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サラリーマンが起業を考える時(2)

サラリーマンが起業を考える時(2)

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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「オレ、仕事を辞めて、会社を興そうと思うんだよね」

と、親や奥さんに告げて、「いいね!是非やりなさい」と賛成されることはまずありません。

一般に起業して会社経営者になるということは、「ハイリスクハイリターン」の人生になることを意味すると考えられているようです。いや、多くの場合実際そうです。

しかし、私は、これはやりようによっては「ローリスクミディアムリターン」くらいにできるのではないか、と考えています。

もちろん、生まれながらにギラギラと商才に溢れる人であれば、「ハイリスクハイリターン」の人生も大いに結構ですが、これまで真面目に受験勉強をこなし、そんなに大きな野心を抱えていない真面目な人種の人たちにとっては、やたらと荒れた海に舟を出すような生き方は人生の選択肢に入らないでしょう。

経営者である限り、サラリーマンにはないリスクはどうしても降りかかってきます。しかし一方で、自分の与(あずか)り知らないところでとんでもない良からぬ算段が進行しているというリスクからは解放されます。

例えば、営業も製造も非常に調子よい堅実なメーカーであったのにも関わらず、突如社長一族のお家騒動で、経営者が一新され経営がダッチロールに陥る、などということは珍しい話ではなく、その手のリスクはサラリーマンのもっとも大きな不安定要素だと思います。

企業の合併や売却、部署の統廃合、人事異動などもその部類ですね。

つまり、その手のリスクがなくなることと、経営者特有のリスクを極力少なくすることにより、起業してもあまりサラリーマンとリスクの総量が変わらない生き方ができるのではないかと思っています。

 

さて、もう少し具体的な話に移ります。

もし、会社経営者をも見据えられる力量を養いたいと思えば、まずはその目的で就職先を考えるべきです。かねてから、「大企業や人気企業に就職することが、本当に安定につながるの?」と言っているのは、この考え方によるものです。

もちろん学生からいきなり会社経営者になるというのも、私は「おもしろい」と思うのですが(知らないことはある意味大きなパワーです)、ここでは、「面白いからやってごらん」というのはひろゆき氏に怒られるので封印します。

やはり、リスクを最小限に抑えるには、どこかの会社に数年間就職して、ビジネスのいろはを学ぶべきでしょう。

ビジネスのいろはとは、要は、営業から始まって、具体的な商談、契約、納品、検収、請求、入金までの一連のフローです。そういうことが勉強できるような比較的小さな会社か、一通りの全業務を内部に包含する独立事業部を持つような会社が理想です。

これが分からないと、どんな業種であっても初手から躓(つまづ)いてしまいます。

この会社で仕事をすることで、契約の仕方、請求の立て方等々勉強ができますし、雛形などをこそっと入手できます。

いや、しかし、そんなものを入手するために小さな会社に就職するのではありません。

むしろ会社というのが、どうやって市場ニーズを把握しそれに応えているのか、大波、小波のトラブルにどう船首をブチ当てて乗り切っているのか、プロジェクトや社員のマネージメントとはどうやるのか、従業員と経営者の発想の違いとは何か、等々を勉強することの方が断然大きいです。

特に、うまく行ってないところを実地に体験し学ぶのは本当に重要なことで、ビジネス書をいくら読んでも得られるものではありません。

そして、当然のことながら、先般から申し上げてきている「脳内ビジネス」を打ち立てて、本気でその会社に尽くしきることが重要です。

この本気度によって、得られる経験の純度と量が大きく変わってきます。