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専門分野が違う相手に話をするときは抽象化と具体化が欠かせない
»2013年6月18日
開米のリアリスト思考室
専門分野が違う相手に話をするときは抽象化と具体化が欠かせない
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
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こんにちは。たまにエネルギーや安全保障問題についての駄文を書きますが、本職は文書作成能力向上トレーナーの開米です。
文書作成、といっても「ビジネス文書の書き方」のような新入社員研修でよく出てくるテーマはまったくやりません。ビジネスマナー的な話は私の守備範囲ではないので、ひたすら
という話を熱~く訴え、体感してもらう研修をやっています。
ただ、研修というのは「これから力をつけてもらうための最初の一歩」として行うものなので、「明日、客先訪問するときに持っていく説明書をなんとかもっと劇的にわかりやすくする方法はないものか!! なんとかならんか~!!」 ・・・という時には間に合いません。
そんなときには、なんとかしたいというその特定の文書を見せてもらって相談に乗り、場合によっては私が代わりに書いてしまうこともあります。
今日はそんなある日の一場面のお話です。
時は6月14日(2013)つまり先週の金曜日、あるクライアントとのskype会議での一幕。
専門分野が違う人に話をするのは難しいものです。
同じ領域の人に対しては具体的事例がそのまま通じますが、違う分野を参考にするためには、抽象化してエッセンスを取り出した上で、相手の分野ではどれに当てはまるか、という具体化をかけてやらなければなりません。
そしてこの抽象化→具体化の作業はA分野、B分野のそれぞれのプロには意外に難しく、私のような「どちらの領域についてもプロではないが、両方を少しずつ知っている」という人間のほうが向いています。というわけで、聞いてみました。
そう、営業チームの話をする分にはそれで通じます。が、違う分野で応用が効くようにするためには、もう一工夫した方がよさそうに思われました。「理想-現状=課題」というのも抽象化にはなっているのですが、実は「課題」という言葉は人によって場面によって違う意味に使われやすく、何を指しているのかがあいまいになりやすい傾向があります。
というわけで詳しい説明は次回に回します。本日はここまで!
文書作成、といっても「ビジネス文書の書き方」のような新入社員研修でよく出てくるテーマはまったくやりません。ビジネスマナー的な話は私の守備範囲ではないので、ひたすら
複雑な情報は分解して分類して見出しをつけて構造化しましょう
構造化すれば複雑怪奇な情報もわかりやすくなります
という話を熱~く訴え、体感してもらう研修をやっています。
ただ、研修というのは「これから力をつけてもらうための最初の一歩」として行うものなので、「明日、客先訪問するときに持っていく説明書をなんとかもっと劇的にわかりやすくする方法はないものか!! なんとかならんか~!!」 ・・・という時には間に合いません。
そんなときには、なんとかしたいというその特定の文書を見せてもらって相談に乗り、場合によっては私が代わりに書いてしまうこともあります。
今日はそんなある日の一場面のお話です。
時は6月14日(2013)つまり先週の金曜日、あるクライアントとのskype会議での一幕。
Sさん:いつもお世話になってます!
開米 :こちらこそいつもありがとうございます
Sさん:実は今度オレのお客さんのところで話そうと思っている内容についての相談があるんだけど・・
開米 :はい、どういった話でしょうか
Sさん:そのお客さん、C社さんは新製品を出そうとすると、毎回必ずといっていいぐらい遅れてて・・・
開米 :それはそれは、どこかの大作ゲームの新作発表みたいな話ですね。まあ、ありがちですけど
Sさん:ありがちだけどね~、それをなんとかしたいわけ
開米 :普通に考えるとプロジェクト管理がうまく行ってないということでしょうが、Sさんがそこで期待されている役割というのは何なんでしょうか? プロジェクト管理のセオリー解説してくれって話じゃないですよね
Sさん:そう、プロジェクト管理の話だったら別にオレの出る幕ないんだけど、チームマネジメントという観点で何かヒントが得られるんじゃないかと、そんな期待をしてくれてるわけ
開米 :ああ、なるほど。Sさんは営業チームマネジメントのプロですもんね。
Sさん:そうそう、営業と新製品開発じゃ、やること違うんだけどさ、1つの目標に向かってチームを動かすという部分は共通なわけよ
開米 :そうですね、そこは共通ですね
Sさん:それで、わかりました! お話しします! と引き受けたのはいいんだけど、ここでハタと困っちゃって・・・
開米 :どういうところにお困りで?
Sさん:営業チーム作りの話だったらいつものようにやればいいんだけどさ、今回ちょっと違うじゃない? ニーズが。
開米 :営業の話じゃないですもんね。ということは・・・営業チームマネジメントの話を抽象化してエッセンスを抜き出して、それを新製品開発チームでの問題解決の参考になるような形に再構成してやらなければいけない、ということですか。
Sさん:そうそう! 困ってるのはそこ! 営業の話題だったらそのままストレートに事例が使えると思うんだけどね。開発チームでしょ。営業から一番遠いような人たちじゃないですか
開米 :ああ、それはそうですね。営業の事例をそのまま話してもイメージわかないでしょうね。
Sさん:そこなんだよねえ・・・
専門分野が違う人に話をするのは難しいものです。
同じ領域の人に対しては具体的事例がそのまま通じますが、違う分野を参考にするためには、抽象化してエッセンスを取り出した上で、相手の分野ではどれに当てはまるか、という具体化をかけてやらなければなりません。
そしてこの抽象化→具体化の作業はA分野、B分野のそれぞれのプロには意外に難しく、私のような「どちらの領域についてもプロではないが、両方を少しずつ知っている」という人間のほうが向いています。というわけで、聞いてみました。
開米 :とりあえず書き殴ったようなものでかまわないんですけど、こういう話をしよう、というプランは何かありますか?
Sさん:ひとまずね、こういう式から話を始めようと考えたんだけど、どう?
理想 - 現状 = 課題
開米 :理想はこうだ、と、目指す地点をハッキリさせて、そこから現在の状態を引けばそれが課題だ、というわけですね・・・・
Sさん:そういうこと。これが営業チームマネジメントの基本中の基本だから。俺達はこうなりたい、こんな未来を作りたい、っていう「目指す地点」、つまり理想だよね、これを持ってない会社がほとんどだからね。ここを自分の言葉でハッキリさせる、そうするとそこから課題が見えてくるから後はそれをみんなで実行しよう、というのが営業の基本なわけで・・・
開米 :なるほど、そうですね・・・
そう、営業チームの話をする分にはそれで通じます。が、違う分野で応用が効くようにするためには、もう一工夫した方がよさそうに思われました。「理想-現状=課題」というのも抽象化にはなっているのですが、実は「課題」という言葉は人によって場面によって違う意味に使われやすく、何を指しているのかがあいまいになりやすい傾向があります。
開米 :そうですね・・・「課題」じゃなくて、「ギャップ」と呼んだ方がいいでしょうね。それから、Sさんがよく言う、課題を分解して解決策を考え、行動目標を設定して数値化して管理する、という話があるじゃないですか
Sさん:そうそう、その話につなげたいんだけど
開米 :商品開発プロジェクトのマネジメントにからめてその話をする場合は、課題・阻害要因・解決策といった形で構造化するといいと思います。
Sさん:なになに? おもしろそうだね。詳しく聞かせてよ!
というわけで詳しい説明は次回に回します。本日はここまで!