誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。
「家は消費税増税前に買った方がいいのか?という議論の結論」~消費増税よりも気にすべきこととは?~
»2013年7月 2日
世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる
「家は消費税増税前に買った方がいいのか?という議論の結論」~消費増税よりも気にすべきこととは?~
ハイアス・アンド・カンパニー取締役常務執行役員。都市銀行・大手経営コンサルティング会社・不動産事業会社取締役を経て現職に。住宅・不動産・金融の幅広い経験を元に、個人の資産形成支援事業を展開中。
当ブログ「世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/hyas/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。
今日は住宅購入の方への情報です。
色んな情報が飛び交っていますから大変ですよね。
住宅相談会で「家を買うならやっぱり消費税増税前がいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。今、消費税増税前に家を買おうという方が増えていて「駆け込み購入」の動きが出ています。4月の持家着工戸数は前年対比17.5%も増加しました。これで8か月連続の増加です。
住宅相談会で「家を買うならやっぱり消費税増税前がいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。今、消費税増税前に家を買おうという方が増えていて「駆け込み購入」の動きが出ています。4月の持家着工戸数は前年対比17.5%も増加しました。これで8か月連続の増加です。
今5%の消費税が来年(2014年)4月1日以降には8%に、そして再来年(2015年)10月1日以降には10%になりそうです。住宅はもともとの金額が大きいですから消費増税にナーバスになるのは当然ですよね。
■「増税前?それとも増税後?」どっちがいいの?
「住宅を購入するなら増税前?それとも増税後?」というテーマはここ最近ずっと議論されてきました。「ケース・バイ・ケースです」などと説明がされてきましたが、ついにはっきり結論が出た感じです。
■「増税前?それとも増税後?」どっちがいいの?
「住宅を購入するなら増税前?それとも増税後?」というテーマはここ最近ずっと議論されてきました。「ケース・バイ・ケースです」などと説明がされてきましたが、ついにはっきり結論が出た感じです。
↓↓↓
<住宅購入に最大30万円 年収制限、ローン利用者に>
<住宅購入に最大30万円 年収制限、ローン利用者に>
『政府・与党は26日、2014年4月の消費増税に併せて導入する住宅購入者向けの給付制度を固めた。住宅ローン減税を利用する場合は年収510万円以下の人に最大30万円を給付する。現金で買う場合は50歳以上で年収650万円以下に限定し最大30万円を給付する。消費増税後の住宅市場の冷え込みを避ける狙いがある。』(日本経済新聞 平成25年6月26日付夕刊)
結論は、「すべての年収層で消費増税による負担増はほぼない」ということになりました。
結論は、「すべての年収層で消費増税による負担増はほぼない」ということになりました。
増税前の駆け込み需要とその後の反動減を起こしたくない政府は「住宅ローン減税の延長」など支援策を打ち出してきました。でも住宅ローン減税は「支払った所得税が返ってくる」ものであり、もともと年収が高くなくてそれほど所得税を納めていない世帯にとっては還付額が少ないので、消費税増税分をまかなうところまではいきませんでした。また現金で買う方にはそもそもローン減税による還付の恩恵は受けられません。
でも、今回の「給付金制度」が決定したらほぼすべての世帯で住宅購入に関して消費増税はほとんど関係なくなります。増税した分は所得税の還付や給付金によって吸収されることになります。
これで「消費税が上がると負担が増えるから」という理由であわてて家を買う必要はなくなりました。
■消費増税よりも気にすべきこととは?
「じゃあ家を買うのはいつでもいいんですね?」
■消費増税よりも気にすべきこととは?
