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今そこにある危機

今そこにある危機

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


WHOが今年5月20日に開いた総会で「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」という指針を採択しました。一部業界では、色々と物議を醸しているようです。私も、酒の販売をしているので対岸の火事では有りませんが、飲み放題や安売りをしているわけではないので、取り敢えずの間は問題を実感出来ない状態でしょう

本日は、酒・煙草の販売において、コンビニが抱えている問題について書いてみます

煙草も、WHOが指針を出した後、現在のタバコ値上げ、喫煙所状況になっています。煙草が嫌いな人には、いいことじゃないか!って、思われる方も多いとは思います。
愛煙家の私も、他人に迷惑を掛けたいとは思っていませんので、喫煙所が隅っこに追いやられようが文句は言いませんし、匂いが付くから、煙いからヤメロと言われれば、すぐに止めます(嫁除く)

法律も改訂され、未成年者飲酒・喫煙禁止法の中に、販売者側の責任を問う項目が入り込んできています。
煙草・酒を販売するにあたって未成年者と思われる人には年齢確認を実施しなければなりません。ここのポイントは「未成年と思われる」と、いう部分です。見るからに成人の人には、確認の必要がありません。確認するかしないかは、従業員の感覚に寄ってしまうということです。
もし、確認せずに酒・煙草を販売して、販売された人が未成年飲酒喫煙で補導された場合、店舗と販売した従業員に責任が振りかかります。高校生のアルバイトが日常的にそんなリスクを追いながらバイトをしているのです。

問題点を整理してみましょう。
◯年齢確認の実施難易
「年齢聞けばリスクないじゃん」って思われるかと思いますが、事はそんなに簡単ではありません。例えば、自分が童顔であるとしましょう。コンビニで、煙草を買うたびに年齢を聞かれたらどの様に思われますか?
現に、店舗では年齢確認の際に、お客様が怒って帰ってしまうといった事が多にしてあります。
それに、確認の方法が曖昧で、免許証や保険証の提示を決められているわけではありません。変な話、口頭で「成人しています」と、言われたら販売のしない理由はないのです。ガイドライン程度に「年齢確認出来るものを提示してもらう」と、あるだけです
※当店では個店対応として、年齢確認の出来るものを提示出来ない人には販売しないと義務付けています。
◯労働者のストレス
アルバイトも人間です。ストレス環境が高い職場で働きたいと思うでしょうか。
前記の年齢確認で怒られるような(自分は間違ったことをしていない)職場を、学生アルバイトはどの様に感じるのかということです。
◯責任の所在
もし、未成年に販売した場合は、店舗責任者と販売者に責任が問われます。
色々な考えはありますが、個人的に何故販売者が責任を負わなければならないのかと、思っています。購入する側は、自分が未成年であるということは承知ですよね。承知しながら自ら購入しているにも関わらず、販売者側に責任を押し付けるとはなんぞやと言いたいです。
極論を言えば、包丁で殺人事件が起きた場合、包丁を売った人も殺人罪にあたると、言っているように思うのは自分だけでは無いと思います。

勘違いされたくはないのですが、「誰でもいいから買ってもらって利益を得られればいいや」と、いう考えは持ち合わせていません

販売者側を規制するにしても、システムも無いまま販売者に責任を押し付けるやり方に問題が有ると、言いたいのです。販売者側に責任を持たせたいのであれば、それなりのシステムも提供してもらいたいのです。
例えば、taspoのようなカードを全国民に配布して、カードを読み込まなければ酒・煙草を販売出来ない仕組みを作るとかです。
と、書いている自分も他人に責任を押し付けているようで嫌なのですか(笑

と、いった感じに、単なるコンビニのバイトといえども、知らないでは済まされない法律と密接に関わっているものなのです。たとえ16歳のアルバイトとはいえ