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師走の風景 in Vancouver

師走の風景 in Vancouver

マツムラ ユキ

仕事、家庭、子育てに自分育て。はた、と気がつけば海外生活20年。マルチカルチュラルな環境で、自転車操業的な毎日を送るワーママ。


12月にはいると、職場から1人いなくなり、2人いなくなり... 12月も半ばになると、オフィスの半数が姿を消す。クリスマスパーティなどは、11月の終わりか、12月の第一週に済ませておくのが鉄則である。

オフィスは24日まであけているものの、訪れる人もいない、静かで優雅な時間が流れる。クリスマス直前になっても、まだのこのこと仕事をしている人間は、ほんの数人。12月にはいった途端に、人々はバケーションモードになり、この時期、何につけても、コトの進展はまず期待できない。

あ~、休暇前に片付けなきゃいけないアレ、まだ返事もらってなかったな、などと催促メールをすれば、相手はとっくに休暇にはいっていて、1月の10日には戻ります、などというAutoReplyが戻ってくる。

25日クリスマス当日は国民の祝日(federal statutory holiday)。だが、翌日26日のBoxingDayはオンタリオ州を除いては、平日扱いである(ただし、オンタリオ州以外でも、政府機関や公立大学、銀行では祝日扱いになる)。よって25日だけ休み、あとは年末まで仕事、という人も多い。

Boxing Dayにはあちこちで大々的なセールが行われるので、リテールで働いている人にとっては目の回るような忙しさだ。超目玉商品(TVやコンピュータなどが多い)をねらって、前の晩から行列ができることもある。その熱気あふれるクレイジーなショッピング光景は、この時期の風物詩として晩のニュースに登場する。

ところで、Boxing Dayの由来はご存じだろうか。諸説あるようだが、一番ポピュラーなのは、クリスマスも仕事をしなければならなかった使用人達に、家族と過ごすための休日を翌日に与え、その際に主人が箱にいれた贈り物を配った、という説。クリスマスにカードやプレゼントを届けてくれた郵便配達員に感謝して箱入りのプレゼントを送った、という説も。

そんな思いやりあふれるBoxing Dayはどこへやら。今はショッピングモールが"Sale"のサインで埋め尽くされ、どこもかしこも人で溢れる一日となっている。気合を入れなければ恐ろしくてモールに近づくこともできない(←←私感)。

Boxing Weekが終わるころ、新年はひっそりとやってくる。カウントダウンを楽しむPartyAnimal(パーティ好きをこう呼ぶ)もいるが、クリスマスの喧騒とくらべたら、静かなものである。そして、新年の余韻に浸ることもなく、1月2日には仕事に戻る。日本人としては非常に物足りない、あっけないお正月をすごすわけである。

それでは皆様、ごきげんよう。