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「エコポイント、フラット1%優遇が延長?」~第3次補正予算の行方はどうなる?~

「エコポイント、フラット1%優遇が延長?」~第3次補正予算の行方はどうなる?~

川瀬 太志

ハイアス・アンド・カンパニー取締役常務執行役員。都市銀行・大手経営コンサルティング会社・不動産事業会社取締役を経て現職に。住宅・不動産・金融の幅広い経験を元に、個人の資産形成支援事業を展開中。

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こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。

住宅購入を検討している人には朗報かもしれません。
住宅取得促進施策について動きがありそうです。

■エコポイント、フラット35S「1%優遇」が延長!?

<住宅エコポイント 国交相、3次補正で検討 優遇金利の再開も> 
(日本経済新聞2011年9月9日付)
『前田武志国土交通相は8日、日本経済新聞などとのインタビューで、省エネ住宅の新築・改修時に商品に交換できる「住宅エコポイント」について「2011年度第3次補正予算案の中でやっていきたい」と述べた。東日本大震災の被災地などを対象に、低迷する住宅投資の支援策を導入する考えを示した。国交相は、住宅金融支援機構が取り扱う長期固定金利型の住宅ローン「フラット35S」の優遇金利についても、「(3次補正の)対象にしたい」と表明。9月末に申請期限が切れるフラット35の1%優遇金利を、一部修正して10月以降に再開する意向を示した。』

住宅エコポイントは7月で終了しましたし、またフラット35Sの1%金利優遇も9月末で終わりです。
これらの住宅取得促進施策の効果はとても大きいものがありました。お陰で住宅はかなり売れました。


■効果があった住宅促進施策

住宅業界トップの積水ハウスもこの上半期は大いに恩恵を受けたようです。

<積水ハウス、純利益24%増 戸建ての販売単価上昇 購入支援政策が追い風> 
(2011年9月9日付日本経済新聞)
『積水ハウスが8日発表した2011年2~7月期連結決算は、純利益が前年同期比24%増の168億円だった。(中略) 金利優遇策「フラット35」や住宅版エコポイント制度など政府の住宅購入支援策が追い風になり、主力の戸建て住宅の売上高は2,278億円と1%増加。戸建て住宅の1戸あたりの平均販売価格は「3,250万円程度と、前年同期から約80万円増えた」(阿部俊則社長)という。』

業界全体でみても先月発表された新築住宅の着工戸数統計によると、7月の住宅着工戸数は83,398戸、なんと前年同月比21.2%増!震災の影響で落ち込んだ3月以降、4月から4か月連続で前年実績を上回りました。
この調子でいけば「年間着工戸数は95.5万戸になりそうだ」と国土交通省は発表しています。
ここ2年間の年間着工戸数が80万戸程度でしたから今年はかなりの増加になりそうですね。

今夏のエコポイントやフラット35S 1%優遇の終了に伴い、住宅着工も下半期は減速が予想されていましたが、新しく就任された前田国土交通大臣は3次補正予算で復活させることを考えておられるようですね。

「時期を逃した!」と悔しい思いをした住宅購入検討のみなさんも、「上半期の反動で下半期はダメかな」と思っていた住宅業界もほっとしたのではないでしょうか。
(3次補正予算はこれから審議ですからまだどうなるかわかりませんけどね。)


■さて3次補正予算の問題は?

問題は、「いつ3次補正予算が実施されるのか?」ということですね。
3次補正予算のメインは復興支援です。
政府が7月末にまとめた「復興基本方針」によると、これからの5年間を「集中復興期間」と位置付けて、約19兆円程度の復興予算を想定しています。
今年の4月にはまず1次補正予算として4兆円、続いて7月に2次補正予算として約2兆円が決まりました。残る約13兆円の多くを3次補正でやるということになっていましたね。

報道によると3次補正の13兆円の内訳は、被災地自治体への復興交付金が約3兆円、円高対応などの経済対策や年金国庫負担穴埋めなどが約10兆円になりそうだとされています。

この大規模な補正予算の問題は「財源」です。
これ、間違いなくもめると思います。
政府は「復興債」という形の国債をまず発行して、将来的に増税して償還財源とすることを基本方針としています。将来的な増税は不可避と思いますが、何をどれくらい増税するのか、これは簡単にまとまるテーマではありません。
3次補正予算案の国会への提出は10月にずれ込みそうですが、審議して実施されるまでにどれくらいかかるのでしょうね。


■3次補正、一刻も早い成立を!

被災した方々で新しく家を買う方も多くいらっしゃいます。
住宅取得促進施策には復興支援の意味合いも大きいのです。
支援促進施策がはっきりしないとそれまで「買い控え」が起きてしまう可能性もあります。

だからこそ大事なことは3次補正予算を一刻も早く成立させることだと思います。成立後でなければ大規模なガレキの除去や放射線の除染、高台への集団移転など復興に向けた具体的な動きを前に進めていくことができません。

モタモタしているとあっという間に東北には冬がやってきます。
復興対策は財源問題とはいったん切り離してでも補正予算の早期成立を優先するべきだと思うのです。

今回は以上です。
次回、もっと日本が良くなっていますように。

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