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夢中になった5つのゲーム その2アドバンスド大戦略 #5games

»2012年4月16日
3分間ビジネスモデル

夢中になった5つのゲーム その2アドバンスド大戦略 #5games

斎藤 健二

DOS/V雑誌→IT系ニュース記者→ケータイ関連Webメディア創刊編集長→LifeHack系Webメディア創刊編集長→複数Webメディア発行人→スマホ事業責任者。ONETOPIボードゲームキュレーターです。Twitterアカウントは@kuzyo


ドラクエII に続き、#5games の第2弾は「アドバンスド大戦略」の思い出を紹介する。


そう、家庭用16ビット機として一部に熱狂的なファンを得たメガドライブは、たしか「ぷよぷよ」を遊ぶために買ってもらったのだった。そして、大学受験勉強の合間にこのゲームにハマった僕は、アドバンスド大戦略だからなんとか大学に進むことができたと言えるのである。

「社会の厳しさを教えてくれた」。アドバンスド大戦略を一言で言うとこれだ。

僕がそれまでやってきたゲームは、なんだかんだ言っても地道にレベルを上げたり、やりこんでテクニックを磨いていけば先に進むことができ、(途中で飽きなければ)感動のエンディングを見せてくれたものだ。ところが、このアドバンスド大戦略は違った。

第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を舞台にしたこのゲーム、プレイヤーが担当する国はドイツ。そして史実に沿ってゲームは進む。ヨーロッパを史実のとおりに転戦し、50面(くらいだったかな?)を戦っていく。序盤のドイツは世界最強だ。機甲師団によってオランダを蹂躙し、そのままフランスに雪崩れ込む。パリを包囲、占領するあたりまではいつものゲームと同じ、僕がひヒーローだ。

だがそこからがひと味ちがう。物量にモノを言わせる連合軍はとにかく強くなっていく。いや、勝てないって。勝てないように作ってあるでしょ。マップごとに、大勝利、勝利、敗北 という成績があり、成績に従って次のマップが決まる。でも、用意してあるシナリオの半分以上はドイツが負けたときのもの。たとえマップで勝利しても、ほかの方面で負けた、とかでヨーロッパ全体ではドイツは押されまくっていく。大勝利を重ねていけば、例えばイギリスに上陸しちゃうなんてこともできるんだけど、大勝利って本当に難しいんだよ。結局イギリスには一度も上陸できなかったし。

そうやって、圧倒的な敵の数、そして普通の勝利を重ねたのではダメで、奇跡の大勝利をしていかないと、アルデンヌの森に押し返され、最後にはドイツ敗北のマップで戦うハメになるのだ。

なんで。どうしてほぼ負けが決まっているような戦いを僕は続けなきゃいけないの? ほんの僅かな大勝利の可能性に賭けて?

いやこれが人生なのだ。たとえ行き着く先が敗戦でも、マップマップで全力を尽くして戦う。圧倒的に不利な中での戦闘を重ねる中で、自虐的な楽しみ方を身に着けた。常にシナリオは勝利、ハッピーエンドと決まっているわけではない。何十時間にも及ぶドイツ兵団の戦いを通して、そんなことを悟った。

さてなんで受験勉強のさなかにこんなゲームをしていて大丈夫だったのか。

16bitと大きく刻印されているメガドライブだが、7.6MHzというクロックスピードはiPhoneの100分の1であり、とにかく敵の思考スピードが遅かった。なんと、敵の番になると30分は戻ってこない。自分の手番は5分くらいで終わるのに。

敵のターンになると英語の問題集を開いて30分という時間制限内に長文読解を解き、そして5分間ドイツ軍を操作したら、今度は古文を紐解く。夜な夜な、そんな勉強法(というかゲーム)を続けたのだ。さすがに30分も待たされると、ゲームの待ち時間に勉強をしているというより、勉強の休憩タイムにゲームを5分楽しんでいるといったほうがいいかもしれない。

そんなわけで、アドバンスド大戦略はゲームでありながら勉強もできるという稀有なものだった。ハマっていたのが「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」だったら僕は大学に行けていなかったこと間違いない。

※以下続く
●リッジレーサー(アーケード)
●ダンス・ダンス・レボリューション(アーケード)
●Age of Empires/ROR/AOK/AOC(PC)
●ティアリングサーガ(PS)