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就職活動について:もしも「人に頼む」ことができていたら・・・
»2011年11月12日
開米のリアリスト思考室
就職活動について:もしも「人に頼む」ことができていたら・・・
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
当ブログ「開米のリアリスト思考室」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/kaimai_mizuhiro/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
社会人のための文書化能力向上トレーニングをしている開米瑞浩です。
今回は就職活動について思うがままにつぶやいてみましょう。
というのも私は実は就職活動をしたことがないし、面接も大した数はやっていないので、「就職活動をする側・受ける側どちらの立場もよくわからない」、というのが実情です。そんなわけで、就職活動というよりは、24年間仕事をしてきて思ったこと感じたこと考えたことをとりとめもなく書いておきます。ほんとにとりとめもない話ですから、あしからず。
■高3のとき私は「やりたいこと」を言えなかった
高校2年から3年にかけて、進学が気になる時期のことです。
正論をかますなら、「将来自分が何をしたいかを考えて、そのために役に立つ大学・学部・学科を目指す」というのが筋なのでしょう。
ええ。きっとそれが望ましいのでしょう。
・・・なんて、こんな妙な言い方をするのは、自分ではそれがまったく出来ていなかったからです。
高3のころ「将来、何をしたい?」と聞かれたとき、ほとんどの場合は、適当に答えを濁していました。
しかしある程度気心の知れた仲間に聞かれたときは「物理学者」と答えていました。
でもそのころ私が本当になりたいと思っていたのは、「小説家」でした。
どの答えにしても、世間知らずもいいところです。
「小説家になりたい」なんて、普通は「アホな夢見てんじゃねーよ」と笑われて終わりな話ですよね。それがわかっていたので私も滅多にこのことは口にしませんでした。
「物理学者」のほうはそれよりはマシな答えですが、これも口に出すのは多少の警戒が必要でした。
当時私は数学・物理は得意中の得意科目で、勉強というよりは趣味のように熱中していたので「物理学者」というのも本気で考えていましたが、ただ、これはこれで「あ、やっぱり秀才君・・・」のような印象を与える可能性があり、素直に思ったことを言えるような心理ではなかったですね。
となると、あとは黙るしかないので、ほとんどの場合は「適当に答えを濁す」という選択をしていたわけです。
当時私が一番怖かったのは、今思えば、
馬鹿にされること、自分を否定されること
でした。だから、そんなリアクションが返ってきそうなことは誰にも言えませんでした。
つまり、本音で話が出来る相手がいなかった、ということです。いたら少しは違っていたかもしれません。
■どのみち「仕事」とは何か、全然分かっていなかった
でも、いても何も変わらなかったかもしれません。
高3のときなんて、「仕事」とは何か、全然分かってませんでしたからね。
たとえば、今であれば「数学や物理の得意な人間」には、「研究開発エンジニア」のような仕事の道もあると分かっていますが、高3の時にはそれは正直わかっていませんでした。
身近な人間で理系に強い人というと、学校の先生か医者か、あとはせいぜい著書を通して知る大学教授か、というところでした。まして、作家や編集者の知り合いもいません。きわめて辺鄙な農村出身の地方都市の高校生には、世の中にどんな「仕事」があるかというイメージを得る手段がほとんど存在しなかったのです。
まあ、「ほとんどなかった」というのは言い過ぎで、きちんと努力すれば何か手はあったことでしょう。
たとえば私はそのころ、ある同級生のことをうらやましく思ったことがありました。
彼の父はその地の国立大学の教授か何かで、知識と人脈の幅がケタ違いだったので、私には知りようもない世界をいろいろと知っているようでした(直接会ったことはありませんが、彼の話を通じてそれがわかりました)。やっぱりいい家の子は違うよな・・・と思わずにはいられなかったわけです。
でも、それもただの言い訳というもので、そんなのはたとえば当のその同級生にちょっと一言、「進路を考えるための参考にしたいから、お父さんに話を聞かせてくれ」と頼んでみればよかったはずなんです。
頼めば彼は断らなかっただろうし、1人で本を読んでいるよりもよっぽど有益な情報が得られたはずです。なにより、今になってわかるのは、大人は意欲のある若者を見ると何かしら手助けしたくなるものだということ。
それも、往々にして「実力のある大人」ほどそういう傾向があるので、ましてそれが自分の息子の同級生で友人であるとなったら、何かと世話を焼いてくれた可能性は大いにあります。
友人の父 で、何が知りたいのかな?
