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スキャナーは「紙→デジタル化→共有」するためのツール

スキャナーは「紙→デジタル化→共有」するためのツール

長谷川 渉

株式会社ナレッジシステムズ代表取締役 企業の成長に必要な「仕組み化」を、IT(ICT)を駆使して実現するシステム実践屋。NLPや心理学の知識を活かしたコンサルティングで「こういうシステムが欲しい」「この業務を自動化したい」というイメージを形にしています。

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こんにちは、システムコンサルタントの長谷川渉です。

10年近く前、ドキュメントスキャナー(以下、スキャナー)というツールを最初に手にした時は「でかい」「遅い」「使いづらい」という三拍子が揃っていて、使い方としても「紙→デジタル化」までの、個人レベルでの利用が主流だったように思います。

特に、「使いづらい」で記憶に残っているのは、原稿を1枚1枚、セットしなければならない点です。枚数が多いものをスキャナーで読み取るのは、本当に面倒でした。

しかし、機械は進化します。
ここ数年でスキャナーは「自炊」というキーワード等で広く使われるようになり、使い勝手も、格段に良くなったという印象が強くあります。

また最近の複合機タイプ等のプリンターにはこのスキャナー機能がセットになっていて、ADF(自動給紙装置:原稿を自動でスキャナーにセットしてくれます)付きのものであれば、以前のような「使いづらい」ということも、なくなっています。

ですが、上記のような付属タイプのスキャナーよりもさらに使いやすく、「紙→デジタル化」までだった使い方に「共有」することも簡単にできてしまう、専用機があります。

ブラザー社製「ADS-2500W」は、本体に無線LAN機能が内蔵されており、またDropboxといったクラウドサービスとの連携も可能で、スキャンしたデータをそのままクラウドへアップ&共有という使い方が、パソコンを使わなくても簡単にできてしまいます。

今回は、いわゆる「自炊」と、「名刺管理」、そして「紙を減らす」という3つの視点で、「ADS-2500W」を使ってみた感触をリポートします。

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※設定等につきましては、ブラザーのサイトを、ご参照ください
 http://solutions.brother.co.jp/public/model_top/document_scanner/ads2500w.html

まずは王道の「自炊」を試してみます。
ちなみに、裁断機は持っていないため、カッターとカッティングマット、金尺を使いました。

no27-1-2.JPG<左>書籍と雑誌を裁断。意外と簡単にできました <右>厚みの違うものを用意しました

本機は、一度に50枚までの原稿をセットできるとありますので、大体、50ページ前後に分割して、スキャンします。

ただ雑誌の場合、190ページほどあったのですが、厚み的にはスキャナーに無理なくセットできてしまったので、一気にスキャンを試してみました。

設定は、ファイル形式で「PDF」を選びます。
分割スキャンする時は「継続スキャン」にチェックを付け、1つのPDFファイルにまとめるようにします。

なお、ファイル形式には「サーチャブルPDF(文字を検索できるPDF形式)」も選べるのですが、雑誌の場合は、あまり検索することはないため、選びませんでした。

また、普通のPDFを形式よりもスキャン時間が長くなるような気がします。こちらの設定は、好みが分かれるところでしょうか。

no27-3.jpg付属ソフト「ControlCenter4」の設定画面。
解像度とカラー設定は「200×200 dpi」「自動」にしてみました
※解像度を大きくすると、私の環境ではなぜか「通信エラー」が多発しました
そのため、像度を下げて、スキャンしました。

出来上がったPDFを見てみると・・・。
予想よりまっすぐにスキャンされていて(傾きが気にならない)、読みやすいという印象です。

no27-3-2.jpg傾きはほとんど気になりませんでした

「自炊」も意外と簡単にできることが分かり、今後も重宝しそうです。

ちなみに、PDFファイルは通常上から下へ、スクロールして読みますが、スマートフォンやタブレットでは、本を読むように左右のスクロールで読めるようになるアプリがあったります。

私は「自炊」したものはiPadで読みたいと思い、「CloudReaders」という無料アプリを使ってみましたが、実装されている機能はシンプルですが、左右のスクロールでページを送れるので、十分です。(Dropbox経由で、PDFファイルを開く際に、このアプリを指定します)

