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「第6のS、すぐやる」の驚くべき効果 拡大版

「第6のS、すぐやる」の驚くべき効果 拡大版

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室、コンサルタントの野原です。

 前回の記事「5Sの次に来る、「6つ目」のSとは?」の追補版として、6つ目のS「すぐやる」を、ファイリングの施策だけでなく、様々な仕事に適用してみると驚くべき効果がある、というご提案をしたいと思います。

 

仕事をためておくだけで発生するロス

 入って来た仕事のうち、別に今やらなくてもいいかな、と言うものを保留の状態にしておくことは良くあると思います。1つくらいならいいのですが、デキる人の所にはなぜか仕事がどんどん来るもので、放っておくと次から次へと仕事が舞い込んで来てしまいます。

 そうして3つ、4つと保留状態の仕事が溜まってくると、徐々にそっちの方が気になって今の仕事が手につかなくなってきます。すると今の仕事を変な所で中断して、別の仕事に取りかかったりしてしまいます。で、また別の仕事が気になり...。結局どれも中途半端になる、そんな経験ありませんか?

 別の仕事に切り替えると脳が再度集中するまでに10分くらいはかかるようです。前はどこまでやってたっけ、という思い出す時間も必要です。仕事を終了するときにも、未来の自分への申し送りが必要かも知れません。

 こういうことは、実は一発で終わらせてしまえば不要なことです。確かに今やらなくてもいい仕事かも知れませんが、そういうことも考えると、先にやってしまった方がいい場合もあります。

 

仕事が溜まっている状態は脳にとってストレス

 脳に関する本などを呼んでいると、片付いていない物が目についたり、未処理の仕事が頭にちらついていると、ストレスに感じるとのことです。確かにそれは経験的にも言えると思います。やるべきことをやっていない、というのは何となく落ち着かないものですよね。

 人にもよると思いますが、私は仕事がどんどん溜まっていくと、そっちが気になって今やるべき仕事に集中できなくなってしまう性格なのです。

 いつかはやらねばならないが別に今でなくても良い、ということでも、できるなら今すぐやってしまう方が後が楽ですね。この先どれだけ仕事が入ってくるかわかりません。その仕事の期限が近づいたときは、他の仕事で手一杯になっている可能性だってあります。

 

長期の仕事や、完結までに時間がかかる仕事は細分化を

 今始めてもこの仕事は終われない、というものもたくさんあります。結局上司の押印がないと次に進めない、でも今日一日上司は不在、そんな時などですね。

 そう言う仕事は、仕事を細かく分けます。今日できるところはここまで、とか、上司や同僚に依頼するところまで、と言った具合です。

 大きなひとつの仕事として捉えると、いつまでも「仕掛り」状態のままになってしまい、ストレスの元です。そういう場合は細分化して小さな複数の仕事にしてしまいます。捨てられるものは捨て、忘れて良いことは忘れ、しまえるものはしまって、片付いたことにしてしまうのです。

 ひとつの仕事が終わるまで次の仕事が待ってくれる、そういうケースはあまりありません。どんどん平行して進めなければならないことの方が多いと思います。で、あるならば、仕事は常に細分化して、開始してから比較的短時間で区切りがつくようにしておくと、どんな仕事にも「すぐやる」が実行できます。

  

目の前の仕事がなくなる開放感は集中力を高める

 来た仕事をすぐに取りかかって終わらせ、次々やるスピード感はとにかく自分の能力が高まったような気がして次の仕事にもいい感じで入れます。

 来た仕事はできることなら「すぐやる」で片付け、予定以上のスピードで依頼者に返せた、という高い達成感をもって次の仕事に取り掛かる。実に気持ちいいですね。

 この効果は細分化しても得られるように思います。長い仕事も一定のところで区切りをつけ、複数の小さな仕事にしてしまう。それごとに都度達成感を感じ、次の仕事に移っていくのです。大きすぎて難しそうな仕事は、「一体、どうやって進めればいいんだろう?」と、途方に暮れることもありますが、細分化すると、意外とできそうな気がしてきます。

 

 いかがでしたでしょうか。

 実は私は、今回のこのブログを「すぐやる」の考えに反して書くことになってしまいました。

 ちょっと書いては中断し、しばらくしてから書き始める。すると、自分がどう言う考えでそこまで書いたのか忘れています。だから最初から読み直して、なぜこんな書き方したんだろう?なんて考えて、やっと理解してまた書き始める。その間に15分や20分、すぐに経ってしまっているんですね。こんなムダを繰り返してようやくこの記事はできました。

 これも時間を決めて、一気に書いてしまえば、なくても済んだ無駄な時間だったはずです。結局、前回のブログと続きの内容のはずなのに、間が1か月半も空いてしまいました。

 私自身も決して強い人間ではないので、実際、そう言うこともあります。結果として待っていたのは、はやり後悔でしかありませんでした。

 もちろん、仕事には優先順位があって、それを大きく逸脱してはこれまたいけません。ここでは「すぐやる」で得られる効果を、仕事を積み残すリスクと併せて述べてたわけですが、それを加味しても後回しにすべきという判断もあるでしょう。どっちが正しいかは、仕事の見極め力、ということになりますね。

 でも、「すぐやる」は確実に効果があります。それを一度体験すれば、判断も若干変わってくるに違いありません。