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就活生に贈るシンプルな3つのアドバイス

就活生に贈るシンプルな3つのアドバイス

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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本当に久しぶりのエントリーになってしまいまして申し訳ありません。

結構、私のブログを楽しみにして頂いている読者の方がいらっしゃるようで、何名かの方から暖かいプレッシャーをいただきました。ありがとうございます。

さて、誠ブログのお題の方が出ていましたので、ワタシも就活についてちょっと書いてみたいと思います。


■労働とは完全な生産行為である

さて、当たり前のことなのですが、意外とみなさん意識していないことです。

労働とは、自らサービスを提供してその対価としての金銭を得るという、完全な生産者側の行為です。

にも関わらず、どうも多くの就活生が、まるで旅行の際のホテルを探すような、あるいは英会話スクールを選ぶような感覚で就職面接に向かいます。

労働市場においては、労働者が生産者であり、会社が消費者でして、どんな理由をつけてもそれは覆ることがありません。

まずはその基本をわきまえれば、就職活動の一挙手一投足が変わってくるはずです。

たとえば、「履歴書は手書きにすべきか、ワープロでいいのか」などという議論があります。

その際に、某巨大匿名掲示板では、

  • 「今時手書きの履歴書を求める会社なんて終わっている」
  • 「そんな会社に間違って入らないために、敢えてワープロで送ってやれ」

などと乱暴なことを言う訳ですが、こういうのは完全に消費者視点で就活を捉えているわけです。

答えはそう単純ではなく、営業マンが営業先のことを徹底的にリサーチして戦略を練るように、就活においても就職先の会社が何を求めているか、真剣に考えなくてはなりません。

たとえば、資格試験の予備校、ブライダルやホテル関係など、人との細やかな応対が必要とされる業種であったり、あるいは職種が総務や経理、秘書などであるなら手書きの履歴書がいいでしょう。

よく「アメリカでは履歴書が手書きとか有り得ない」とかいう意見が出るのですが、まったく関係ない訳です。日本でサービスを売ろうというのですから。生産者が商圏内の消費者に合わせて戦略を打つのは当然です。

買ってもらうための努力というのは、普通に皆さんがレストランや小売店で求めていることです。就活ではそれを行うのです。


■就活とは営業である

これはほんの一例ですが、たとえば、こんな質問をしたりしませんか?

「御社の有給消化率について教えて下さい」

確かに、社風的にちゃんと有給休暇が取れるかどうかは非常に気になるところですし、大きな会社なら数字も取ってるでしょうし、丁寧に教えてもくれるでしょう。

しかし、その質問が本当に顧客の購買意欲を喚起するのでしょうか?

「自分の質問が面接担当官に通じて、きちんと回答をもらった。」

そんな事実に何の価値もないです。

この手の待遇や環境に関する質問は、一般に「その会社に対する本気度をアピールするため」にされるようですが、そうであればもっと別の質問がありそうなものです。

「研修期間中はテキストや教材データを自宅に持って帰ってもいいですか?」

「タイムカードを押してから会社に残って勉強させてもらってもいいですか?」

などなどです。

こういうスタンドプレーは、普通はなんらかのルールがあり、ダメならダメと言われます。もしそれが許されるなら、出来る人間は必ずやってますので、入社したら気合いを入れなければいけません。

いずれにしても、この類の質問は有益であって、かつやる気を十分にアピールできる訳です。

腕のよい営業マンは、自分がしゃべるのではなく、質問をして相手に答えさせることで懐に入り込みます。それをアドリブで狙うのはまあ難しいですが、意識して準備していけばやれることはあります。

ちなみにもし先の有給のような質問が、本気で気になるのであれば、面接の場ではなく、OB・OG訪問や、帰り際についでっぽく聞くなど、工夫すべきでしょう。



■買い手の甘言の本質を見抜け

一般に、学生・若者から人気のある企業ほど、こんなことを言って就活生を混乱させます。

「就職面接では、みなさんも是非弊社を面接して下さい!!」

「我が社は新入社員に対する研修制度が充実しています。是非みなさんどんどんスキルアップして下さい!!」

「ウチは、仕事は楽しく!がモットーです!是非みなさん、楽しんで仕事をしてください!!」

しかし、これを真に受けて「うーん、なんていい会社なんだ!」などと手放しで喜んでいてはいけません。そんな態度で面接に臨めば、「こいつはセンスがない」と思われてしまいます。

このウラには、

「だからあとからグズグズ言うなよ」

というのがありますし、

「それに見合う成果を必ず出せ」

というのも見えますし、

「出さなきゃ、他にいくらでも応募は来るんだぞ!ウチは人気企業なんだからさっ」

というプレッシャーもあるわけです。

その買い手の本意を汲み取り、

「御社の経営方針を聞いて、生半可な気分ではお仕事できないということがひしひしと伝わってきました...!このプレッシャーをバネに、是非期待に応えて見せます...!!」

と真剣な面持ちで言う人だけが、「なるほど。君は分かっているな!」と思われる訳です。

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(2011/11/25 追記)

ちなみに、twitterの方で書きましたが、よい生産者というのは、必ずしも消費者の言いなりになりません。

消費者は得てして、最新のトレンドに追いついていなくて、自らが何を欲しいのか分からなかったり、分かってもそれをうまく表現できなかったりするのです。

お金を頂く以上はプロ。プロは買い手の求めるものを研究し、それに応えていく必要があるのです。始めは難しくても、その方向で考えていく人と、「自分だってお客さん」という意識で考えている人ではこの先3年5年で成長具合が大きく変わっていきます。