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摩訶不思議 ナッツリターン問題

摩訶不思議 ナッツリターン問題

マツムラ ユキ

仕事、家庭、子育てに自分育て。はた、と気がつけば海外生活20年。マルチカルチュラルな環境で、自転車操業的な毎日を送るワーママ。


世界の7不思議とまでは言わないが、兵庫県議の野々村氏号泣釈明会見と並んで、今年の7不思議にはランクインされるであろう、大韓航空チョ・ヒョナ(趙顕娥)前副社長のナッツリターン問題。親子で謝罪したものの、財閥一族に対する韓国国民の見方は、依然として厳しいようだ。

40歳にもなって、ナッツ一袋にそこまで憤ることができる趙前副社長は、いったいどういう半生をおくってきたのだろうか。いい大人で、留学経験もあり(異文化に身を置くということは、ままならぬことも多く、普通は人を成長させる)、韓国を代表するフラッグキャリアの副社長だ。どうして幼児程度の忍耐力しか持ち合わせていないのか、理解に苦しむ。この程度で憤っていたら、世の大人のほとんどは、すでに100万回ぐらい憤死していてもおかしくない。あまりにも珍しいケースなので(あのお騒がせ女Paris Hiltonだって、ここまでひどくないのでは?)、彼女の幼児性だけ、ホルマリン漬けの標本にしたいぐらいである。

と、さんざんくさしておきながら思うのは、実は本人が一番かわいそうだということ。注意もされず、怒られもせず、ここまできてしまったおかげで、大切な人間性の発達が置き去りにされてしまった。引き続き政権を担うことになった阿部首相の恩師が、「周囲にはお友達だけでなく、いさめてくれる人物を置いてほしい。」と、首相の今後に注文をつけた。趙前副社長は優秀な人なのかもしれないが、能力を発揮するためには、まず人間性が求められる。

私は優秀でもなんでもないただの平々凡々の雇われ人だが、世間一般程度には怒られ、悔しい思いも、挫折も経験してきているので、おかげさまで社会生活を送ることができる程度の社会性は身についている。なーんて思っているのは本人だけだったりして?!こわい、こわい、『人の振り見て我が振り直せ』である。

それでは皆様、ごきげんよう。