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スマホの問題 その6 切れる
読むBizワクチン ~一読すれば身に付く体験、防げる危険~
スマホの問題 その6 切れる
アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。
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スマホの問題 その6 切れる
現役時代に、通信会社に10年出向して、営業を担当した時に、まさに思ったのが、「電話は人と人とが会いたくなる道具だ」ということだった。
電話があれば、電話だけで仕事や用事が済むと思うが、相手と電話を掛ければ掛けるほど、相手と会わないと、仕事もプライベートのことも片付かないし、満足できなくなることに気が付いた。
これは携帯でも紐付き電話でも同じだった。そのことを知ってすごくうれしく思った。私が通信会社で仕事をしているのだから、人と人とを会わせる仕事なのだと分かったからだ。これは楽しい、そして重要な仕事だと痛感していた。
スマホでは、人と人をつなぐ道具であることを忘れてしまうほどに、スマホに囚われている。スマホからの情報やゲームなどを受け取ることに、集中していて、肝心の人と話す部分がどんどん減っているのではないだろうか。
スマホに釘づけになり、スマホが無くては生きていけないほどに、スマホの画面に縛られている人が多い。人生を指で掻きながら退屈しないで過ごしているのだから、それでよいのかもしれないが、その間に失っている大切なものがあるのではないだろうか。
どこかの大学でも、高校でも、中学生ですら、授業中にスマホをいじっている学生が多いと聞く。授業が身に入らないだろうと思う。それだけでなく、人との会合も、実際のリアルの人との付き合いに、いつもスマホが、「私を見てよね」と袖を引く。電話だけでなく、メールもニュースも、アラームも、ありとあらゆる音がなる。これじゃ、落ち着いて、集中して話ができない。話にのめりこむことができない。常にスマホを気にしていることになる。
スマホを使い続けることで、仕事は便利に進むだろうが、人と人との関係では、大きく損なっているように思う。人との縁がどんどん疎遠になり、切れていくのではないだろうか。
自分の脳の外にあって、自分の一番身近な知的なもの(在外知という)が何かと尋ねられれば、私はまずノートを指すが、スマホを挙げる人がたくさんいるだろう。