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シェフが書いた料理本を読んで、なぜ同じ料理が作れないのか?――学習について考える

シェフが書いた料理本を読んで、なぜ同じ料理が作れないのか?――学習について考える

広報女子部 部長

「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。

当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


先週金曜日、5月の広報連絡会が終了しました。
その報告も兼ねて、今回は記事を書きたいと思います。

今回、広報だけでなく、メディア様やカリスマ広報さんなどをご招待でお招きしました。
わたしなど足元にも及ばないような素敵なゲストがご多忙な中にも関わらず来てくださり、本当に嬉しかったです。

また、今回、宣伝会議でも講義をされている先生をお呼びできたわけですが、一広報としての力でしたら、とてもこのようなことができるはずもなく、ご縁に感謝というところです。

内容盛りだくさんなのに時間が1.5hしかなく、皆さんの理解度について心配だったのですが、懇親会は"語感"の話で大盛り上がりしました。やはり、テーマが"語感"なだけに、書籍だけではわかりにくいところを先生が実演交えて話をしてくださったことによってわかりやすくできたようです。

そこで、思うのですが、

やはり気になるテーマは、書籍で「読む」とかインターネットで「見る」以外に、ご本人に「直接会って話を聞く」ことで、一番理解度が深まります。

広報という仕事を始めて、いろんな価値観が変わっていったのですが、その中に「インターネットやメディアで流れる情報は一部」ということがあります。

わたしたちは2時間取材されても、報道されるのは2分だったりします。
では、その他の1時間58分はどこへ消えたのでしょう?

報道記者さんの心の中にしまわれ、電波には載りません。
でも、そっちの方が重要なことを言っている場合もあると思います。

情報とはそのようなものです。
よく広報さんたちと話をすると、「ちょっとなんですよねー。報道されるの」とか「思ったよりも短かかったです」といった話が出るのですが、同じ現象を立場を変えて捉えてみましょう。

例えば、一視聴者といった具合に。

そうすると、いかがでしょう?
情報はチラ見でしか見させられていないことになります。

ということですと、理解もへったくれもなかったりします。
特に時間の制約だけでなく、生で見ている記者と、液晶画面を見ている我々とでは、また理解度が変わります。ましてや、ネットの情報は文字情報だけだったりするので、更に情報量は減ります。

もちろん広報担当者たるや、メディアに載らなければ!と思うものなのですが、広報たちが目指すメディアは【すべて】を映すものではないことも予め知っておかなければいけません。

そして、多くの記者さんたちがそうであるように、広報担当者もできるだけ知識を『生』で学ぶ機会を得てほしいな、と思います。

一流シェフが出す料理本と同じ料理が作れないのは、時代を超えて永遠のテーマだと思いますが、それは書籍に載らない情報がたくさんあるからなのですよね。

今の時代、「すべての情報はインターネットで手に入る」とまことしやかに囁かれているわけですが、書籍に限界があるのと同じようにインターネットも万能ではありません。その辺を理解した上で、現実の世界とメディアの世界をバランスよく渡り合っていければと思っています。