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018.【自分の話】OS/2の思い出(その弐)
»2012年2月10日
IT雑貨屋、日々のつづり
018.【自分の話】OS/2の思い出(その弐)
1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。
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日々仕事に追われながら、なんとか記事を書いていこうと努力をしています。だからこの記事、毎度の事になりつつありますが、帰宅中の電車の中で書いています。
体力的に若くない事を実感しはじめている、佐藤@IT雑貨屋です。
さて今回は前回の続きを書いていきます。
プロジェクトが始まってまもなくの事、IBMのPS/2が数台、事務所に届けられてきました。OS/2は既にインストール済みで、それに関係するマニュアル類もどっさり届けられ、いよいよプロジェクトの始まりです。
それまでの私はMS-DOS上で主にデバイスドライバを組んでいましたが、OS/2ではその必要は無く、基本的にはAPIという機能を利用すれば、ほぼ構築できると聞いていましたので、そのAPIについて早速マニュアルを読んでみました。
APIとは「Application Program Interface」の略語で、マニュアルによるとPASCAL(今はもう無い言語ですよね)の関数形式で提供されているとの事。
「どれどれ、どんな機能があるんだろう」
わくわく気分で数百ページはあるであろう、APIリファレンスマニュアルを開いてみると、記載されているのは、以下の様なものでした。
機能:スレッド作成関数
HANDLE *DosCreateThread
説明:スレッドをクリエイトする
「・・・・・・・」
読んだ途端に頭が真っ白。「スレッド」「HANDLE」「???」
ページをめくっていろいろ見てみましたが、簡単に言えば英文を直訳して簡略化した内容しか記載されていません。そもそも何がなんなのか、よく解らない。。。
改めて表紙を見てみると、、
「関数リファレンスマニュアル 0.9版」とありました。
つまりこういう事。このリリースは国内向けには正式リリースされているわけではなく、その先駆けのものであって、まともな説明を期待してはいけないという事です。
この時、はじめて自分が置かれている状況を理解しましたが、時既に遅し。プロジェクトは始まり、納期もケツかっちんで決まっている。しかも社内には有識者なんていやしない。。。。もう叫びだしたい気分です。
私の担当はハードウェア移植全般に関わる事と、OS依存の部分の移植。つまりこの皆目検討のつかない状況において、自力で全てを解決しなければならないという訳です。
私以外のメンバーはというと、淡々とソースコードをコピーして、コンパイルを始めています。でもこのコンパイルしたモジュールの動作確認する為のテキスト表示とか、グラフィック表示は、当然の事ながら私が対処しないと確認する事すら出来ないのです。
もう青くなりながら、直接の上長である東工大出身のサブリーダに話をしたところ、早急にR社のトップSEに合って、質問する場をもうけてくれるという事になり、その為にも事前に情報を収集すべく、近所の技術書が置いてある大きな本屋へと駆け込みました。
当時はインターネットなんてモノありませんでしたからね。。。情報は本屋を巡り歩く以外に無い時代でしたので、ここでも苦労をしました。それでもアメリカで出版されたOS/2の翻訳本を入手して、必死に読み始めた次第です。
つづきはまた次回に致します。
しかしここまで書きながらですが、本当に当時の自分を誉めて上げたくなりました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
IT雑貨屋を、これからもよろしくお願いします。