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東芝dynabook「V713」はキャズムの先でうずくまるフォロワーの私にも使えるのか?【前編】

»2013年6月25日
新規事業の罠

東芝dynabook「V713」はキャズムの先でうずくまるフォロワーの私にも使えるのか?【前編】

平野 健児

新卒でWeb広告代理店入社後、新規事業支援で独立。無料家計簿アプリ「ReceReco」、WebサイトM&A「SiteStock」等、多数の新規事業を立ち上げ、運営。

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●フォロワーと最新PC
 私は新卒でネットベンチャー企業に勤めて以来、ずっとこの業界で働いている上に新規事業という、割とアーリーアダプターだの、ライフハッカーだの、ギークだのがウヨウヨいる界隈を生業にしています。なので、「新しい物好き」とか「ITやネットに強い」と思われているきらいあるのですが、いわゆるキャズムの向こう側にかの武田信玄の如くどっしりと腰を落とした「ザ・フォロワー」とでもいうべき存在が私です。
 遡れば、大学時代もパソコンが使えないので、寮の先輩にレポートを代筆してもらい、横で小学生から使ってる黄色いスーファミでぷ●ぷ●をしながら「インターネットって夜やるもんなんですね〜(テレホーダイのプロバイダとかの概念が理解できない)」というのがパソコンやネットとの出会いでした。その後の就職活動でも、東京本社で内定通知書に捺印した後に内定者同士が「2ちゃんねる」で会社が叩かれてる話をしているのを聞いて、「何それ?NHK?」と思いつつ知ったかぶった挙げ句、関西に帰ってから初めてそれを覗いた結果、自分の押した判子の重さに震えながら涙目で眠る羽目になりました。今もECとか業務上、知識としてはそれなりにはありますが、消費者としてはてんでダメで、ネットで見かけた欲しいものがある時は妻に「楽天とかAmazonで最近人気らしいから買っておいてよ」と頼んでいるのです。最近ではアプリのプロデューサー的なこともやってますが、スマホに初めて触ってから2年も経ってない状況。。。
 そんな、私が、パソコンのモニターをする!、誠ブログさんは私なんかも相手してくれるフットワークが軽いメディアさんだとは思ってましたが、ここまで軽いとは。。。それともブツに絶対の自信があるのか。。。というわけで、この夏の最新モデル、東芝さんのdynabook「V713」を触ってみた、そんな初夏の記録です。

●最初に触れた感想
 まずは、箱から開けてセットアップします、昔は大概ここのところでうんざりして誰かにやってもらうか、放置だったのですが、面倒なドライバーもなく、説明書も必要最低限にされており、スムーズにまずは使える状態までいけ、あっという間にパソコンの立ち上げに成功しました。感動で缶ビールを昼から開けた程です。で、まずはキーボードからは外して、持ってみた感想ですが、
「軽い。」
写真.JPG
画面が大きいので、そこそこの重さを想定していたのですが、思ったより軽く飲んでて目を離した隙に3歳の娘に持ち去られる程でした。取り返した時に感じたのは、
「持ちやすい」
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タブレット端末は、背面がツルツルしていてどちらかというと指の粘着に頼るイメージでしたが、この「V713」は背面が適度にザラザラしていて持ちやすいです。
「こんな所にペンが!」
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裏の端っこに簡易ペンが収納されています。後で使ってみたのですが、確かに今回の売りであるデジタイザーペンの書き心地は素晴らしいのですが、別で持つのは面倒だなと思うところはあり、外出先やちょっと手書きしたい程度ならこちらで十分使えると感じました。
 「こいつは、俺の言うことでも聞いてくれる気がするよ」「東芝dynabook『V713』、今日からお前は我が家の『ダイナ君』だ、仲良くしようぜ」フォロワーなんてチョロいもんです。

●フォロワーにはフォロワーなりのセットアップがある。
 そんなとっつきやすいダイナ君ですが、そこはやはりこちらはフォロワー、本格的に活用するにあたってこちらの頭のセットアップが必要でした。おそらく、スペックの詳細レビューは今後沢山出ると思うので、そちらは情強の皆さんにお任せして、フルにそのスペックを引き出すために、あまり言及されてないけど、私が必要だと感じた3つの事前認識について書いておきたいと思います。まず、
「タブレットに向き合おう」
おそらく、「V713」の最大の特徴である「デタッチャブル」という機能は、タブレットとPCの守備範囲を意識し、これを今後の流れとして積極的に受け入れることで最大威力を発揮できると思います。PCとガラケーの間にデンと座ったスマホがネットの利用シーンを一気に広げた様に、PCとスマホの間に座ったタブレットという存在を「PCとスマホがあればいいじゃん」と捉えるのではなく、「家では基本はまず、タブレット。外に行くならスマホ、座って難しいことしたいならPC」くらい主体的に捉えることでグッと利用シーンが広がると思います。
「Windows8に向き合おう」
「V713」にはWindows8が搭載されています。多くの人が8には初めて触れるのではないでしょうか。8ですが、かつての最強帝国Microsoftがリスクをとってまで帝国の逆襲に出ただけあって、相当インターフェイスが変化しています。まず面食らうのが見慣れたデスクトップが作業スペース的な一つの機能となり、「スタート」というページが文字通り何をやるにしてもスタートのページになっています。ですがこの「ダッシュボードをデスクトップからスタートに変える」というところさえ、受け入れられればそんなに難しいことはなく、むしろタイル形式でショートカットが並ぶスタートページは最近のアプリを見慣れていれば逆に違和感が無くなってきます。ネットで少し調べれば、FAQ程度は既に沢山上がってますので、拒否反応を示す気持ちも分かりますが、不可避の流れとして受け入れてみると良いと思います。
「クラウドに向き合おう」
最後がクラウド対応です。ここに関しては、Microsoftの意図的には、各Officeソフト、IE、Hotmail、スカイドライブ等がクラウドを介して繋がっていくという使い方をして欲しいんだろうなあ、とは感じるのですが、いかんせん、前の二つと違ってDropboxやEvernote、ChromeやiCloud、FacebookにAmazonという優れたサードパーティツールやプラットフォームが既に存在するので、使っているエコシステムをわざわざMicrosoftに合わせるのはなあ、という感はあります。なので、「スタート」ページに既に自分が使いこなしているクラウドのサービスをどんどん追加してカスタマイズしてしまうのが一番実践的だと思います。ただし、もし今までクラウドを積極的に活用したことの無い方であれば、逆に全てMicrosoftさんに全乗っかりして最大限にそのパフォーマンスを引き出すのは全然ありだと思います。

 とまあ、こういった経緯でダイナ君を手なずけることに成功した私ですが、彼の具体的な活用シーンは。。。後編に続きます!

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