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これぞ勝負師! と感じさせられたPK戦の本田選手
»2010年6月30日
開米のリアリスト思考室
これぞ勝負師! と感じさせられたPK戦の本田選手
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
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ワールドカップ、日本の戦いは終わってしまいましたね。
昨日は11時からずっとTVにかじりついて観戦しておりました。
120分の試合を0-0で終えてPK戦になったとき、
うわ、ここでPKか、なんて強烈なプレッシャーだろう、
俺だったらとてもこんな場面でキーパーなんぞやりたくねーぞ、
と思い、ゴールを守りに向かうキーパー川島の表情を見たら、
案外に普通というかなんというか、よっしゃ来い止めてやる、
みたいな印象。
まあ、考えてみればPKは決まる率のほうが格段に高いので、
キーパーよりもキッカーのほうにプレッシャーがかかるのかも
しれませんが。
そんな場面で3人目の駒野が外した後、4人目の本田が蹴った
ボールはキーパーの動きと逆方向、ただし真ん中付近にひょろっ
と転がった緩い球。
おいおいこの場面でそれを蹴るか、本田・・・・と思わずうなって
しまいました。
私はサッカーはやりませんが、卓球をやるのと、勝負事が好きな
関係で対戦者間の心理の駆け引きを考えてしまいます。
あの場面で本田の蹴った真ん中ユル玉キックの、相手キーパーの
その後の心理への影響を考えると実に興味深いです。
結論としては、4人目の本田があのキックをしたことで、
5人目(実際には機会なく終わってしまいましたが)が
ゴールを決められる確率が少し上がる効果があったのでは
ないでしょうか?
サッカーのPKはゴールの両サイドを狙って速い球を蹴りこむ
のが普通で、真ん中に蹴るケースはかなり少ないですね。
そこでキーパーは通常、下記の2者択一戦略をとります。
行ってしまうわけですが、それがPKというもの。
それでもたまにはキーパーがセーブに成功することがあり、
それを防ぐためにキッカーはこれまた2択戦略をとります。
ところがこれを狙いすぎるとゴールポストを外してしまい、
PK失敗、というパターンがありますね。
さて、つまりキーパーとキッカーは通常どちらも2択戦略を
取っているわけですが、この戦略の主導権はキッカー側にあり
ます。
キッカーが2択戦略をとるから、それに対応してキーパーも
2択戦略で対応する、というそういう関係ですよね。
ここでもしキッカーが本田のように「第3の道」を示すと、
キーパーもそれに応じて「3択戦略」へ切り替えなければ
なりません。
ところがもし切り替えると必然的に「2択」への対応は甘く
なります。
真ん中ユル玉の印象が残っていると、左右への踏み出しが
ほんの一瞬遅くなり、純粋2択戦略をとっていたらセーブ
できたはずの甘いキックも逃がしてしまう、という効果が
ありうるわけです。
もちろん「第3の道」は実際はいつだってあるわけですが、
それを本田のように実行してしまった後では、「あるかも
しれない」という警戒感が段違いに上がりますからね。
本田選手はもしかしたらそれを意図して、自分がPKを
決めることだけでなく、後の選手も決めやすくなる効果を
狙ってあのユル玉キックを打ったのだろうか・・・
もしそうならスゲエ奴!! ですよ、ホント。
なにはともあれ試合は負けてしまいました。
残念です。
まあでも、終了後の表情を見ていたら、これから日本は
強くなる、と期待がもてましたよ。
4年後は優勝だ!!!!\(^_^)/
昨日は11時からずっとTVにかじりついて観戦しておりました。
120分の試合を0-0で終えてPK戦になったとき、
うわ、ここでPKか、なんて強烈なプレッシャーだろう、
俺だったらとてもこんな場面でキーパーなんぞやりたくねーぞ、
と思い、ゴールを守りに向かうキーパー川島の表情を見たら、
案外に普通というかなんというか、よっしゃ来い止めてやる、
みたいな印象。
まあ、考えてみればPKは決まる率のほうが格段に高いので、
キーパーよりもキッカーのほうにプレッシャーがかかるのかも
しれませんが。
そんな場面で3人目の駒野が外した後、4人目の本田が蹴った
ボールはキーパーの動きと逆方向、ただし真ん中付近にひょろっ
と転がった緩い球。
おいおいこの場面でそれを蹴るか、本田・・・・と思わずうなって
しまいました。
私はサッカーはやりませんが、卓球をやるのと、勝負事が好きな
関係で対戦者間の心理の駆け引きを考えてしまいます。
あの場面で本田の蹴った真ん中ユル玉キックの、相手キーパーの
その後の心理への影響を考えると実に興味深いです。
結論としては、4人目の本田があのキックをしたことで、
5人目(実際には機会なく終わってしまいましたが)が
ゴールを決められる確率が少し上がる効果があったのでは
ないでしょうか?
サッカーのPKはゴールの両サイドを狙って速い球を蹴りこむ
のが普通で、真ん中に蹴るケースはかなり少ないですね。
そこでキーパーは通常、下記の2者択一戦略をとります。
【PK戦キーパーの2択戦略】その結果おそらく50%の確率で予測が外れてボールと逆に
キッカーの動きを見て右と左のどちらに来るかを予測し、
実際のボールの軌道を確認する前から予測した方向に
飛び出して止めようとする
行ってしまうわけですが、それがPKというもの。
それでもたまにはキーパーがセーブに成功することがあり、
それを防ぐためにキッカーはこれまた2択戦略をとります。
【PK戦キッカーの2択戦略】
キッカーは、ゴールの右か左のサイドぎりぎりを狙って
速い球を蹴りこむ
ところがこれを狙いすぎるとゴールポストを外してしまい、
PK失敗、というパターンがありますね。
さて、つまりキーパーとキッカーは通常どちらも2択戦略を
取っているわけですが、この戦略の主導権はキッカー側にあり
ます。
キッカーが2択戦略をとるから、それに対応してキーパーも
2択戦略で対応する、というそういう関係ですよね。
ここでもしキッカーが本田のように「第3の道」を示すと、
キーパーもそれに応じて「3択戦略」へ切り替えなければ
なりません。
ところがもし切り替えると必然的に「2択」への対応は甘く
なります。
真ん中ユル玉の印象が残っていると、左右への踏み出しが
ほんの一瞬遅くなり、純粋2択戦略をとっていたらセーブ
できたはずの甘いキックも逃がしてしまう、という効果が
ありうるわけです。
もちろん「第3の道」は実際はいつだってあるわけですが、
それを本田のように実行してしまった後では、「あるかも
しれない」という警戒感が段違いに上がりますからね。
本田選手はもしかしたらそれを意図して、自分がPKを
決めることだけでなく、後の選手も決めやすくなる効果を
狙ってあのユル玉キックを打ったのだろうか・・・
もしそうならスゲエ奴!! ですよ、ホント。
なにはともあれ試合は負けてしまいました。
残念です。
まあでも、終了後の表情を見ていたら、これから日本は
強くなる、と期待がもてましたよ。
4年後は優勝だ!!!!\(^_^)/