「じゃあ家を買うのはいつでもいいんですね?」
・・・というと実はそうではないんですね。
実は消費増税よりももっと気にするべき大事なことがあります。
↓↓↓
<住宅金利、3カ月連続上げ 大手銀10年固定、年1.65~1.7%>
<住宅金利、3カ月連続上げ 大手銀10年固定、年1.65~1.7%>
『大手銀行は7月の住宅ローン金利を引き上げる。主力の10年固定金利型(最優遇)を0.05~0.1%上げ、年1.65~1.7%とする方向。金利引き上げは日銀の金融緩和後3カ月連続で、2011年9月以来の水準となる。』(日本経済新聞平成25年6月26日付)
はい、住宅ローン金利の上昇です。
はい、住宅ローン金利の上昇です。
変動金利はまだ政策的に抑えられていますが、市場の長期金利に連動している固定金利はじわじわと上がってきています。銀行は毎月ローン金利を見直していますが、10年固定金利などは3か月連続で上昇しています。
実は、住宅ローン支払い総額へのインパクトは消費税よりも金利上昇の方が大きいんです。
■あなどれない金利上昇のインパクト「たった0.2%の上昇でも・・・」
■あなどれない金利上昇のインパクト「たった0.2%の上昇でも・・・」
消費税が5%→8%に上がったとすると、建物が2,000万円の場合で60万円の負担増です。
ローン金利はこの数か月で10年固定が0.2%程度上がりました。2,000万円のローンで平均金利が0.2%上がったとすると35年間の総支払額は80万円程度増えます。しかも消費税は建物部分にしかかかりませんが、ローン金利は当然、土地・建物・諸経費などの総額予算の中でローンを借りた部分全体にかかります。
35年返済における平均金利0.2%上昇は、
35年返済における平均金利0.2%上昇は、
3,000万円のローンで120万円程度の総支払額の増加、
4,000万円のローンで160万円程度の総支払額の増加、
ということになります。
(1.4%→1.6%で計算)
■金利は銀行で異なります。最適なタイミングもやはり人によって・・・。
ただひとつ注意点です。
■金利は銀行で異なります。最適なタイミングもやはり人によって・・・。
ただひとつ注意点です。
以前は、住宅ローン金利はどこの銀行も同じような水準で、同じような動きをしていましたが、今は銀行の経営方針の違いでローン金利の水準も動きもバラバラです。
今、大手銀行は金利引き上げの方向に動いていますが、一方で住宅ローンに力を入れているインターネット系の銀行などは逆に金利を引き下げています。住宅ローンがメイン商品であるインターネット系の銀行は大手銀行が金利を上げている今こそ、住宅ローンを取り込む絶好のチャンスとみているのでしょうね。
金利が自由化されている今は、銀行の経営方針によって金利は異なります。金利の動きと各銀行の動向はしっかり見ておきたいものですね。
住宅に関する総支払額は購入タイミングによって数百万円単位で変わります。
住宅に関する総支払額は購入タイミングによって数百万円単位で変わります。
消費増税、ローン減税、そして今回の給付金、さらにはローン金利などなど、実際にどのタイミングならどれくらいの金額になるのか?自分のケースはどうなるのかは、FP相談ができる住宅会社さんや不動産会社さんでちゃんと試算してもらうといいと思います。
何より、ご自身のライフプランやお子様の進学、今のお家賃などをよく考えて、皆さん自身の正しいタイミングで住宅購入をご検討くださいね。
今回は以上です。
もっと日本が良くなりますように。
何より、ご自身のライフプランやお子様の進学、今のお家賃などをよく考えて、皆さん自身の正しいタイミングで住宅購入をご検討くださいね。
今回は以上です。
もっと日本が良くなりますように。
-------------------------
今回の記事はいかがでしたか?
「ハッピーリッチ・アカデミー」の「カワセ君のコラム」では、過去のバックナンバーをご覧頂けます。
また、ハッピーリッチ・アカデミー会員に登録して頂くと隔週でメールマガジンにてお届けします。
今回の記事はいかがでしたか?
「ハッピーリッチ・アカデミー」の「カワセ君のコラム」では、過去のバックナンバーをご覧頂けます。
また、ハッピーリッチ・アカデミー会員に登録して頂くと隔週でメールマガジンにてお届けします。