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音楽体験 その4 曲が頭を離れなくなる「脳内残曲現象」

音楽体験 その4 曲が頭を離れなくなる「脳内残曲現象」

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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音楽体験 その4 曲が頭を離れなくなる「脳内残曲現象」


 同じ曲が忘れられなくなり、自分の脳をうろうろする現象は誰もあるはずだ。

 自分が心から好きな歌手の好きな曲なら、ずっと自分の脳に駐在して欲しいと思うが、短い、下らない、コマーシャルソングで、おまけに商品の駄洒落のような名称が付いているのが、自分の頭にこびりつく。この現象を、「脳内残曲現象」とか「同一メロディ意識症候群」と名付けた。
 朝のテレビの短いコマーシャルで料金が安いのか、他にスポンサーが無かったのか、2度繰り返すものがある。あるいは、短い同一時間帯に、同じテレビ局のコマーシャルで、2度、3度と繰り返す。それも、チャカチャカと騒がしい種類の同じ音楽のBGM付きだ。その中で、音楽のメロディに合わせた会社名や商品名を連呼する。


番組が終わった後も、ほとんど聞き捨てているはずのその会社名や商品名が、曲と一緒に脳に残ってしまう。もともとそれが狙いなんだろうが、いつまでも、その曲が脳にはびこる。それも騒がしい低級な音楽と商品名が脳に残ってしまう。知らず無意識に口ずさんでしまう。その低俗な音楽と自分とまったく関係の無い商品のコマーシャルを受け入れる自分の頭がなさけないと思う。脳が同じメロディをオートリピートモードで繰り返す。人間は、「1時1件思考原理」で生きているので、この残曲を感じている間は、他のことを考えられない。

東日本の大震災の後、作られたあの優しく流れるあの歌曲も、何十回、何百回も聞いていると、脳にしっかりと腰を落ち着けてしまった。仕事をしながらも、ふっとお茶を飲んでいる時、目が覚めたときにそのメロディが出てくる。これは何か異常な病的な感じもしないではない。
もちろんそのメロディの作られたいきさつと背景を思い出すことは大事なことなのかもしれないが、特定の残曲現象で、過剰に意識を持ち続けることは、やはり心理精神的に問題があるようにも思う。


かってオーム真理教のBGMがテレビのニュースに出ていた時には、私は毛嫌いして、即そのテレビを切った。オーム真理教の犯罪行為が明らかになった後でも、テレビ局はその背景音楽を何度も流していたからだ。あの低い周波数の繰り返し音楽。これもひどい脳侵略性を持っていた。サブリミナル効果と言う。


古い話だが、怪獣映画「モスラ」にザ・ピーナツが小人になって出てくる映画がある。あの中に何十回も出てくる「モスラやモスラ」の背景曲、これも酷かった。低めの繰り返し音楽。映画を終わりまで見続けることができなかった。音楽の脳侵略性の害は間違いなくある。全国の何十万人もの小さい子供たちに、生涯、「モスラやモスラ」を植え付けただろう。

脳内残曲になるカルト集団の音楽や騒がしいコマーシャルのように、特定の名前を憶えさせようとする悪意があるものを、テレビ局も、ラジオ局も事前に配慮して、視聴者に病的に感染することを防止する必要があるのではないか。ましてや同じ商品のコマーシャルを繰り返し放送するのは、視聴者を愚弄し、調教しようとしていると取られても仕方がない。これも自主規制するべきだろう。ましてや1時間番組で、15分ごとに同じコマーシャルを行うのもやめてほしい。


この現象が起こるのが、また仕事が詰まって、超忙しい時に起っている。ただ、この現象を消去するには、次の日の朝になるか、他の音楽を聴いて脳を上書きする。他の人と話をするか、仕事に没頭してしまうことだ。(そして嫌なことだが)スマホなどに魂を奪われてしまえば、脳内残曲を「停止」することができるが、症状がひどいと、「休止」の効果しかなくなってくる。
もう一つは、仕事を減らしてリラックスすることだ。そして、美しい景色で、美味しいものを食べて、美しい音楽を聴けばかなり脳内雑音を消去できる。別の考え方をすれば、脳内雑音が出てくるのは、仕事で疲れすぎていることの証拠かもしれない。

コマーシャルをなくせとは言っていない。それが証拠に、私のキンドル第一号の本のコマーシャルを下に描きます。これは背景音楽も付いていないので、ご自分で、適当につけてください。NHKの連ドラの音楽でもつけていただければ幸いです。

 

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