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【ADS-2500W】PCが汚れることを気にせず自炊作業ができる(スキャン→USBメモリ)

【ADS-2500W】PCが汚れることを気にせず自炊作業ができる(スキャン→USBメモリ)

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


本棚からあふれる本。さりとて本は手放したくない。高性能のスキャナを手に入れる人の内の何割かの人は、大量の書類の電子化をひとしきりおえると、蛮行と言われようとも、本を電子化して手元に置こうとする。筆者もそうだ。

そして、実際に、筆者は本棚2台分を全部スキャナで電子化した。心は痛んだ。しかし、震災も経験して、重たい質量が頭上にあることのリスクも実感し、電子化は徐々に進んだ。それはそれで、いい。

さて、これまでは、本の裁断→スキャンを何十万ページとやっていくと、どんなに高性能のもの物でもPCとつなぐことが前提だった、その作業には2つの不満があった。

・キーボードが汚れる

裁断した時にでる細かい紙の粒子。それから、裁断面のあたりにある「糊」。どちらも一冊程度ではたいしたことはない。が、何十冊とやると、紙の屑と糊の粉はそれなりの量になる。「本をそろえてセット」→「スキャンボタンを押す」→「スキャン後にPC側で何度かクリックをして名前を入力する」。この作業の繰り返しでだんだん、手についた汚れがキーボードを汚し、べたべたと粉っぽさを帯びていく。これは執筆する時にとても嫌だった。

・PCが熱くなる

スキャンを大量にかけていた時期のノートPCのパワーはあまり大きくなかった。本をスキャンしてどんどん受け取らせていくと、かなりの熱を帯びた。熱い夏だったこともあり、たびたび、時々、ひどく発熱し、別の作業を同時に行うとアッツアッツになって強制終了してしまう、ということを何度かした。PCにかかるダメージが心配だった。

この2つは、しょうがないと思っていた。

それに対してADS-2500Wの「スキャン to USBメモリ」機能は、PCレスで本の自炊作業を可能にしてくれた。

・・・

スキャナにUSBを挿す


正面左の下側に、USBメモリを挿すことができる場所がある。

USB_01.jpg

本体の右側、下側にある。もっと近づく。

USB_02.jpg

こうなっている。ここにメモリを挿せる。

USB_03.jpg

二種類用意して挿して、挿した時の出っ張り感を比べる。
先日のエントリー 「邪魔にならないUSBメモリ」 である。製品詳細の話はそちらに任せて先へ進む。

USB_04.jpg

白くて長いほう(64GBのUSBメモリ)を挿したところ。

ノートPCに挿した時よりも、奥まったところに挿している分、あまり邪魔な感じがしない。それでもちょっと子供がぶつかってきたりすると、モーメントがかかって危うい感じ。

ちなみに、このUSBはつなぐことができないというエラーが出た。

USB_05.jpg

黒くて小さいほう(32GBのUSBメモリ)を挿したところ。こちらは、正常に認識した。

引き抜きやすいように、樹脂紐をつけてある。

これだと、ほぼ、物がぶつかってもUSBメモリには触れない。子供やら、倒れてきた本やらが、ぶつかって、べきっといってしまうこともない。

準備が整ったところで、スキャン to USB、がどれぐらいの速さ・画質なのかを試してみる。



実際にスキャンしてみた

用意したのは、75ページのノートを裁断したもの。コクヨのパラクルノ、という不定形のA5サイズのノートだ。ユニバーサルデザインだが、一枚一枚の紙面は長方形ではないのでスキャナにとっては、普通の本よりも条件が悪い。きつめの条件で使ってみた。

どんどんスキャン.jpg

スキャン対象物:75ページ、A5ノート、パラクルノ、という変形ノート。
スキャン設定:両面、300dpi、カラー、【原稿サイズ=自動】で読み込んだ。

結果

時間:10分(紙のスキャンの直後に終了のピー音)
サイズ:21メガ

開いてみると変形紙面のタブの部分が、かなりきれいに落とされている。正直ここまでの処理ができるとは思っていなかった。75ページを10分、というのは、高速スキャナに比べるとかなり遅い。一枚読み込んではしばらく考え込んでから、また次へ。という感じ。これは毎回、原稿サイズを判読して余計なタブ耳部分を落としたからだろう。

次に、
上記と同じ条件で、ただし【原稿サイズ=A5】の固定設定で読み込んだ。


時間:3分(スキャン後にピー音が鳴るまで、だと、4分
サイズ:21メガ

スキャンページ数が50あたりになってから時々、数秒停止して、動くような挙動になった。パネルを見るとスキャンタイミングでない時にも、ページがカウントアップしているので、データの処理が追いつかないと思われる。

なお、いっぺんに差し込んだ紙面の量は規定よりかなり多い75枚。

結構大量.jpg

投入口には多すぎるぐらいに入れておいた。一応、ソーターに入りやすいように束を斜めにずらして差し込んでんだ。それでも最後まで詰まらずに送り出してくれるのはかなり頼もしい。

スキャナーとしての基本品質は充分である。

なおファイルネームは、13013102( 2013年01月31日3つ目 )といったものになる。※付番は00から始まる。

ソートの切れ目でファイルができあがってしまうがこれは設定を変えることでできるのかもしれない。筆者は探し当てられなかった。しかし、USBにきちんと入ってくれることを考えるとある程度の量でいったんその部分のファイルが出来上がってくれた方が、途中で何かあった時にも安心なのでこの仕様でいいとも思う。

USBに入る.jpg

これを、PCに挿せば、USBの中の書類はすんなり見れる。

ファイルが1つ30メガぐらいだとすると、このUSBメモリで1000個は入る計算になる。

紙の微細ゴミと、糊の粉が手につく環境の時にはこれはかなり便利。

散らかっててスキャンして片づけたい時にPCとスキャナを開く場所もない、という時にも便利だろう。