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新米広報の飽くなき挑戦(2):初テレビ局、初プロデューサー、与えられた時間は5分。自社をPRせよ!
»2013年4月26日
誰も書かなかった、広報女子部ログ
新米広報の飽くなき挑戦(2):初テレビ局、初プロデューサー、与えられた時間は5分。自社をPRせよ!
「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。
当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
前回の続きをお話する前に、当時の社長の話をしましょう。
テレビに出る前から出た後か、もう忘れました。が、わたしが自信がなかった時代なので、たぶんテレビにたくさん出る前のことでしょう。。彼はわたしに「あなたがいると、メディアがくるんだ。だから、それでいいんだ」と言っていました。
わたしは意味がよくわからなかったので、この言葉を聞き流していました。この言葉の意味するところは、わたしが何をしたから、というわけではないが、それでも「成果があがる」ということに意味があるのであって、成果が上がるのであれば、それでいい」ということでした。
彼が何かを予感して言っていたのか、何かわたしの素養を見ぬいたのか、今となってはよくわかりません。しかし、去年の自分は自分の人生史上、フシギな力が働いていたと思わざるを得ません。この時起こったのも本当にフシギなことでした。
■たまたま、その日入ったパートさんが、テレビに繋いでくれた
もうタイトルの通りです。その日の朝、「新しく入ることになりました○○さんです」と紹介されたパートさん。本当にたまたま偶然です!彼女は、テレビ局の名前を封筒に書くわたしに、「うちのダンナ、このテレビ局で働いていますよ?」と言っていたのです。そして、「紹介しましょうか?」と申し出てくれました。
しかし、ずっといるベテランさんならともかくとして、今朝入ったばかりの方に、ご紹介をお願いするわけにはいかない!!と思い、会社を出る時には、気持ちだけ頂きますとお伝えして、断りました。
さて、ここからが前回の続きです。
...5時を過ぎて、日も沈みかけているところ...。
どうすべきか。。。
申し出をありがたく受け入れるべきか。
しかも、こんなに遅い時間で...?
もうシフトの時間が終わる人に...?
よい策とは言えない...。
でも、他に方法がない。
数分いろんなことを思い巡らした結果、わたしは会社に電話をしました。
■あっ、という間に入れたテレビ局
パートさんはすぐに旦那さまに連絡をしてくれました。旦那さまにわたしからもご連絡をすると、旦那さまはどのようなリリースであるのか質問して下さいました。そして話を聞き終わると「なるほどね。じゃあ、待っているから」。今からそちらに行って、恐らくXX時です、とお伝えしました。わたしは今日中にテレビ番組担当者に封書を渡せるだけでよい、と思っていました。しかし、なんとアポまで取ってくださいました。わたしのリリース内容を担当者に伝えた上で。。。
朝の情報番組と言えば、わたしも大好きな番組でした。。
そして紹介されたディレクター。「忙しいからね、5分しか時間はないよ」と言われて、プレッシャーの中、リリースを取り出し、震える手で説明をしました。
■ドキドキ初プロデューサー!
わたしの話をふんふんと聞き、リリースの紙をパラパラとめくって、ディレクターは言いました。
「これって、毎年こうなの?」
え?どういうことでしょう?意味がわかりませんでした。
「いや、何を聞いているのかというと、今年だけ特別なのか、例年もそうなのか、聞きたいんだよね」
あ...。例年、おなじ、です
「そうなのか~。今年だけ特別とかだとニュースとして報道しやすいんだけどね...」
なるほど。そのような観点で見ているのか、テレビの現場が少し見えた思いでした。
広報関係の本でもそんなことは書いてあるのですが、生の声を聞くと、受け止め方は100倍変わります。
結果は、うまくはまとまりませんでした。でも、情報番組フロアまで通されたこと、ディレクターに、自分が書いたリリースを見てもらえたこと。そして、彼が思ったことを反応として言ってもらえたことが、とてもありがたかったです。
反応のないリリースを今まで打っていた自分にとって、自分がイケテナイ理由が見えた瞬間であり、このことによって一歩先が見えた、と思いました。
■"イケテナイ反応"も、"ありがたい反応"
本当にものの5分のことでした。
自分のダメなところって、言ってもらわないとわからなかったりします。なんでダメなのか、同じ失敗を繰り返し、その失敗によって傷ついていきます。失敗する→元気をなくす→やる気をなくす→落ち込む→でも、やるしかないと思う→トライしてみる→失敗する、というスパイラルにはまっていくのです。
広報のやっていることをダメかどうかって言える人は、世の中にあまりいません。そして、更にそこから「○○だから、ダメだと思うんだよね」「取り上げられないんだと思うんだよね」「○○だから、スルーされていると思うんだよね」ということまで掘り下げて言ってくれるような人はなかなかいません。
そこまで言えるためには、その会社に興味がなくてはならず、そんなに他社に興味を持ってくれる人はなかなかいません。そして、社内で他の職種はその人で「広報って何やってるの?」とよくわかっていないため、相談を持ちかけるのは難しいです。
社長はある程度、興味をもつでしょうが、ただでさえ忙しい社長の時間を使うとなると、それはそれで、広報失格な気はします。なぜならば、社長の発言を代弁するのも広報の役割ですから・・・。"どう見せるか"までの相談は、どう考えても広報の仕事です。
ということで、メディアさんから「○○だから、コンテンツが)弱いと思うんだよね~」と言われる体験は、広報であるわたしにとって、「おおーーー!!そうだったのか!」という感じです。
3月に、Business Media 誠で広報の勉強会が行われた際、参加者特典として「吉岡綾乃編集長が、リリースを一度添削します」というのがついていましたが、これは自分のリリースがメディアにスルーされている広報担当者にとって、本当に大きな特典なのです。
■広報は、"想像力"という武器を使え!
