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『消費増税! 住宅業界ではもう次の駆け込みが始まっている?』 ~消費増税と家の買い時、さていつが良いのでしょうか?~

『消費増税! 住宅業界ではもう次の駆け込みが始まっている?』 ~消費増税と家の買い時、さていつが良いのでしょうか?~

川瀬 太志

ハイアス・アンド・カンパニー取締役常務執行役員。都市銀行・大手経営コンサルティング会社・不動産事業会社取締役を経て現職に。住宅・不動産・金融の幅広い経験を元に、個人の資産形成支援事業を展開中。

当ブログ「世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/hyas/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。

いよいよ今日(2014年4月1日)から消費税が8%に上がりましたね。
今日は消費増税と家の買い時についてです。
昨日まで各方面で駆け込み需要があったようですね。

私が関わっている住宅業界は一足早く進んでいまして、実は「もう次の消費増税10%に向けた動きが出始めているのでは?」という声も聞こえてきます。 

結論から言いますと、家を買うには今年度の前半(2014年4月~9月)というのはとても良い環境が整っているタイミングだと思います。

住宅会社側でも「どうせ建てるつもりなら、できるだけ早くしていただいた方がいいです。」と口を揃えて言っています。

さて、それはなぜなんでしょう?

■住宅業界の「8%駆け込み」を振り返ると・・・

 

これまでの消費増税にともなう住宅業界の動きを整理します。
住宅は「引き渡し基準」ですので、2014年3月末までに完成して引き渡した家の消費税は5%です。

消費増税前に駆け込み工事が集中することが予想されたことから、緩和措置として、半年前である2013年9月末までに住宅会社と「契約」を交わしていれば、もし工事が遅れたりして完成引き渡しが2014年4月以降になったとしても旧税率の5%でOKですよということになっていました。

このため、去年の9月末には「とりあえず住宅会社と契約を!」という「駆け込み契約」も結構ありました。

さて、住宅業界はその後工事で忙しくなりました。これで住宅業界は売上が伸びてウハウハだったか、というと実はそうでもなかったんですね。

 

■建設現場で起きていた混乱とは? 

問題のひとつはこんなことです。

↓↓↓

<建設現場で職人不足が慢性化>

(2013年12月29日付 神奈川新聞)

『建設現場で慢性的な職人不足が続いている。東日本大震災の復興事業などに加え、景気回復で住宅やマンションなどの新規計画も相次いでいるためとみられる。高齢化などで全体数が減る職人に対し、景気回復で増える需要。一人でも多くの人材を確保するため、住宅・建設会社でも自前の職人を育成したり、直接雇用したりする動きが出ている。』

 

実は住宅・建設業界はここ数年、特に東日本大震災以降、家を作る職人さんが不足しています。そこに消費増税の駆け込み需要が重なって、建設現場がうまく回らなくなってしまったのです。

住宅でいうと、基礎を作る型枠職人や大工さん、内装のクロス屋さんなど、ほぼ全業種にわたって職人が足りなくなりました。

いつも頼んでいる職人さんが手一杯で、ようやく見つけた新しい職人さんに発注したら、要領を得ずに何度も手直しが発生したりして全体の工程が遅れる、というような混乱が多くの現場で発生しました。

 

職人の不足、人件費の高騰、そして資材の不足・・・。

駆け込みで契約こそ取ったものの、その後の工賃や資材の値上がりなどがあって、結果として忙しかっただけでほとんど儲からなかった、という住宅会社も少なくなかったようです。

 

こういうタイミングで家を建てたお客様は、工期の遅れや手直しが続いたりして、ハラハラした方も多かったのではないでしょうか。

 

今、建設現場はようやく少しずつ落ち着いてきているところです。

住宅会社は、「これからのタイミングでしたら落ち着いて丁寧な対応が出来ます。」と言っています。

 

■これから住宅購入環境はどう動くか?

私どもがやっている住宅相談会には今もマイホーム建築検討中のお客様は来られています。

この方たちは「消費税8%増税」でも動かなかった人たちですから、ゆっくりと土地や住宅会社を探しています。この方たちが急がなかった理由のひとつは、「住宅ローン減税の拡充」や「すまいの給付金の創設」などの施策で、「消費税が上がってもそれほど負担は増えない」と判断したからだと思います。

むしろ、ある程度年収がある方だと消費税が上がったこの4月以降に買った方が減税額が多くなるというケースすらあります。

 

こういう方に、「ではいつ買いますか?」と伺うと、ほとんどの方が「次の10%になるまでには・・・」とおっしゃいます。

 

さて、ではこれから建てるお客様にとってはいつがいいのでしょう。

 

今後の住宅業界は「10%への消費増税があるかないか」で大きく動向が変わると思われます。

今の予定では消費増税10%は、2015年10月からです。もしこの「10%増税」が先送りになれば、住宅業界は大きな波を迎えることもなく、このまま穏やかに推移していくでしょう。

しかし、もし増税するということになったら、再びこの1年に起きたような駆け込みの動きが始まるでしょう。

 

「10%増税」をするかどうかは、これからの景気動向を見て決めることになっています。具体的には、今年の11月頃に公表される2014年7月~9月(第2四半期)の国内総生産(GDP)が伸びているかどうか次第です。(目安は実質成長率で2%程度ではないか、と言われています)

 

さて、上半期に打った景気対策がうまくいって、今年の11月頃に「来年の10月に10%に増税します」という発表が行われると、今検討しているお客様が一気に動き始めるでしょう。

前回と同じように、増税の半年前の2015年3月末までに契約すると「消費税8%」のままでいけることになりますから、2014年11月頃~2015年3月末までのおよそ半年間で「駆け込み」が起きる可能性が大です。そうなると、また職人不足や資材価格の高騰などの混乱が起きるかもしれません。

 

■オススメの家の買い時は「2014年の上半期中」

住宅業界は消費税が8%に上がった今現在、すでに消費増税10%に備えています。

今、業界は穏やかになっています。
冒頭に申し上げたように、家を買うには今はいい環境が整っていると思います。
特に営業現場は今少しお客様が減っていますので打ち合わせにも丁寧に対応してくれるはずです。 

8%増税の駆け込みの反動で4月~6月(第一四半期)は少し消費は落ち込むかもしれませんが、政府は大規模な景気対策もしましたので、それほど景気のムードは悪くならないかもしれません。
日銀も大規模な金融緩和を継続しているので、いまだ金利も低いままです。

 

まとめますと、今はこういう環境です。

・大規模な対策もあり、景気のムードはそれほど悪くならないかも(もしかしたら給料上がるかも)
・住宅ローン金利は低いまま
・営業現場は落ち着いていて丁寧に対応してくれる
・建築現場も落ち着いたので資材価格も安定、職人の確保もできている

これらの好条件は「10%増税」が発表された後にはどうなるかわかりません。

今、家を検討している人たちはそういうことがわかっているので「ゆっくり考えています。」と言いながらも、実はかなり真剣に検討を進めています。

住宅業界ではひそやかに次の駆け込みがもう始まっているのです。
皆さん、どうぞ最適なタイミングで満足できる家づくりをなさってくださいね。

 

今回は以上です。
もっと日本が良くなりますように。

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