開米 たとえば僕のように数学や物理が好きな者には将来どんな仕事が向いているんでしょうか?
友人の父 そうだな、たとえばメーカーさんの研究開発エンジニアというのもあるよ
開米 それ、どんな仕事なんでしょうか?
友人の父 うちの大学の卒業生にも何人かいるから、直接聞いてみるといいよ。今度彼らが帰省したとき呼んであげるからそのときにまたここに来なさい
開米 あ、ありがとうございます!
・・・以上、妄想でした(笑)
いやほんと、こんなことが高3の時にできていれば人生変わっていたでしょうねえ。
現実にはその当時の私は「馬鹿にされること、自分を否定されること」が怖かったので、知らない人とわざわざ関わりを持ちに行こうとはしませんでしたし、こんな発想はまったく浮かびませんでした。
高3の時だけではなく、大学になってもこの調子で、大学を中退して社会人になってもこの調子でしたので、まあ、「人の力を借りる」ということに関してはずっとダメダメな人生を歩んできてしまった感があります。
本当は自分1人の力で成功なんてできるわけがないので、実際に今まで「うまく行ったこと」を思い返してみると、いろいろな人が力を貸してくれたからこそうまく行っているわけです。それを思うと、もし高3の時の自分に会う機会があったら、「そんなに怖がってないで、遠慮しないで、頼んでみなよ?」と言ってやりたいところですね(笑)。
■付加価値のつけ方はとんでもなく多様だった
そして、学生の時はまったくわからず、社会人になって、それも何年もしてやっとわかってきたことが2つあります。それは
世の中には想像を絶するほど多種多様な仕事がある
その仕事の上での「付加価値」のつけ方もとんでもなく多様だ
ということです。
たとえば今現在私は社会人の「文書化能力向上」コンサルタントとしての企業研修を主業務にしていますが、こんな仕事がありうる、というのも学生時代にはまったく想像がつきませんでした。
社会人になって数年から10年ほど経ったところで、この領域に困っている会社が多いことに気がつき、その後数年の雌伏の時を経てそれを教育研修プログラムとして構成して提案してみたところ、仕事になってしまった、というのが今から8年前、社会人15年目の時でした。
やはり人間、足を踏み入れていろいろなトラブルに巻き込まれたことのない世界の実情はわからないんですね。
企業研究・業界研究をしても無意味だ、とは言いませんが、正直、当事者ではなく社会人でもない学生の立場で「研究」をしていても、「将来何になりたいの?」と聞かれて
えっと、物理学者に・・・
と答えていた高3の私のような次元とどれだけ違うのだろう? という気はします。
OB訪問をしたり説明会に出たり、あるいは怪しい掲示板を見たりして「研究」をするのは無駄だと言いたいわけではありません。しかし、それらはいずれも又聞きの情報であって、実態を反映していないケースも多いのです。だから、それらの情報がどの程度真実かを見きわめる目が必要です。そしてその「目」は、研究よりも切った張ったのビジネスの現場で培われるものなので、お客様ではない立場で社会に関わる経験を、就活の前にできるだけしておいて欲しいと私は思っています。(まあ、そういう自分自身はできなかったんですが(^^ゞ・・・・)
■何が付加価値になるかを当事者として現場で体験して欲しい
ここで、私の友人で今や「無口な営業のための営業コンサルタント」として大人気の渡瀬謙さんのエピソードを紹介しましょう。
と、ここまでが第一幕です。もしこの段階で渡瀬さんに「営業職に向いているのはどんな人でしょうか?」と聞いたとしたら、やはり「明るく元気に振る舞えて、誰とでもすぐにうちとけられる外向的な人です」といった答えが返ってきたことでしょう。
ところが、話は第二幕に続きます。
「おまえとかは営業に向いているんだけどなあ」
思ってもみなかった評価ですが、トップセールスマンであるH先輩の声、しかも目の前でその現場を見せられた後だっただけに、信じる気になれたそうです。
