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視点が低い残念な人の事例 好みでM&Aをする社長Aの場合 ~視点の研究7~

視点が低い残念な人の事例 好みでM&Aをする社長Aの場合 ~視点の研究7~

細島 誠彦

株式会社TransamManagementSystem代表取締役。 中央大学法学部卒業後、ベンチャー企業その他企業の経営企画室長、管理本部長、CFO、取締役を歴任。経営戦略構築、マーケティング戦略構築、新規事業の立ち上げや財務戦略、M&Aなど、企業の参謀業務に従事。

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M&Aや営業譲渡を行なって、拡大していた会社での話である。
多額の投資をおこなって、会社を買う、事業を買う、事業を育てるということをやっていた会社だ。
以後、これらをすべてM&Aと表現する。

M&Aにより吸収する際には当然調査は行われる。
社内で、そして社外のプロに依頼して調査はする。
しかし、M&Aで最も重要なのは、吸収した後に、
どうやってこれまでの事業との相乗効果を生むかということである。
M&Aは足し算ではなく、掛け算で効果がなければ、意味はないと思う。

この会社では、吸収後にどうやってその事業を伸ばすのかという絵が全くかけていなかった。
吸収して終わりなのだ。買っただけだ。
よって、買ったはいいが、倒産させることになったり、手放すことも多々あった。
こうやって、結果として何度も失敗していたため、
当たり前といえば当たり前なのだが、吸収後の相乗効果などの戦略を描くこととなった。

しかし、この会社では経営者Aの権力が強く、最後はその経営者Mの好みがすべてであった。
経営者Mも、吸収後の戦略を描く重要性は感じていたのだが、
描いた結果、このM&Aはやらない方がいいという結論がでると、

「いや、この事業はやりたいんだよね。絶対にうまくいくよ!」
「こうやれば、簡単に売上はあがるから、成功するよ!」
「俺には先が見えるから、大丈夫」

という一言で会議は終了してしまう。
かなり大きな会社であったため、周囲にいる取り巻きも保身のためか、何も言えない。
結果、失敗を繰り返すことこととなった。

経営者Mはどう考えるべきだったのか?

・そもそも、このM&Aは何のためにやるのかを明確にする。
・目的に沿っていれば、M&Aの結果、どうなるかをシミュレーションする。
・M&Aによる企業の相乗効果はどうなるかをシミュレーションする。

こういったことぐらいは少なくとも考えるべきであった。
M&Aが失敗するという話はよく聞くが、
ほとんどは、金はあるが、知恵のない会社でのことである。