そうはいっても、メディアさんに毎回見てもらう、そしてフィードバックをもらうなんて、大企業でコネクションがある方ならともかくとして、中小企業の新米広報がなかなかできることではありません。
なので、訴えたいのは、広報であるわたしたちは、プロデューサーを毎回捕まえられないけれども、プロデューサーの気持ちを推測しようよ、ということです。広報会では、そんなこともやりたいと思っています。なかなか皆忙しく、まとまった時間をまとまった人たちに対して確保することが難しいのですが、この番組のプロデューサーは何を考えているんだろう?どんな視聴者を想定しているんだろう?どんな傾向を持っているんだろう?他の番組と違って意識している"差別化"は何だろう?
ここについて考えることは、広報でもできることです。その観点を持って、お互いのリリースを見合うことが出来たなら、きっと「だから、あなたのリリースは取り上げられない!」の答えに近づけるはずです。
この話は、この後一週間で大きく確信をもった思想に繋がります。
■怒涛のドラマは、来週に
さて、うまくいかなかった初テレビ局PRですが、このリリースはこの後、想定もしていなかった怒涛の展開を見せます。
なんといっても、わたしがテレビ局で警備員に追い返されていたまさにその時に、番組担当者は会社に電話をしてくれていたのです。事実は小説より奇なり。フシギな話にもうしばし、お付き合いください。
テレビに出る前から出た後か、もう忘れました。が、わたしが自信がなかった時代なので、たぶんテレビにたくさん出る前のことでしょう。。彼はわたしに「あなたがいると、メディアがくるんだ。だから、それでいいんだ」と言っていました。
わたしは意味がよくわからなかったので、この言葉を聞き流していました。この言葉の意味するところは、わたしが何をしたから、というわけではないが、それでも「成果があがる」ということに意味があるのであって、成果が上がるのであれば、それでいい」ということでした。
彼が何かを予感して言っていたのか、何かわたしの素養を見ぬいたのか、今となってはよくわかりません。しかし、去年の自分は自分の人生史上、フシギな力が働いていたと思わざるを得ません。この時起こったのも本当にフシギなことでした。
■たまたま、その日入ったパートさんが、テレビに繋いでくれた
もうタイトルの通りです。その日の朝、「新しく入ることになりました○○さんです」と紹介されたパートさん。本当にたまたま偶然です!彼女は、テレビ局の名前を封筒に書くわたしに、「うちのダンナ、このテレビ局で働いていますよ?」と言っていたのです。そして、「紹介しましょうか?」と申し出てくれました。
しかし、ずっといるベテランさんならともかくとして、今朝入ったばかりの方に、ご紹介をお願いするわけにはいかない!!と思い、会社を出る時には、気持ちだけ頂きますとお伝えして、断りました。
さて、ここからが前回の続きです。
...5時を過ぎて、日も沈みかけているところ...。
どうすべきか。。。
申し出をありがたく受け入れるべきか。
しかも、こんなに遅い時間で...?
もうシフトの時間が終わる人に...?
