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片付け上手は、横断歩道を最後まで駆け抜ける?

片付け上手は、横断歩道を最後まで駆け抜ける?

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室、ファイリングコンサルタントの野原です。 

 さて質問です。横断歩道で今にも信号が変わりそう。走れ!...さて、歩道に到達する手前2~3mの所で、走るのをやめる人、歩道に入るまで走りきる人、あなたはどちら?

 多くの人は、ゴール手前で速度を緩めているのではないでしょうか。人はわずかでも楽をしたがるものです。

 さて今回は、片付けてはいるのになぜか効果が出ない、そんな方のヒントになることを期待してお話します。

 

片付いてるのに見つからない、キレイなのに出てこない!

 お客様のところへ行くと時々あるのが、見た目はすごくキレイなのに、書類が全然見つかりません、というパターン。汚いと恥ずかしい、見た目が悪いと気分も悪い、5Sや防災などの観点から、床には物を置かないことを徹底しているという場合もあります。 ただ残念なのは、そういったエネルギーが見た目だけに留まり、効果につながっていないことです。

 説明するよりいくつか写真で例を挙げましょう。

 

引き出しには入れる所までは頑張ったのですが、入れ方がぐちゃぐちゃです。引出し_Before.JPG

 

引出の中のどこに何があるというところまで決めています。これなら、引き出しを開けてから探すということがなくなります。

引出し_After.JPG

 

 

小物入れの中には入れているのですが、小物入れの中から探すのに意外と時間がかかったりしています。

袋入り小物(小).JPG

 

 

こうすれば、どこに何があるか、一発でわかります。

20110120_42-05_GRID-IT.jpg

 

机の上のどこかにはあるはずなのですが、机の上で行方不明になってます。まあ、これはキレイとも言えない状態まで来ていますね。

20100624_12-01.jpg 

 

自分で持つのは仕掛りだけ、仕掛りボックスだけにしか入れないようにします。これなら、仕掛りボックスだけを探せば大丈夫です。(仕掛りファイリングの詳しい内容はこちら)

20100611_10-01.jpg

 

 といったところでしょうか。

 

「元に戻す」を「この辺」でやめない。完全に元の位置まで戻す

 例えばペンやマーカーをしまうとき、引き出しや鞄の中に入れるまではいいのですが、そこでアバウトにポーンと入れずに、あともう一歩頑張って引き出しの中のどこ、鞄の中のどこ、と言うところまで決めておく。これが「効果絶大」と「それなり」の分かれ目になると私は思うのです。

 これをやらず、たとえば、机の引き出しのトレーにペンを入れたのは間違いありません。しかし、トレーの中にペンが満載だと、いざ使うとなるとトレーの中をジャラジャラ探すことになります。ようやく見つけたら出ないやつだった。「これじゃないな...」こういう状態ってありませんか。確かにトレーの中にはあるはずなのですが、これでは効率的とは言えませんね。

 鞄の中も同様。鞄には絶対入れた、しかし、鞄の中のどこかは適当だ、だから探すときはここだっけな、いやこっちかも...ってやっている、こうなるわけです。

 これらのことは「使ったら元に戻す」ということが、鞄や引き出しまでは頑張ったのに「それのどこ」というところまで行かずにやめてしまっているんですね。実に残念です。

 大きなものならこのくらいの精度でも大丈夫なのですが、ペンやUSBメモリなどのように小さいものはもうひと頑張りが必要なんですね。ゴールまできっちり走りきらないと効果がない、片付けにはそんな場合もあるのです。

 きれいなのに、成果が出ていないという方は、最後のひと頑張りで手を抜いていないか、振り返ってみましょう。

 

 いかがでしたでしょうか。せっかく元に戻す習慣までできているのですから、最後まで走りきって、きっちり成果を享受してください。

 ちなみに冒頭の横断歩道の例と片付けの関連性はもちろん立証されておりません。でも、私はゴール直前で走るのをやめる姿を見ると、片付けの最後の一歩の残念なケースを連想してしまうのです。