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音楽珍体験 その12 卵とダンス
読むBizワクチン ~一読すれば身に付く体験、防げる危険~
音楽珍体験 その12 卵とダンス
アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。
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音楽珍体験 その12 卵とダンス
私がナイジェリア・ラゴスに駐在していた時、機械関係の日本のミッションがナイジェリアに訪問予定となった。
ナイジェリア連邦政府の対応の役所T省の次官補に、訪問面接の予定確認をお願いしていた。
ナイジェリアは石油産出国で、飛ぶ鳥を落とす勢いであったため、連邦政府の力は強大で、当時も各省庁の次官補クラスになると、なかなかアポイントメントが取れなかった。
2回も、手紙でお願いし、何度も秘書に確認をとってほしいと頼んでいたが、返事がなくて、日本の予定を最終確認する日付が日本時間の明日金曜日朝までと言われて、私はT省を木曜日の午後に訪問した。 3度目だった。
次官補は、 1時間ほどで戻ってくるとのことで待ち始めたのが午後3時だった。それから結局3時間待ったが、次官補は戻らなかった。待つ時間が2時間とか3時間は、よくあることなので問題はなかったが、確認の答えをもらわなければ、日本側で日程を短縮してしまうかもしれない。そうなると、最初に予定を提案した商社としてのメンツも丸つぶれとなる。私は何としても次官補に連絡を取りたかった。
次官補の秘書が、帰宅の準備をし始めたので、(これはやばい)と、秘書に次官補の自宅の電話番号を教えてほしいと頼んだが断られた。
「次官補はどちらにお住まいですか?」と尋ねたら、番地までは教えてくれなかったが、地域とその中の通りの名前を教えてくれた。 「すごく遠いわよ」と秘書が言っていた。外国人が行く場所じゃないという風だった。
(困ったなぁ)と思いながら、(じゃあ行ってみよう)と決断して、ランドクルーザーで走り出した。当時のランドクルーザーは、アイドリングしている間は、冷房は効かない。無茶苦茶暑い。すでに周りは暗くなっていた。ラゴスの市内からはるかに離れた町に入ったのは8時を過ぎていた。言われた通りの名前も見つけた。
小さなお店が並んでいるところで、次官補の名前を何度も尋ねながら、とうとう次官補の住んでいる横丁を見つけた。あたりは真っ暗だった。車を停めて、横丁を歩き出したが、溝とぬかるみがずぶずぶだった。横丁の1番奥の家が次官補の自宅だった。
開いている扉を軽くノックすると、腰巻きで上半身裸の次官補がこちらを見た。一瞬、仰天した。
「ミスター樋口、こんなところに、ど、どうして来れたのですか」
「非常に無理にお願いして住所を教えてもらいました」
「こんなところに、外国の方が来られることは、全くないです。よくぞ見つけることができましたね。こんな小さな汚い家で恥ずかしいです。もう少し広いところに移りたいと思っているのですが...」
自宅の貧相なことが、この次官補がいかに潔癖かという事を証明していた。その時には家の中から奥さんと女の子が2人顔を出していた。奥さんはニコッと挨拶したかと思うと、玄関から走って出て行った。
「日本からのミッションの予定だけを確認したかったのです」
「提案の予定通りで結構です」
「よかった。これで日本に連絡ができる。では帰ります。お邪魔しました」
「とんでもない。今家内が飲み物を買いに行きました。一杯飲んでいってください」
確かに彼の家は小さかった。電球が1個ぶら下がっていて、リビングもソファと椅子だけで、テレビとラジカセが置いてあった。次官補の奥さんがビールの大瓶を2本ぶら下げて帰ってきた。
次官補は、自分の娘たち2人を私に紹介して、何か指示をしていたら、娘たちは、ラジカセのスイッチを入れてナイジェリアの音楽を流し、踊りはじめた。一生懸命踊って、とってもチャーミングだった。緊張しているが、可愛い。
そこに奥さんが、お鉢にゆで卵を山盛り持ってきた。
「こんなものしかなくって」と奥さん。子どもたちはずっと踊り続けている。ナイジェリアの民族音楽に合わせて踊っている。 2人が練習をしたかのように、そろっているのが印象的だった。
ゆで卵を3個食べて、娘たちの踊りを堪能し、次官補と握手をして帰途についた。ナイジェリアの音楽が家でも耳に残っていた。その次官補とは、いつでも会えるようになったし、私が帰国するまでよく未来と理想を話したものだ。
子育ては、最高のエンターテインメントだ
幼稚園(3歳)から小学校(12歳)の父親主導による子育ての書
「父親だからできる子育てマネジメント」がキンドル化されました。
本書には、我が家で3人の子供たち(と一人のヨメサン)を相手に、「アイデアと工夫、好奇心とびっくり発想、継続と集中、笑いとルール」で育ててきたノウハウが詰め込まれています。私はすでに50冊ほどの本を出版してきましたが、本書には特に力がこもっています。自分のこどもたちのことですから。
(キンドル化 白根和味、表紙デザイン 山垣忍)
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