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レディーガガから学ぶ、CSRブランディングを考えてみた。

»2012年5月23日
CSR幸福論

レディーガガから学ぶ、CSRブランディングを考えてみた。

安藤 光展

CSRコンサルタント、ブロガー。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる - 経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

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スクリーンショット 2012-05-22 13.37.38.jpg
公式YouTubeサイトより)

‖"レディーガガ"って誰?

言わずと知れた、現代音楽のポップアイコン。
本名はステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ。
86年アメリカ生まれ。

現在はワールドツアーをしていて、先日来日してライブしてましたね。
六本木に出没したという噂がきた時はあたりが騒然としてました。
僕は野次馬の野次馬のしただけでしたが...。

それはさておき、主にレディーガガ(以下、ガガ様)の社会貢献活動から、
CSR(企業の社会的責任)を考察してみたいと思います。
彼女のエキセントリックとも言えるライフスタイルから繰り出されるパワーの強さ、
慈善活動に貢献した実績(アワードも複数受賞)が選んだ理由。

一部、企業活動としては難しい部分もありますが、それはご愛嬌。
結構参考になる部分もあると思いますのでどうぞ。


‖CSRブランディングの5つのポイント

■誰もやっていない
誰もやっていない、つまり戦略性を持って活動をすることです。

他のアーティストを突き離すほどの圧倒的なビジュアルは、
マーケティング的に「何かのジャンルの1位になる」という部分ではしごく、
理にかなった活動です。

また、ガガ様がメディアとなり、
Twitterやfacebookなどを活用していることでも有名です。
他のメディアではなく、自身のメディアを持つことはとても重要な戦略です。
企業で言えば、コーポレートサイトにCSRコンテンツを作ったり、
CSRサイトやソーシャルメディアを立上げで運用するという所にもつながります。

CSRにおいて過激な活動は難しいですが、
どこも取り組んだことのない活動をしたり、
注目されるようなユニークな手法を用いたりすることはできますよね。

しかし、間違えていけないのは、これは手法であるということ。
あくまでも目的を達成に導くための一つの手段なのです。

■本心である
行動に偽りがないこと。人のために尽くしたいということが、
手段から始まったことでなく、自身のミッション・信念から始まっていること。

「彼女ほどのスーパースターでこのようなことをする人は、
ほとんどいません。HIVについてもちゃんと知識があり、
彼女の心からの行動に偽りは全くないです」
インドで子どもたちのHIVケアをする財団の担当者が語ったそう。

CSRが流行っているから、ウチの会社にもCSRステートメント作ろうとか、
環境活動をしたほうがいいから、何かしようとかではなく、
「原体験」と呼ばれるものから発する信念を根底に置く必要があります。

なぜか。
人間、「ジブンごと」でしか、強烈なモチベーションがあがりません。
外的要因によって企業活動に影響が出たとしても、
信念を曲げず突き進むにはそこに"意味"がなければ続きませんから。

自分自身が職についた時、もしくは起業したばかりの時、
御社は何を目指していましたか?


■パフォーマンス
過激であるが故に反発も多いガガ様のパフォーマンス。
前述の「誰もやっていない」にも通じますが、
その圧倒的なファッションやパフォーマンスは、
いつも話題にのぼりますね。

CSRでいうパフォーマンスとは、
コミュニケーションなのかなとも考えています。
もちろん、CSR活動そのものというのも大きいですが、
信念をどう伝えるべきか、形にすべきかというのは、
CSRコミュニケーションの領域でもあります。

いきなり社長が下着姿で株主総会に出席するという
パフォーマンスをする必要はありません。
そこにニーズはないからです。

コミュニケーションはやり過ぎもダメやらないのもダメ。
トライ&エラーを繰り返すことになると思いますが、
ファンや消費者、取引先のニーズを掴んだ時、
コミュニケーションは大いなる武器となるでしょう。


■ランキング連続1位
アメリカのセレブらしく、社会貢献活動にも熱心なガガ様。

実際の主な社会貢献活動としては、
ハイチ地震(50万ドル以上の寄付)、
エイズ問題への支援(1億6000万ドル以上)、
LGBTへの理解と支援(名誉市民の称号を得る)、
いじめ問題への支援(財団の設立)、
貧困・ホームレス問題への支援(100万ドル以上の寄付)、
東日本大震災の復興支援(2億4000万円以上)、
などがあるようです。

過激な衣装やパフォーマンスにばかり目がいきがちですが、
それは自身の主張を通すための手段にすぎないことを、
彼女自身がいちばん理解しているようです。
それは様々なインタビューでガガ様自身が語っています。

だからこその様々なアワードでの受賞実績、
各種ランキング1位(連続記録も多々有り)があるのだと。

ここで重要なのは、本業(音楽)でもアワードを取っており、
その他の活動(社会貢献活動など)でもアワードを取っていること。

どちらかだけでは、CSRブランディングにはなりません。
本業がふるわず、副業がメインになったり、
本業のみ突き進み、社会貢献活動だけ有名でもしょうがありませんね。


■音楽性
その歌詞やメロディーは、様々なアワードも手にしています。
社会貢献やパフォーマンスだけでないのです。

言ってしまえば。音楽は彼女の本業。
本業でCSRをしよう叫ばれる昨今ですが、
まさにそこなのですよね。

例えば「Born This Way」歌詞を参考に見ましょう。
全体的には、生まれながらな容姿や環境も受け入れて愛してあげようね、
っていう雰囲気です。

差別はいけないということや、
愛の大切さを歌う内容は、
マイケル・ジャクソンもそうでしたが、
心にグっとくるものがありますね。

本業を通じて、社会問題の認知と解決を促す。
まさにCSV(共有価値創造)というところでしょうか。

ガガ様が、ただ愛だの恋だのを歌っていたらどうなっていたでしょうか。
やはり社会貢献活動(音楽以外の活動)は重要ですが、
本業の意味はとてつもなくあると思います。
僕は、ガガ様から"本業でのSR(CSR)"を学べると思っていませんでした。


‖雑感

いかがでしたでしょうか。
主に彼女の社会貢献活動からの考察でした。

CSRブランディングというものは、創るのが何年もかかるのに、
壊す(忘れられる)のは一瞬というとてもナイーブなものでもあります。

今回は、ノウハウ系まとめみたいにしました。
具体例はありますが、どこのCSR関連セミナーでも
事例紹介ばかりでつまらないと思ったので。

自分の頭で考えることは、本当に大変です。
でも重要なポイントが分かってくると思考が整理され、
今、取り組むべき自分の課題が見えやすくなりますね。

僕は法人を立ち上げたこともありますし、
今年も、来年も新しい法人組織を立ち上げる予定です。
自分で自分をコンサルするのは難しいですが、
僕自身の助けにもなっているノウハウ・考え方を集めたつもりです。

また、彼女のすばらしい部分は、社会貢献活動のみに留まりません。
その音楽性(楽曲のクオリティ)も世界で評価されています。

そして、ガガ様のように"アイコン"になれるかは、
御社の本気度が左右するのです。


皆様の活動のご参考になればと思います。

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安藤光展

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