よい策とは言えない...。
でも、他に方法がない。
数分いろんなことを思い巡らした結果、わたしは会社に電話をしました。
■あっ、という間に入れたテレビ局
パートさんはすぐに旦那さまに連絡をしてくれました。旦那さまにわたしからもご連絡をすると、旦那さまはどのようなリリースであるのか質問して下さいました。そして話を聞き終わると「なるほどね。じゃあ、待っているから」。今からそちらに行って、恐らくXX時です、とお伝えしました。わたしは今日中にテレビ番組担当者に封書を渡せるだけでよい、と思っていました。しかし、なんとアポまで取ってくださいました。わたしのリリース内容を担当者に伝えた上で。。。
朝の情報番組と言えば、わたしも大好きな番組でした。。
そして紹介されたディレクター。「忙しいからね、5分しか時間はないよ」と言われて、プレッシャーの中、リリースを取り出し、震える手で説明をしました。
■ドキドキ初プロデューサー!
わたしの話をふんふんと聞き、リリースの紙をパラパラとめくって、ディレクターは言いました。
「これって、毎年こうなの?」
え?どういうことでしょう?意味がわかりませんでした。
「いや、何を聞いているのかというと、今年だけ特別なのか、例年もそうなのか、聞きたいんだよね」
あ...。例年、おなじ、です
「そうなのか~。今年だけ特別とかだとニュースとして報道しやすいんだけどね...」
なるほど。そのような観点で見ているのか、テレビの現場が少し見えた思いでした。
広報関係の本でもそんなことは書いてあるのですが、生の声を聞くと、受け止め方は100倍変わります。
結果は、うまくはまとまりませんでした。でも、情報番組フロアまで通されたこと、ディレクターに、自分が書いたリリースを見てもらえたこと。そして、彼が思ったことを反応として言ってもらえたことが、とてもありがたかったです。
反応のないリリースを今まで打っていた自分にとって、自分がイケテナイ理由が見えた瞬間であり、このことによって一歩先が見えた、と思いました。
■"イケテナイ反応"も、"ありがたい反応"
本当にものの5分のことでした。
自分のダメなところって、言ってもらわないとわからなかったりします。なんでダメなのか、同じ失敗を繰り返し、その失敗によって傷ついていきます。失敗する→元気をなくす→やる気をなくす→落ち込む→でも、やるしかないと思う→トライしてみる→失敗する、というスパイラルにはまっていくのです。
広報のやっていることをダメかどうかって言える人は、世の中にあまりいません。そして、更にそこから「○○だから、ダメだと思うんだよね」「取り上げられないんだと思うんだよね」「○○だから、スルーされていると思うんだよね」ということまで掘り下げて言ってくれるような人はなかなかいません。
そこまで言えるためには、その会社に興味がなくてはならず、そんなに他社に興味を持ってくれる人はなかなかいません。そして、社内で他の職種はその人で「広報って何やってるの?」とよくわかっていないため、相談を持ちかけるのは難しいです。
社長はある程度、興味をもつでしょうが、ただでさえ忙しい社長の時間を使うとなると、それはそれで、広報失格な気はします。なぜならば、社長の発言を代弁するのも広報の役割ですから・・・。"どう見せるか"までの相談は、どう考えても広報の仕事です。
ということで、メディアさんから「○○だから、コンテンツが)弱いと思うんだよね~」と言われる体験は、広報であるわたしにとって、「おおーーー!!そうだったのか!」という感じです。
3月に、Business Media 誠で広報の勉強会が行われた際、参加者特典として「吉岡綾乃編集長が、リリースを一度添削します」というのがついていましたが、これは自分のリリースがメディアにスルーされている広報担当者にとって、本当に大きな特典なのです。
■広報は、"想像力"という武器を使え!
そうはいっても、メディアさんに毎回見てもらう、そしてフィードバックをもらうなんて、大企業でコネクションがある方ならともかくとして、中小企業の新米広報がなかなかできることではありません。
なので、訴えたいのは、広報であるわたしたちは、プロデューサーを毎回捕まえられないけれども、プロデューサーの気持ちを推測しようよ、ということです。広報会では、そんなこともやりたいと思っています。なかなか皆忙しく、まとまった時間をまとまった人たちに対して確保することが難しいのですが、この番組のプロデューサーは何を考えているんだろう?どんな視聴者を想定しているんだろう?どんな傾向を持っているんだろう?他の番組と違って意識している"差別化"は何だろう?
ここについて考えることは、広報でもできることです。その観点を持って、お互いのリリースを見合うことが出来たなら、きっと「だから、あなたのリリースは取り上げられない!」の答えに近づけるはずです。
この話は、この後一週間で大きく確信をもった思想に繋がります。
■怒涛のドラマは、来週に
さて、うまくいかなかった初テレビ局PRですが、このリリースはこの後、想定もしていなかった怒涛の展開を見せます。
なんといっても、わたしがテレビ局で警備員に追い返されていたまさにその時に、番組担当者は会社に電話をしてくれていたのです。事実は小説より奇なり。フシギな話にもうしばし、お付き合いください。
(次号につづく・・・。)