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次に、「名刺管理」を試します。

付属ソフトに「BizCard」という名刺管理用ソフトがありますので、こちらを使ってみようと思います。

no27-4.JPG大きさや色、写真付き、縦型のものなど、適当にピックアップしました

スキャナーにセットして、スキャンを開始すると自動でデータベースに保存されていきます。

結果をみてみると・・・

no27-5.JPG若干、水平じゃなく、傾いているデータが多いようです(画像わかりづらくて済みません)

お名前や住所等、ほぼ完璧に読み込めている名刺もあれば、全くといっていいほど読み取った内容が不明のものまで、色々ありますが、不明のものは画像を見ながら修正していく必要がありますね。

読み取りが正確になる名刺は、やはりフォントが分かりやすく読みやすいものが多いです。

また、読み取りの解像度は、少し高めの設定にすると、ファイルサイズは大きくなりますが、読み取り精度も上がるような印象です。

ただ、保存したデータベースのファイルサイズ、名刺25枚で、約230MBありました。

no27-6.jpgデータサイズは3.8MBとあるので、25枚だと95MB?両面だとしても190MB?

それでも、現在のハードディスクの容量を考えれば、あまり問題なく使えるような気がします。(私が使っているハードディスクは1TB(1000GB)と、外付けハードディスクにも1TBあります。)

結論としては、まぁまぁ、使えるかなという印象です。しばらくはこのソフトでの名刺管理を続けてみようと思います。

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さて、最後は「紙を減らす」です。

まずは周りにある紙もので、保存することで場所を使っているものを、デジタル化しようということになります。

更に、最後の「共有」もうまく使う方法として、とにかくクラウドにアップしていき、必要ないも紙ものはバッサバッサと捨てて行こう!という趣旨で試してみます。

私の場合、新聞や雑誌で「ここだけ残しておきたい」という記事に付箋が付けていましたので、この付箋の付いているところだけスキャンして、後は捨ててしまいたいと思います。

他にも、新聞・雑誌の場合はスクラップブックにするという方法があります。

一旦スクラップブックとして完成したものを、スキャンするという流れでも良いかと思いますが、新聞を切り取って、張り付けていく手間よりも、切り取って即スキャン&クラウドへアップロードで共有、してしまったほうが楽だと判断しました。

※新聞・雑誌等の記事には著作権があります。あくまでも個人の私的利用に限定した使い方のご紹介になります。ご理解・ご了承くださいませ。

切り抜いた新聞記事は、このように付属のキャリアシートに挟んで、スキャンすると紙詰まり等が発生しづらそうです。

no27-7.JPGこんな感じです

そして、今回はクラウドに直接アップしてしまいます。
アップ先として今回はDropboxを選んでみました。

セットアップが済んでいれば、次回以降はワンタッチでDropboxへのアップロードの設定を選ぶことができるようになります。

社内資料、個人で作成した資料で特に手書きのメモなどは、共有しておくべき内容の紙ものがあったら、このようにスキャン→クラウドへアップというルールを作り、メンバーは保存されたクラウド上のフォルダを定期的に見るようにすれば、紙ものを回覧するよりも、自由な時に同時に閲覧することができますので、誰かの所で回覧が止まっていた・・・なんてことも、なくなるのではないでしょうか。

また、大事な書類等は、紙で残しておく必要もあると思いますが、検索しやすいようにするために、デジタル化して特定のフォルダに保存し、いつでも権限のあるメンバーが閲覧できるようにすることも、効率的な仕組み化の1つになると感じました。

no27-8.JPGPDF化された、新聞の切り抜きです

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1分間IT活用法

スキャナーは「紙→デジタル化→共有」までを一貫して行えるツールとして、今後より定着していくと思います。

そして、紙をデジタル化するまでの作業をより効率化できるようになると、共有するところまでも、より短時間かつスムーズにできるようになる気がしています。

ブラザー社の営業の方とお話しする機会もあり、その際に「裁断機の要らないスキャナーをつくってください!」と、熱くお願いしておきました!

今回、「ADS-2500W」の使い方をレクチャーしてくださったブラザーのM野さん!期待して待っています!


最後に、余談ですが、

no27-9-10.jpg<左>スペースの都合でこんなふうに設置しています(後ろはプリンターです)
<右>そのため、後ろの電源ケーブルが、意外と大きくて・・・。
本体がコンパクトなのに、ケーブルが少し邪魔に感じました。