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【2/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - 発電方式にはどんなものがある?

【2/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - 発電方式にはどんなものがある?

生内 洋平

EGGPLANT楽団主催 株式会社デザインバンク代表 & アート・ディレクター 株式会社アニー・デザインオフィス アートディレクター ジャンルの垣根なく、仕事活動中。二娘のパパ。音楽は家族。デザイン・アート人生の相棒。創り続ける目的は自分と関連あまたの豊かさ創りです。

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★原子力発電以外の発電方法

他にも商業発電にはいくつもの方式があります。
ほんの一例をあげてみてもこのくらい。

  • 化石燃料を燃やしてその熱で蒸気を生成し、タービンを回す発電する火力発電
  • 火力発電と原理は同じですが、燃料に天然ガスを利用するガスタービン発電(最近では震災支援の一環として台湾から日本へ大型のガスタービンが無償提供されました)
  • ダムなどで大量に貯めた水を高所から一気に流し落とす力で水車タービンを回して発電する水力発電(水力発電は他にも様々な方式があります)
  • 潮の満ち引きの力でタービンを回し発電する潮力発電
  • 風の力を利用して風車を回して発電する風力発電
  • 太陽光を利用した化学反応で発電する太陽光発電
  • 主に火山などのそばで発生する地熱発電
  • 次世代原子力発電「核融合炉」

これらはやはりどれをとっても一長一短あります。

★現在の大規模発電方式を簡単にまとめてみる

火力発電

火力発電は技術がこなれてきている事と、化石燃料自体がそこまで大きいエネルギーを暴走的に発生するような性質のものではないために運転が安定していますが、化石燃料自体の枯渇問題や、大量のCO2を発生しながら運転するため、地球温暖化などの環境汚染がひどい事など、様々な問題をはらんでいます。

ガスタービン発電

ガスタービン発電は、燃料となる天然ガスの性質上、火力発電で使用する化石燃料につきものだったCO2の排出量の大幅な削減が期待できるため、数ある発電方法の中でも「クリーンな次世代エネルギー」として期待されています。またアメリカでこれまで採掘は困難とされてきたシェール層に埋蔵されている非在来型ガス(シェールガス)の採掘方法(水圧破水法)が確立され、採掘できると思われるガス資源の量の見通しが世界規模で100年分も上乗せされたと言われています。このことも、ガスタービン発電を後押しする大きな要因となるかもしれません。

水力発電

大気中に直接公害物質を撒き散らすようなことはありませんが、水力発電に必要不可欠なダムの建設は、汚染された空気を浄化する力を持つ森やゼオライト系の土壌を持つ山などを潰して作られます。また本来大地が持つ、雨水を原料としたクリーンな水源の供給能力も著しく低下させ、その水が海に流れ込むという悪循環を生み出す危険性を持っています。あまり知られていない事ですが、実は海も空気を浄化する力を有しており、CO2を分解して酸素を作ることができます。そういった海の機能も、水質汚濁によって低下傾向にあると言われています。 また、水力発電は決して効率のいい発電方法とは言えず、ダムの建設にかかる莫大なイニシャルコストとダムの保守運営費用は、他の発電方法と比べるべくもない位高いのです。

潮力発電

潮力発電は世界的にみてもまだ実験的な段階です。
数年前に噂されていたAppleやGoogleによる将来的な建設が噂される浮島型の巨大データセンターなどは、センター内の電力の全てを太陽光発電と潮力発電と風力発電で担おうと計画していたり、大きな可能性を秘めている方式だと言われています。
常に海上に発生している波のチカラで発電し、一切の廃棄物を出さないと言われているこの方式、想定発電量・サイクルエネルギーを用いるクリーン性などから今後の動向が気になる次世代発電方式ですが、安定した運用に至る例はまだ報告されていません。

風力発電

風力発電の致命的な欠点は文字通り「風まかせ」な事です。
これまでも国内では鳥取など、安定して強風が吹くとされている場所への建設例がいくつもありますが、何せ発電量が大きくない事、広大な敷地が必要な事、風車の磨耗が激しく、設備保守費用がバカにならない事などから、近年では新規の開発事例もほとんど聞かなくなりました。
確信的な技術進歩がない限り、国土の小さい日本でこの方式が今後日の目を見る事はない気がします。
しかしU.S.ではこんな例もあります。
Googleが同社データセンターの電力供給元として「NextEraのオクラホマ州に建設中で年内に完成予定の風力発電所」と20年契約を締結したとのこと。同発電所は完成後に100.8メガワットの電力供給が可能になる見込みだとか。まだまだ風力発電も侮れません。

太陽光発電

この方式もサイクルエネルギーを利用した非常にクリーンな方式ですが、太陽光発電パネルの製造コストが高い事や、耐用年数が意外と短い事などから、現状ではあまり普及していません。
太陽光、水力、風力はコストが高い発電方法ワースト3とも言われます。気候によって発電量が大きく左右される事も特徴の1つで、商業利用としては「サブ的な扱い」を余儀なくされてきました。
しかし、今回の震災で、電気を使う拠点(住宅など)毎に発電機能を持つべきではという「サテライト発電インフラ」を提唱する団体もいて、もしかしたら家庭での消費電力の一部を担う欠かせない発電方法の1つとなるかもしれません。
技術進歩ででパネルの耐用年数も着実に伸びつつあり、コストも緩やかにではありますが下がってきています。いつか「流行」がきたら、意外にすんなり普及してしまうかもしれません。一頃の水洗トイレの様に。
また、金沢大学の教授が従来の太陽光発電パネルの100分の1の製造コストで同効率のパネルを製造する事を可能にする新技術を開発したと発表しました(発電量は従来のパネルの1/4)。従来家庭に設置するパネルコストは300万円を下らない状況だった為、これが実用化すれば太陽光発電もある日の目を見るかもしれません。

地熱発電

火山の近くや温泉地など、通常より高い地熱を得られる場所に建設し、地熱を利用して水蒸気を発生させ、タービンを回して発電する方式です。基本的にクリーンな方式ですが、皆さんご存知の通り、火山はその神秘性からよくかんこうちになったりしますw。また、地熱が高いという事はつまりお馴染みの「温泉」が出ている地域が多く、そう言った地域の地元の人々の反対も強く、なかなか建設も進まないという、数ある発電方式の中でもかなり大人よりの事情で普及が進んでいない発電方式です。
ただこれも潜在能力は潮力発電に引けを取らないと言われています。今後に期待できるかもしれません。

商業化に至っていない発電方式

例えば数年前「振動から発電できる」というパネルが開発されました。 これを使って首都圏などで「駅を歩く人々が作り出す振動」や「橋を渡る車が作り出す振動」を元に発電をしようという試みも行われていました。こうした「塵も積もれば山となるかもしれない」精神の下に様々な実験的発電方式の試みが今後も続いていくと思います。その中で、革新的なものが今後出てくるかもしれません。

こうした様々な方法で私たちが日常使う電気は作られており、現代では「発電の方式は国ごとにメインが違う」というくらい、世界的に乱立しています。
例えば最近はアレバで有名なフランスは原子力大国です。アメリカでは意外にもガスタービンの利用率が高かったり、原子力大っ嫌いなドイツは火力や水力を併用して電力量を賄っています。

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火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制
【1/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - ここまで嫌われる原子力発電とは?
【2/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - 発電方式にはどんなものがある?
【3/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - 発電方式ごとの仕組みを考える
【4/4】火力?水力?原子力??乱立エネルギー供給体制 - オール電化住宅の意義(近日公開)