない。
組織を作る際に、それぞれの人の顔を浮かべて、原則を外してしまうことがよくある。

簡単だが難しい。それが組織である。