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ただ使ったって話題にはならない!必然性のあるAKBプロモーション
»2012年3月16日
mushatter武士道ブログ
ただ使ったって話題にはならない!必然性のあるAKBプロモーション
1982年生まれ 宮城県仙台市出身 株式会社シェアコト / サブカルプランナー 一般企業のプロモーションとアニメを掛け合わせた企画を専門で作っています。 過去実施クライアント様 ドコモ様、ローソン様、マイクロソフト様、GMOインターネット様、など大手企業様の企画を中心に企画を実施。 アニメ活用マーケティングを数字とフレームワーク理解するNED(TEDのパクリ)なども実施。
当ブログ「mushatter武士道ブログ」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/mushatter/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
アサヒWONDAのプロモーションで、AKB48のチームA、チームK、チームB、チーム4、さらに研究生を加えた
■AKBの必然性
このプロモーションはただ流行りのAKBを使ったというだけではないと思います。AKBを必然的に話題化するためのポイントが見事に入っています。
それは以前のブログ【AKB48のプロモーションから見るソーシャルメディア時代の2つの共有】の中の一つとして書かせていただきましたが、AKBの人数の必然性です。
簡単に言うと、AKB48をプロモーションに使う際、話題化をさせるためには、たくさんのメンバーがいるというAKBならではの「数」を活用するのがポイントだと考えます。
そうすることで、必然的に消費者の中に、選択肢や組み合わせのパターンをたくさん作ることができ、話題にしたくなる"ネタ"が増えます。
個人がメディア化しているソーシャルメディア時代、 このようにユーザーが個々に話題にしたくなるネタをいかに取り入れるかということがこれからのプロモーションには求められるのではないでしょうか。
■メディアに取り上げられるために
さらにアサヒWONDAのプロモーションが上手いところはAKB48というコンテンツ力とその数の活用だけでなく、メディアが取り上げたくなる「ニュース性」のネタをプラスオンしたことです!
どういうことかというと、90人の全90種類のCMを一日で一挙放送するということ自体がギネス記録であるということです。
このような記録系のネタはマスメディアにとってはかっこうのニュース材料です。
AKBの数をうまくギネスに絡めたことが多くのネットニュースで取り上げられたポイントだと考えます。
ギネスのような記録ものはメディアに取り上げられるポイントの「ニュースグラフ」の一つでしかありません。
ニュースグラフを含め、メディアに取り上げられるために仕掛けられるポイントは、大きく言うと3つあると思います。
それは、ニュースグラフ、トレンドグラフ、フォトグラフと名付けているのですが・・・
以下で一つ一つ説明していきます。
■「ニュースグラフ」
ニュースグラフとは、魅力的なコンテンツ、新記録、事件性の高いもの、など、それだけでニュースになるような要素を指します。
・コンテンツ:アーティスト、アニメとのタイアップや最新技術の活用など
・記録:世界一、日本初、ギネスなど
・事件:ゲリラ、サプライズなど
ニュース性が高いと、ネタを探しているマスコミにとっては取り上げやすく、情報の汎用性が高いため、私たちの日々の情報収集の中で目に付きやすい傾向にあります。
よく、「タレント◯◯が時価××億円のダイヤで登場!」というスポーツ新聞やワイドショーを見たことがあると思いますが、ソレです。
参考:AKB48篠田麻里子、3億5,000万円の豪華ジュエリー身に付け「結婚会見みたい」
http://news.mynavi.jp/news/2012/02/09/034/index.html
今回のアサヒWONDAのプロモーションはAKBというコンテンツを活用し、ギネス記録を打ち出していることから、このニュースグラフの「コンテンツ」と「記録」を強く使っているのではないでしょうか。
■「トレンドグラフ」
http://news.mynavi.jp/news/2012/02/09/034/index.html
今回のアサヒWONDAのプロモーションはAKBというコンテンツを活用し、ギネス記録を打ち出していることから、このニュースグラフの「コンテンツ」と「記録」を強く使っているのではないでしょうか。
■「トレンドグラフ」
トレンドグラフは、季節や、トレンド、限定など、今だからできる要素を取り入れているかどうかです。
・季節:四季や、クリスマスやこどもの日などのイベント事
・流行:世間で流行の話題への便乗、旬なタレントの活用
・限定:数量や期間が限定されている
やや、ニュースグラフと関連しますが、主に今しか取り上げることができないため、消費者としてもキャッチアップしたいというインサイトが働いており、そこに上手く情報を入れてあげることができれば、瞬間風速的な話題になりやすい傾向にあります。
今はAKB=トレンドとえますが、困ったときのタレント頼みはプロモーションでよくあることなので、僕は本ブログのタイトルにもあるように、「ただ使えばいい」とは思っていません。今回のWONDAはAKBの数の必然性を絡めている点が秀逸なわけです。
■「フォトグラフ」
フォトグラフは絵づくりのことであり、マスコミや消費者が写真に取り上げたくなる、シャッターチャンスをいかに作れるかということです。
特別な場所や物や人、瞬間的にしか存在しないなどは、マスコミも消費者も記念に写真に残しておこうという心理が働きます。
写真に取られれば、メディアに掲載される可能性が高くなります。
また、余談ですが、マスメディア時代からソーシャルメディア時代になり、写真は、撮りたいものを撮るという概念だけではなく、Instagramなどの普及で、"共有したいものを撮る"という新しい概念になってきています。
そんなところも踏まえ、フォトグラフは以下のようなシーンと考えます。
・非現実:イベント空間や、珍しいもの、華のあるタレントの活用などの被写体。
・記念性:自分が「今」体験している物事 、自炊の食事や外食、風景など、といった瞬間を記念に残しておきたいと思うもの
WONDAのプロモーションにはAKB90人全員の引きの集合写真という珍しい被写体がありました。
Source: news.mynavi.jp via Keisuke on Pinterest
■コンテンツの世界観を理解して仕掛ける
YouTubeやニコ動など、ネットの普及で、ユーザー発のコンテンツがたくさん生まれ、さらにソーシャルメディアを通してコンテンツのファンコミュニティによる共有が派生します。
YouTubeやニコ動など、ネットの普及で、ユーザー発のコンテンツがたくさん生まれ、さらにソーシャルメディアを通してコンテンツのファンコミュニティによる共有が派生します。
アイドルやアニメなどはとくに世界観のコミュニティが形成されやすいコンテンツだと思います。
そのような世界観を理解することは非常に難しいですが、コンテンツと、タイアップでプロモーションを企画する際は、コミュニティの声に耳を傾け、そのコンテンツの世界観をしっかりと理解し、商品の特徴と必然的に絡めることがプロモーション成功のカギです。
また、加えてそのプロモーションがよりメディアに取り上げられるために、ニュースグラフ、トレンドグラフ、フォトグラフの3つをキレイに入れ込むことができると鬼に金棒なのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。