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ベテラン芸人は「舞台を大きく使う」・・新規事業で言うと?

»2013年4月12日
新規事業の罠

ベテラン芸人は「舞台を大きく使う」・・新規事業で言うと?

平野 健児

新卒でWeb広告代理店入社後、新規事業支援で独立。無料家計簿アプリ「ReceReco」、WebサイトM&A「SiteStock」等、多数の新規事業を立ち上げ、運営。

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 フジテレビの「細かすぎて伝わらないモノマネ」シリーズってありますよね?大好きなんですが、その中でも特に好きなのが舞台を思ってもみない使い方をしてくるパターンで、笑いながら「さすが場慣れしてる芸人は舞台を上手く使うな〜」と感心してしまうわけです。ここでは、語り始めると長くなってしまうので具体的にどのネタがどうかとは言いませんが、この、舞台やルールを大きい視野で捉えて、自由に再構築して新しい価値観に変換するという考え方は新規事業や新規サービスを考える上でとても重要です。

例えば、新規事業とは少し違いますが、この広告を見てみて下さい。

 これは海外の広告グランプリでグランプリを受賞した雑誌広告ですが、見れば分かる通り、見開きで映画の名シーンを見せて、その真ん中にあえて破られた広告ページを挟んであるんですね。これは広告主であるFoxMoviesが「うちならいいとこでCM入んないよ!」ということを訴えているわけです。これなんかはまさに、舞台を物理的、コンセプト的に大きく使って、見た人に強烈なインパクトを与えることに成功しています。

 新規事業や新規サービスと真剣に向き合えば向き合う程、様々な情報やフレームワークを活用する機会が増えます。それはとても大切なことですが、そこに拘りすぎると大きな穴にはハマらなくなりますが、結果、他社と似た様なサービスしか発想できなくなる罠に陥る可能性があります。それはもはや新規事業とは呼べませんし、何よりつまらないものです。既存事業に比べて状況が読めないことが多い新規事業にとって情熱は、数少ない競争源泉であり、やっている人間がつまらないと感じていては絶対に生き残れません。なので、たまにはセオリーを無視して周りが「えっそんなことやっちゃうのかよ!」というような大きな舞台の使い方を心がけたいものですね。

卵を割らなければ、オムレツは作れない。
オール・ザ・キングスメン