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一度知ったらやめられない、「持たざる開放感」(1/2)
ファイリングは捨てることと見つけたり
一度知ったらやめられない、「持たざる開放感」(1/2)
キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。
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捨てる、と言うことをつきつめるにつれ、自分の選択肢が狭まる、窮屈になる、困る、そんなふうにお考えではないでしょうか。
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
私は必ずしもそうとは思いません。むしろ、捨てるということが、自分をラクにしてくれるんだとまで考えています。
今回は2回にわたって、「持たざる解放感」についてお話したいと思います。
【持たざる開放感】
「何かの時のために持っていたい」「持っていればきっと便利なはず」
そう思っていろいろ持ちたくなる気持ち、良く分かります。「何に使うんだよ」と言われつつもやはりあった方がいいのではと、つい手放せない。一度この考えにとりつかれてしまうと、とにかく何でも持っていたくなる。そしてどこまでもモノが増えて行ってしまうのです。
モノを持つと管理しなければならなくなります。収納するために棚を買ったりして、またモノが増えます。かと言って、管理しなければ散らかるし、必要な時に見つからなくなります。結局持ってる分だけ、管理に手間がかかるわけです。
逆に持たなければ、管理しなくて良いわけです。物がないのですから、置く場所も考えなくていいし、収納するための棚も要らない。これが開放的で実に心地よいのです。
自分のセミナーで良く例に出すのが、私の机の引き出しですね。利用頻度が低いものはどんどん共有の引き出しに返しちゃいました。付箋、マーカー、定規、カッター...。
共有の引き出しに入れれば、自分の引き出しに置く場所を設けなくてもいい。使うときに取りに行って、終わったら返すだけ。自分で補充を考えなくてもいい。
最終的にはこのように形をくりぬいて、同じ場所に戻せるようにしました。物が少ないからこそ成せる技。これが実に便利。
使った素材はプラチナ万年筆の「ハレパネ」という商品。POPなどを作るのが本来の用途のようです。
こうすると、常に決まった場所に決まったものが、決まった向きで置いてあることになります。すると、引き出しを見もしないで取っても思った状態で手の中に納まって来る。これが、結構快感なんです。動きに無駄がなさ過ぎて、まるで工場の生産ラインみたい。
「ある」と「ない」がすぐに判るのもいいですね。あればあるし、ここになければないわけです。
「ない」ことに気づけば、ないまま終わらせるということがない。必ず探す。だから、使う時に初めてないって気がついて、道具を探すことから始めるなんてことがない。
手前の方のペントレーを見てください。こうやってペンが満載されていると、目的のペンがあるかどうかなんて、ジャラジャラやらないと分からないわけです。これが面倒臭い。だから適当に探してないともう、どっかから新しいのを持って来ちゃう。
で、更にはペントレーがあるのに机の上にペン立てがあって、かつ、筆箱を持ち歩いたりしているわけです。赤ボールペンなんか、それら全てに入っていたりする。それも2本ずつくらい。「予備」とか言って。無駄ですよね。
ちなみに僕は筆記具は3本をポケットに差しているだけ。
胸ポケットに入れておけばYシャツを脱がない限り自分が移動する所に絶対に着いて来てくれるわけです。忘れることがない。ちょっと触ればあるかないかもすぐわかる。机に座っているときも、外出先でもすべて胸ポケットからペンを出す。
その代わりこの3本は試行錯誤を繰り返しました。
メインの筆記具はゼブラのクリップ-オン マルチ。1本にボールペン4色と0.5mmシャープペンが収まって500円というすぐれもの。最悪この1本で用が足ります。
もともと多機能ペンは好きだったのですが、これは見つけた瞬間、店頭に残っていた全て(5本でしたが)を買い占めました。マイナーな商品かもしれないと思って。でも、後から色々見てみると大抵のお店には置いてありました。やっぱり皆さん好きなんでしょうね、こういうの。
2本目はトンボのホルダー消しゴム、モノゼロ。クリップ-オン マルチの頭の消しゴムは緊急用で、常用するのはモノゼロです。ノック式で胸に挿せて、良く消える。細いので細かい場所も精度良く消せます。断面が丸と四角がありますが、私は四角を使っています。
3本目が万年筆。黒ボールペンでも良いんですけど、ちょっとカッコつけてみたくなって色々探したわけです。海外製のものとか。でも、やっぱり万年筆ってちょっと物々しい。小さいと言われるものでも、それでもやっぱりデカい。ところがセーラー万年筆のシャレーナは太さわずか9mmで実にさりげない。ニッポンの技術の高さを感じつつ、スマートに使えます。
トコトン減らして、その分こだわる。こういうのもまた、楽しいですね。
この話は、次回もう少しだけ続きます。