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社内目標が大嫌いな社長が作った社内目標(2/2)

社内目標が大嫌いな社長が作った社内目標(2/2)

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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「見える化」「見える化」と叫ばれつづけちょっと辟易された方も多いと思いますが、敢えてここでもう一度「見える化」について考えて見たいと思います。

たとえば前回お話したような、会社目標の達成度を示すグラフ。

何か数値目標を掲げ、確実に実行するためには、その達成具合を「見える化」することは、現在のペースを掴み、次に必要なアクションを判断する上で必要不可欠でしょう。

逆にそれ無しで、数値目標を達成せよというのも無理な話です。

しかし、これは単純に見えさえすればよいのでしょうか?

今までであれば、弊社ではここで、社内の業務システムに1つメニューを追加して、そこで進捗のグラフが見えるようにしたり、あるいはフラッシャー(Flashを作る人)に頼んで育て系のゲームのようなUIを作ってもらうところなのですが、今回はもうちょっと突っ込んで考えました。

 

▼見える化に必要な3つの要素

私は、このような「目標」の達成率のようなものを「見える化」するには3つのことを考慮する必要があると思います。

それは

  1. 自然な視認性
  2. うるさくない控え目なインタラクティブ性
  3. リアルな体感操作性

です。

まず「自然な視認性」ですが、要は、システムを立ち上げれば見える、というようなものでは、見ない人は長い間見ません。そして、「自分も見ないのだから他の人も見ちゃいないだろう」という感覚を持ちます。

また、逆にレポートをプリントアウトして毎週月曜日に個人の机の上においてあるというのも、

「うるせーな、わかったよ」

という反発心を産みそうです。デスクトップ常駐型のソフトにするというのも同じですね。かなりうざいです。

要は、前者は個人の意志に任せすぎですし、後者は強制力が強すぎます。

そうではなくて、ベタではありますが、たとえば休憩スペースとか通路とかに、紙で貼り出しておくというのがよいと思います。

  • 自分が自然と目にするということは、他の社員全員自然と目にしているはず。
  • 忙しいときや気の乗らないときには、見なければ見ないでよいようだ。
  • ただ、「みんなは見てるんだろうな。ちょっとは見ておかなければな。」くらいの感覚は常にある。
  • チラっと見ると先月のグラフのところに何か落書きがしてある。
  • ショボーンマークだ...(´・ω・`)
  • Aが書いたんだな...来月、頑張らないとな...!

そういうくらいのバランスがよいと思います。

その自然な視認性とインタラクティブ性を実現するのが、模造紙+手書きグラフです。これを休憩スペースあたりに貼りましょう。20年前に戻った感じですが、若者には新鮮かもしれません。

 

それともうひとつ。リアルな体感操作性とは、要するに国会議員の選挙開票の際のバラの花です。

各党、候補者名を一覧に貼りだして、当確マークがつくたびにそこに党首や幹事長が嬉しそうにバラを貼っていきますが、あれです。

「よし、ここにバラついた!次、あそこにつけばいいな...!いや、行くだろう!」

という具体的イメージを沸かせることが重要だと思うのです。

「次、あの候補者の当確が発表されたら、幹事長があそこのバラを1つ取ってあの位置に貼るんだ。ちょっと高い位置だが大変そうだな...。でもそうなったら嬉しいな。」

こういう具体的な触感を伴うイメージですね。

それは、手書きグラフでもいいっちゃいいのですが、今ひとつ「操作」としてワクワク感がないです。

そこで、考えたのがスカイツリーです。

これ。

 

LINK
3Dペーパーモデル 東京スカイツリー

 

これをオフィスの真ん中に、目標の達成度合いに合わせて組み立てていきます。

95cmある&空いているデスクの上に置こうと思うので、まあ結構な存在感があると思います。

これなら自然に毎日目に入ってきますし、数字数字ではないので、あまりうるさくもないでしょう。

着工は2011年3月1日。完成予定は、2012年2月29日。

そして、目標よりも早く完成したら、当然全員に臨時ボーナス、出そうと思います。目標がしっかりしているので、気持ちよく出せます。

さてさて、これがチームワークを深め、業務効率化を図り、不具合を少なくするというマルチな業務改善に向けての、面白いイベントになってくれるといいのですが。がんばります。