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7月24日 喜んで使われる~まずはこの状況をイメージしてみよう(#427)
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今回の話は、いろいろと考えさせられる内容となっています。
松下電器(現パナソニック)は元々は、松下幸之助さんが始めた個人経営の町工場で、松下さんは最初は何でも自分でやっていました。
この段階の社長、自営業者が世の中で一番多いような気がします。
そのうち人を雇うようになったが、そういうときに「私を大いに使え」と言っていたらしい。人を雇えるようになるのも大変なことではありますが、この段階の社長もたくさんいます。
問題は、これよりも会社を大きくできないと嘆く社長が多いということでしょうが、松下さんの話は大いに参考になります。
たとえば仕入担当が「一つお願いがあるんですが・・・」とやってくる。最後にお礼を言ってもらえればまとまるという段階まで進めたので、仕入れ先に顔を出してくれないか、と。
で、出かけていって話をまとめてくる。
当然、営業でも他の面でも、それをする。そうして会社は急速に発展したのだ、と。
もし、あなたが会社を大きくできないで悩んでいるとして、この話を聞いてどう思うでしょうか?
「部下がここまで段取りをしてくれるようになるには、どうしたらいいかが分からないからできないんだ!」とか、「次から次へといろんなところへ呼ばれる状態になるためにはどうしたらいいかがそもそも分からないんだ!」と腹を立てるようであれば、今後の発展はないと思われます。
私は、稲盛和夫さんが、松下幸之助さんのダム式経営の講演会に参加したときの話を思い出しました。
ダム式経営とは、万事に余裕を持って経営しようという考え方です。参加していた経営者が、どうしたら余裕が持てるかが分からないのだ、そこを教えて欲しいと質問しました。すると松下さんは「そんなん、私も知りませんのや。ただ、そうやると決めるしかない」と答えたのだそうです。
当然、参加者からは不満や嘲笑の声が。ところが、稲盛和夫さんだけは電撃に打たれたようなショックを感じたのだそうです。
ここでも同じことなのだと思います。
会社を発展させるためには、経営者である自分がひっきりなしに部下に呼ばれる状況をつくらなければいけない。まずはそのような状況にすると決めるしかない、ということなのです。
そう決めたら、ではそうなるにはどうしたらいいかを考えればいい。
多くの人は能力がないのではなく、どういう状況になればいいかが分からないのだと思います。そういう意味で、今回の話は、貴重な示唆を提供していると思うのですが、いかがでしょう。
今日の一言)どういうやり方をしたかではなく、成功する前にどういう状況になっていたかという話のほうが示唆に富んでいる。