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節電と経費の狭間で
»2011年6月15日
とあるコンビニオーナーの経営談議
節電と経費の狭間で
とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。
当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
震災後コンビニ店舗では、未だかつて無い節電をしてきました。なんせ、看板の電気を消し、店内の半分の電気を落として営業していたのですから。
では、それは経費にどのくらいの影響が出たのでしょうか?
また、経費と節電の狭間でオーナーは何を考えたのでしょうか?
夏場の節電が騒がれている中、コンビニ経営者は何を思う!!
まず、コンビニは何故こんなにも明るくする必要があるのか?
明るいと人が寄ってくるからです。ん~、何故だか理由はわかりません(汗
事実、震災後の節電で夜暗かったときには15%の売上がダウンしました。(商品がほぼ揃い始めた4月後半と直近の17時から0時までを比較した当店の数値です)
もちろん過去からも言われたことで、店内の明るさは夜でも1000~1500ルクスあります。ご家庭の10倍くらいの明るさでしょうか。(チェーンや時間帯、周辺状況によっても変化します)
それによって、商品が綺麗にまた新鮮に感じさせる効果もあるのです。
コンビニの床がきれいなのも、店内の明るさを補助する役目があります。
これら売上効果を最大限に上げるため、コンビニは今の明るさになった歴史があります。
そのコンビニが、店内蛍光灯を消して営業するなんてコンビニの歴史始まって以来、初めてのことです。
現在では通常の営業を行っておりますが、震災のあった3月・4月、そして通常に戻した5月・6月の電気代はどのようになっていたのでしょう。
人によって印象は様々でしょうが、コンビニ経営者としては、固定費である電気代がこれほど下がったのは画期的なことです。同じ固定費である人件費は、店舗の運営の仕方で変えることが出来ますが、店を開けている以上、季節変化を除いて電気代が増減することはありません。
売上の厳しい昨今、利益に直結する経費節約。節電バンザイ!!
現在は電気料金値上げの傾向。6月は11%も前年より増えています。
チェーンによっては夏前に、店内蛍光灯をLEDに変更することで節電を試みるようですが、試算ではそれほど料金効果は見られないようです。もともと照明による電力は大きく無いのです。やはりエアコンや冷蔵冷凍庫・電子レンジの方が電力を使っているのでしょう。(コンビニの電子レンジは家庭用とは違い電力を多く使用しています。弁当を1分以内で温められるのは、そのおかげです)
今は『節電』という格好の良い言い訳があるため、電気が消えてようがお客様からは、かえってお褒めの言葉をいただくこともあるでしょう。そればかりか、お客様の目に見える節電取組みをしなければ逆賊です。
この節電の波に乗って、継続的な経費削減に取り組みたいのですが、いつまでも蛍光灯やエアコンを消しているわけにはいかないのが悩みの種。
コンビニ経営者(私だけかもしれませんが)としては、電力が足りるとか足りないとか、環境の問題から節電を考えているわけではなく、電気料が少なくなる経費に目がいってしまうのです。
はからずも今回普段出来ないレベルの節電をしてしまったので、どのくらいどうすれば、いくらくらい利益が上がると予測できるようになってしまいました。
節電と経費の狭間で、世の中の流れとは違った目で『節電』を考えているコンビニオーナーでした(汗