そして渡瀬さんはその後、「無口」を武器にして営業の道を歩み、社内トップの成績を挙げるまでになって現在は営業コンサルタントになっています。(以上、このエピソードは渡瀬さんの著書「内向型営業マンの売り方にはコツがある」より)
というわけです。もし渡瀬さんに「営業とはどんな仕事でしょうか? 営業に向いているのはどんな人でしょうか?」という質問をしたら、第一幕と第二幕ではまったく違う答えが返ってくることでしょう。現場で仕事をしている当事者に聞いても、意見がまったく違うというのはよくあることなんです。一見同じ仕事をしているように見えても付加価値の出し方がまったく違うこともあります。こういうことは、自分で体験しないとなかなかわかりません。
そんなわけで、現在就職活動中の皆様には、改めて書きますが、「何が付加価値になるかを当事者として現場で体験して欲しい」と思います。会社訪問をいくらしてもそれは「お客様」としての立場です。それではわからないことは多いのです。できるだけ早く、お金を稼ぐ仕事をしてみてください。そして、何が付加価値になるのかを感じ取ってください。
それが、就職活動にも転職活動にも成功した試しのない(笑)私からの願いです。
今回は就職活動について思うがままにつぶやいてみましょう。
というのも私は実は就職活動をしたことがないし、面接も大した数はやっていないので、「就職活動をする側・受ける側どちらの立場もよくわからない」、というのが実情です。そんなわけで、就職活動というよりは、24年間仕事をしてきて思ったこと感じたこと考えたことをとりとめもなく書いておきます。ほんとにとりとめもない話ですから、あしからず。
■高3のとき私は「やりたいこと」を言えなかった
高校2年から3年にかけて、進学が気になる時期のことです。
正論をかますなら、「将来自分が何をしたいかを考えて、そのために役に立つ大学・学部・学科を目指す」というのが筋なのでしょう。
ええ。きっとそれが望ましいのでしょう。
・・・なんて、こんな妙な言い方をするのは、自分ではそれがまったく出来ていなかったからです。
高3のころ「将来、何をしたい?」と聞かれたとき、ほとんどの場合は、適当に答えを濁していました。
しかしある程度気心の知れた仲間に聞かれたときは「物理学者」と答えていました。
でもそのころ私が本当になりたいと思っていたのは、「小説家」でした。
どの答えにしても、世間知らずもいいところです。
「小説家になりたい」なんて、普通は「アホな夢見てんじゃねーよ」と笑われて終わりな話ですよね。それがわかっていたので私も滅多にこのことは口にしませんでした。
「物理学者」のほうはそれよりはマシな答えですが、これも口に出すのは多少の警戒が必要でした。
当時私は数学・物理は得意中の得意科目で、勉強というよりは趣味のように熱中していたので「物理学者」というのも本気で考えていましたが、ただ、これはこれで「あ、やっぱり秀才君・・・」のような印象を与える可能性があり、素直に思ったことを言えるような心理ではなかったですね。
となると、あとは黙るしかないので、ほとんどの場合は「適当に答えを濁す」という選択をしていたわけです。
当時私が一番怖かったのは、今思えば、
馬鹿にされること、自分を否定されること
でした。だから、そんなリアクションが返ってきそうなことは誰にも言えませんでした。
つまり、本音で話が出来る相手がいなかった、ということです。いたら少しは違っていたかもしれません。
■どのみち「仕事」とは何か、全然分かっていなかった
でも、いても何も変わらなかったかもしれません。
高3のときなんて、「仕事」とは何か、全然分かってませんでしたからね。
たとえば、今であれば「数学や物理の得意な人間」には、「研究開発エンジニア」のような仕事の道もあると分かっていますが、高3の時にはそれは正直わかっていませんでした。
