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気づけば不要なモノに貴重な時間を奪われていた...(前篇)

気づけば不要なモノに貴重な時間を奪われていた...(前篇)

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 時間。
 仕事をしているときはもちろん、食べても、寝てても、お喋りしてても、どんどん過ぎていき、決して止めることはできない。

 もし、時間を作り出せたなら。もし、失った時間を取り戻せたなら。そう思ったことは誰しも一度や二度はあることでしょう。

 時間を戻すことはできませんが、違った形で時間を生み出すことはできます。

 タダ、と言うわけにはいきません。時間を生み出すには、最初に時間を先払いする必要があります。それが「時間投資」です。時間投資の方法は色々ありますが、私はファイリングコンサルタントですので、ファイリングを通しての時間投資のお話をいたしましょう。

 

目標を持つと、スピードが欲しくなる

 皆さんには何か目標はありますか。

 仕事上の目標でもいいですし、少し先の自分像でもいいと思います。人生の目標という長大な目標もあるでしょう。そこに向かうプロセスの一つとして、今の仕事があるのだと思いますが、その中の小さな一つ一つの仕事にも、目標が設定されていることでしょう。

 下らなくても、人に言うに値しないようなことでも別にかまいません。よそ行きの目標は不要です。自分の人生ですから、自分の思った目標で良いのです。

 さて、漫然と生きていると時間の使い方など気になりませんが、目標を持つと、時間を大切にしたくなります。それは「まだやるべきことがある」と思うからではないでしょうか。そして、その目標に向かって最短距離で、できるだけ速く走っていきたいと思うようになります。

 しかし、このとき、あなたが持っているたくさんのモノが、前進しようとするあなたの抵抗になっているんですね。ひとつひとつは大した抵抗ではありません。しかも日々少しづつ増えてきたものですから、抵抗に慣れてしまってるんですね。

 しかし、それが集まってくると見過ごせない抵抗となってきます。

 

便利はその時だけ、あとは荷物となる

 モノを持てば、管理しなければなりません。たくさんの中から探すのと、少しの中から探すのとでは見つけるまでの時間も違います。収納する場所も用意しなければならず、捨てるにも時間を消費します。大きなものなら廃棄にお金がかかるかも知れません。散らかったり、積みあがったりすれば見た目にも悪く、ストレスを感じます。こういうことが抵抗になっているんです。

 重い荷物を持ったまま、走りにくい服装で走るのは嫌ですよね。実力通りのスピードが出せません。モノを沢山持つということは、それに似ています。あれば便利な時もあるかも知れませんが、それ以外の時はあなたの荷物になるのです。ですから、あまり考えずにとりあえずとっとけ、みたいな判断はなされなくなるはずです。

 今までいかに抵抗になっていたかは、捨てると分ります。見通しが良くなり、机や部屋が広々として、作業がしやすくなります。必要なものがすぐに取り出せて、戻しやすくなります。あれもこれもあった方が困らずに済むと思っていたのに、なくても大して困らないことに気付きます。今までなんて重い荷物を持っていたんだろうと、身軽になって気付くでしょう。

 モノを持っていて良かったと思うのはそれを使う時だけで、持それ以外は荷物になると先ほど申し上げましたが、持たざる開放感はそこで生活している間、常に感じられるのです。

 

 いかがでしょうか。捨ててもいいかな、という気になってきましたか?つまりその作業が冒頭に申しあげた「時間投資」になるわけです。

 捨てるための考え方とは?持っている間も荷物にしない方法は?

 続きは次回。お楽しみに。