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敵と環境を見定めよう 【非ベンチャー起業法 ~その2】

敵と環境を見定めよう 【非ベンチャー起業法 ~その2】

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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さて、前回に引き続き、今回も一つ気になった記事をご紹介します。



これまた凄い人ですよね。さかなクンは。(異論反論あろうかと思いますが、とりあえず本人が敬称略でよいというので、呼び捨てにさせていただきます)

この記事を読んでみなさんはどう思われたでしょうか?

「うーん、さかなクンはやはりすごい。夢って大事だよね。夢を諦めず、とにかく続けていけばいつか必ず実を結ぶものだよね!」

と思ってしまった人はいないでしょうか。

そういうあなたは、かなり危険な発想の持ち主です。上記記事内の勝間氏のコメントが、その手の残念な所感になってます。

さかなクンは、

「自分には○○になる夢がある」→「だから今は辛いけどこれを頑張る

という発想で魚の知識を吸収していったのではありません。いや、知りませんが恐らく。

ただ魚のことが好きで好きで、どんなことも純粋に知りたくて、自然に学者級の知識を得ていったのでしょう。

常人でない興味と探求心、そして生まれついての優れた記憶力もあったのでしょう。その結果が、今につながっています。

これは「一生懸命やれば、夢って叶うもの」みたいな世界の話ではないです。

こういう成功事例は、正直、真似しようと思ってもできるものではありません。

どうも将来事業を興そうと夢見ている人の中に、このさかなクン的な成功をイメージしている人がいるのですが、私はそういうおかしな努力はやめた方がいい、と思うのです。


さかなクンのような成功をする人は、「頑張ろう」と思う前に勝手に手足が動いています。利益度外視で。そしてそれが、普通の人が「頑張る」よりストレスがなく「頑張れて」しまうので、「頑張ってない」ようにすら見えるのです。

そういう人を目標にして張り合うと、

「あー、自分はなんてダメなんだ。どうして、ああなれないのか。どうして1つのことに興味が継続しないんだ!」

と、どんどん自己嫌悪に陥ってしまうでしょう。

あるいは、「彼は、楽しく学んだから成功につながったんだ」と分析して、「そうだ、楽しもう!」などと思い、またそこでどうしても今一つ楽しく思えない自分に苛立つ、と。。


そんな風に思い悩む必要はまったくないのです。

今現在、特に彼のように狂ったように打ち込んでいることがなくても、仕事があまり楽しくなくても、会社というのは作ることはでき、そしてうまくやれば、彼を真似して起業する人よりも遙かに安定して事業は回り続けるということです。

さかなクンの姿をみて、「成功するにはあれくらいやらなきゃ」などと思うのではなく、彼のような特殊な天才とは戦わないか、共存できる道を探るべきなのです。


変えようと思っても変わらないものは、ただの環境です。

環境とは、戦うものではなく、その中で自分はどう立ち振る舞うか、を考えるべきなのです。

さて、あなたの周りの何が環境で、何が戦うべき敵でしょうか。