身近な人間で理系に強い人というと、学校の先生か医者か、あとはせいぜい著書を通して知る大学教授か、というところでした。まして、作家や編集者の知り合いもいません。きわめて辺鄙な農村出身の地方都市の高校生には、世の中にどんな「仕事」があるかというイメージを得る手段がほとんど存在しなかったのです。
まあ、「ほとんどなかった」というのは言い過ぎで、きちんと努力すれば何か手はあったことでしょう。
たとえば私はそのころ、ある同級生のことをうらやましく思ったことがありました。
彼の父はその地の国立大学の教授か何かで、知識と人脈の幅がケタ違いだったので、私には知りようもない世界をいろいろと知っているようでした(直接会ったことはありませんが、彼の話を通じてそれがわかりました)。やっぱりいい家の子は違うよな・・・と思わずにはいられなかったわけです。
でも、それもただの言い訳というもので、そんなのはたとえば当のその同級生にちょっと一言、「進路を考えるための参考にしたいから、お父さんに話を聞かせてくれ」と頼んでみればよかったはずなんです。
頼めば彼は断らなかっただろうし、1人で本を読んでいるよりもよっぽど有益な情報が得られたはずです。なにより、今になってわかるのは、大人は意欲のある若者を見ると何かしら手助けしたくなるものだということ。
それも、往々にして「実力のある大人」ほどそういう傾向があるので、ましてそれが自分の息子の同級生で友人であるとなったら、何かと世話を焼いてくれた可能性は大いにあります。
友人の父 で、何が知りたいのかな?
開米 たとえば僕のように数学や物理が好きな者には将来どんな仕事が向いているんでしょうか?
友人の父 そうだな、たとえばメーカーさんの研究開発エンジニアというのもあるよ
開米 それ、どんな仕事なんでしょうか?
友人の父 うちの大学の卒業生にも何人かいるから、直接聞いてみるといいよ。今度彼らが帰省したとき呼んであげるからそのときにまたここに来なさい
開米 あ、ありがとうございます!
・・・以上、妄想でした(笑)
いやほんと、こんなことが高3の時にできていれば人生変わっていたでしょうねえ。
現実にはその当時の私は「馬鹿にされること、自分を否定されること」が怖かったので、知らない人とわざわざ関わりを持ちに行こうとはしませんでしたし、こんな発想はまったく浮かびませんでした。
高3の時だけではなく、大学になってもこの調子で、大学を中退して社会人になってもこの調子でしたので、まあ、「人の力を借りる」ということに関してはずっとダメダメな人生を歩んできてしまった感があります。
本当は自分1人の力で成功なんてできるわけがないので、実際に今まで「うまく行ったこと」を思い返してみると、いろいろな人が力を貸してくれたからこそうまく行っているわけです。それを思うと、もし高3の時の自分に会う機会があったら、「そんなに怖がってないで、遠慮しないで、頼んでみなよ?」と言ってやりたいところですね(笑)。
■付加価値のつけ方はとんでもなく多様だった
そして、学生の時はまったくわからず、社会人になって、それも何年もしてやっとわかってきたことが2つあります。それは
世の中には想像を絶するほど多種多様な仕事がある
その仕事の上での「付加価値」のつけ方もとんでもなく多様だ
ということです。
たとえば今現在私は社会人の「文書化能力向上」コンサルタントとしての企業研修を主業務にしていますが、こんな仕事がありうる、というのも学生時代にはまったく想像がつきませんでした。
社会人になって数年から10年ほど経ったところで、この領域に困っている会社が多いことに気がつき、その後数年の雌伏の時を経てそれを教育研修プログラムとして構成して提案してみたところ、仕事になってしまった、というのが今から8年前、社会人15年目の時でした。
やはり人間、足を踏み入れていろいろなトラブルに巻き込まれたことのない世界の実情はわからないんですね。
企業研究・業界研究をしても無意味だ、とは言いませんが、正直、当事者ではなく社会人でもない学生の立場で「研究」をしていても、「将来何になりたいの?」と聞かれて
えっと、物理学者に・・・
