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 音声入力式の会議議事録即日作成の挑戦 その2 フル議事録の時代が来るか 

 音声入力式の会議議事録即日作成の挑戦 その2 フル議事録の時代が来るか 

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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 音声入力式の会議議事録即日作成の挑戦 その2 フル議事録の時代が来るか


私が現役の商社マンだった時、部内の暗黙のルールは、会議の議事録、往訪メモ、出張報告は即日作成だった。海外出張の報告は、現地でつくりメールで毎日送ったものを帰国後合わせれば議事録になった。
会議の議事録は遅れると、どんどん忘れ、間違い、いい加減になってしまう。事実から離れてしまうことから、私の部長の指示は即日だった。

 海外に駐在していて、交渉をしていると、議事録の項目一つでとんでもない問題が起きる可能性があった。議事録に書ききれないとか、書き忘れたことで、言った、言ってないは、議事録ができた後でも起こった。海外での交渉では、交渉のメモ作成は独りでやらないで、最低2人を任命していた。
契約交渉の議事録は、作成することを取り合いになった。
「今日の、議事録は、手前の方で作成します」
「いや、それは困る。私の方で作成します」とお互いに、言い合いになったこともある。自分たちで作成することをお互いに主張していた。

 プラントの建設途中の会議の議事録はまず、議事録の原稿を出席者全員に回して、訂正を入れることになっていた。ことなったトーンの英語も法律上ですら違った解釈を作る。
 

議事録を自分の都合のよいように作成することは、ビジネスモラルに反するが、議事録を作成している家庭でどうしても、手前味噌になっている。日本人は、相手が作成した議事録でも、細かいものを読まないことが多いので、巧妙に書かれた議事録は怖い。都合の悪いことを書かないという手口もある。

 議事録作成に膨大な時間を掛けることは、人によっては、その時間を他に使うことから考えても、もったいないことかもしれない。いっそのこと、話した内容、合意した内容、断った内容をそのまま話し言葉ででも、残しておこうというのが、音声録音式のフル議事録のコンセプトである。これはとにかく会議に参加している人たち全員にフェアであると思う。

 音声入力にもまだまだ問題はたくさんある。長大な会議ではどのようにフル議事録を活用するかなどは、未知の世界だ。我々ビジネスマンは、フルの議事録が無くても、今までやってきた。しかし、問題が起こった時に、フル議事録は確実に明確な証拠となる。フル議事録に、会議の音声録音が付いていて、活字になっている部分をPC画面で示せば、即どのような言い方をしたかが分かるのもすごい。怒っていたか、叫んでいたか。笑ってきついジョークや皮肉を言ったのかなどは、大切だ。

 音声認識の会議は、近未来の間違いない方向の一つだと思う。しかし、現在では、文の途中の「、」や「。」など、言葉で言えば滑稽なものも、マイクに話しかけてやる必要がある。さらに音声認識が難しい言葉の部分がある。
フル議事録も、電子議事録になり、紙面で配布されることがなくなると、フル議事録の中からキーワード、特定の人物だけの発言を集めること、発言されている内容の信ぴょう性までが測定される可能性も出てくる。
今回、音声入力を試みて、気がついたことが一つあるのは、音声入力を仮に行うとすれば、普通の会議よりもフォーマルになるだろう。言葉を選ぶようになるだろうということだ。会議の中でも、オフレコの部分を必要とした場合、どうするかなども、今後考える必要があるだろう。
フル議事録の時代はそこまで来ているかもしれない。更に画像付きのフル議事録となれば、誰も文句を言えなくなるだろう。外国語の同時翻訳の機能までが入れば、「日本語で話せば分からないと、相手の前で機密を話すことになりかねない。いや、もうそのようになっているかもしれない」
それにしても、音声認識ソフトと録音技術が進化してきたものだ。今後は、何語でも構わない、翻訳機能付きになっていくだろう。

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樋口健夫が30年前にビジネスで勝つために考案し、30年間継続してきたアイデアマラソン。すでに多数の企業、研究所、大学で採用されています。その秘訣がキンドル版で出ました。

アイデアマラソン発想法

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