と答えていた高3の私のような次元とどれだけ違うのだろう? という気はします。
OB訪問をしたり説明会に出たり、あるいは怪しい掲示板を見たりして「研究」をするのは無駄だと言いたいわけではありません。しかし、それらはいずれも又聞きの情報であって、実態を反映していないケースも多いのです。だから、それらの情報がどの程度真実かを見きわめる目が必要です。そしてその「目」は、研究よりも切った張ったのビジネスの現場で培われるものなので、お客様ではない立場で社会に関わる経験を、就活の前にできるだけしておいて欲しいと私は思っています。(まあ、そういう自分自身はできなかったんですが(^^ゞ・・・・)
■何が付加価値になるかを当事者として現場で体験して欲しい
ここで、私の友人で今や「無口な営業のための営業コンサルタント」として大人気の渡瀬謙さんのエピソードを紹介しましょう。
生来、無口な性格で、明るく元気に人と接することができない渡瀬さんですが、営業の仕事をすることになりました。ところがまったく売れません。やっぱり自分は営業に向いていないんだろうか、と悩む日々が続きます。
一方、H先輩は同じ営業所のトップセールスマンでした。H先輩は営業所内でいつも大きな声で明るく振る舞い、周りでは笑いが絶えない人気者でした。
やっぱりああいうタイプが営業には向いているんだろうな・・・でも自分にはとても無理だ・・・
と、ここまでが第一幕です。もしこの段階で渡瀬さんに「営業職に向いているのはどんな人でしょうか?」と聞いたとしたら、やはり「明るく元気に振る舞えて、誰とでもすぐにうちとけられる外向的な人です」といった答えが返ってきたことでしょう。
ところが、話は第二幕に続きます。
「自分にはH先輩の真似は無理だ」と渡瀬さんが相変わらず売れずに悩んでいたある日のこと、H先輩が「今日は一緒に営業に行こう」と声をかけてきました。どうせ真似はできないと思いつつも、断る理由もなかったのでH先輩に同行した渡瀬さんはそこで信じられないものを目撃します。
営業所内ではいつも明るく元気なH先輩が、客先では無口でボソボソとしか喋らない!!
にもかかわらず順調に契約は取れる。いったいこれは何なんだ? 自分は夢でも見てるのか? と思った渡瀬さんはH先輩に聞いてみました。
「あまりに無口なのでびっくりしましたけど、あれでも売れるんですね?」。
「当たり前だろ。客先でバカ話して笑わせたってしょうがないよ。よけいなことはいわないで、相手にしゃべらせるほうが結果として売れるんだ。その意味では、おまえとかは営業に向いているんだけどなあ」
「おまえとかは営業に向いているんだけどなあ」
思ってもみなかった評価ですが、トップセールスマンであるH先輩の声、しかも目の前でその現場を見せられた後だっただけに、信じる気になれたそうです。
そして渡瀬さんはその後、「無口」を武器にして営業の道を歩み、社内トップの成績を挙げるまでになって現在は営業コンサルタントになっています。(以上、このエピソードは渡瀬さんの著書「内向型営業マンの売り方にはコツがある」より)
というわけです。もし渡瀬さんに「営業とはどんな仕事でしょうか? 営業に向いているのはどんな人でしょうか?」という質問をしたら、第一幕と第二幕ではまったく違う答えが返ってくることでしょう。現場で仕事をしている当事者に聞いても、意見がまったく違うというのはよくあることなんです。一見同じ仕事をしているように見えても付加価値の出し方がまったく違うこともあります。こういうことは、自分で体験しないとなかなかわかりません。
そんなわけで、現在就職活動中の皆様には、改めて書きますが、「何が付加価値になるかを当事者として現場で体験して欲しい」と思います。会社訪問をいくらしてもそれは「お客様」としての立場です。それではわからないことは多いのです。できるだけ早く、お金を稼ぐ仕事をしてみてください。そして、何が付加価値になるのかを感じ取ってください。
それが、就職活動にも転職活動にも成功した試しのない(笑)私からの願いです。