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広報女子が読む,『5年後、メディアは稼げるか?』

広報女子が読む,『5年後、メディアは稼げるか?』

広報女子部 部長

「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。

当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


広報という仕事を始めてから、他の職種では学べないたくさんのことを学ばせて頂きました。それは口頭で言われることだけでなく、時代の流れ・トレンドの他、人の姿勢や行動の姿勢によることも大変多く、この環境に身をおけたことを感謝しています。

さて、広報はメディア世界と常にともにあり、ここから目を話すわけにはいきません。
5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die? は若干33歳で東洋経済オンラインの編集長になった佐々木紀彦氏の最新刊。洋経済オンラインが去年から数ヶ月間でPV数を10倍に伸ばした理由を余すことなく伝えています。

全ページ読み応えがあるのですが、ここでは特に広報にターゲットを絞って読み方をお伝えしたいと思います。

【Point1】「序章:大変化①~⑦」は見逃すな!

この章には7つの変化が書かれており、その中には、アナログ化→デジタル化、会社→個人 などの変化が書かれています。その中でも広報的な視点として一番注目すべきなのが、「大変化⑥書き手はジャーナリストのみ→読者も企業もみなが筆者」という変化です。

多くの広報担当者はメディアの方向を向き、あのテレビ番組に出たい!あの新聞に出たい!などの目標を掲げ、日々の仕事をしています。その視聴者数・読者数を考えるとすごい影響力があると思うのです。しかし、実際のところ、せっかくテレビに出たけれど反応は薄かった、ということも多く聞きます。

そろそろ既存メディアが万能ではないということを自覚していかなければなりません。
テレビ、雑誌、新聞、全て歴史もあり強いところもあるのですが、売上や商品認知につながったきっかけが、既存メディアではなく、影響力の強い人のブログやTwitterで紹介された時だったという方も多くいるのでは。

歴史のあるメディアであっても、今までの地位にあぐらをかくことは、今後保証されなくなるはずです。それは未来を見据えて変わっていくことができる、そんなメディアのみが残っていくのではないかと思います。

どこのメディアが変化に対応し、生き残っていけるのか、には注意を払うべきです。10年後、「そんなメディア知らない」と言われる掲載実績よりも「ああ、あれね!」と言われる方がいいはずです。

わたしは定期的に雑誌を男性誌・女性誌関係なく浅く広く、斜め読みします。メディア制作側の適応能力をこちらも判断しなければなりません。今後も常にメディアの着眼点や編集の仕方、倫理的な観点も含めて見て行きたいと思っています。


【Point2】「第4章:5年後に食えるメディア人、食えないメディア人」もチェックすべし

第1章は東洋経済オンラインの実体験に触れています。第2・3章はメディアのマネタイズの話です。マネタイズについて注目するのも必要なことではありますが、広報担当者として特にチェックするべきなのは、第4章でしょう。

メディア担当者と広報担当者は運命共同体のような要素もあり、わたしたちが接触しているメディアの人々がどのような人たちなのかを知る必要があります。

この書籍を読む前に、メディアの人は年齢によって"スタンス"が違うと思っていました。これは"スタンス"という言葉が正しいのかわからないのですが、(また個人差があるので
一概には言えないのですが)20-30代のメディアの担当者は謙虚です。「教えて下さい」という姿勢で接して来られます。しかし、残念...といってよいのか悩みますが、年齢が上がるほど権威を掲げるようです。残念といってよいのかわからないのは、それが昔のメディアの在り方だったのではないかと思うからです。権威を翳ししているのが正しい時代もあったのだと思います。

そして第4章のメディア人論評は"生き残るメディア人に必要とされる要素"だけでなく"世代別"の見方についても触れられています。正直メディアさんと一瞬しか触れないのであれば、それ以上の情報をつかむことはできません。しかし、世代についてはある程度推測ができる範囲であり、ひとつの指針になります。本書では以下のように書かれています。

年齢で分類するとすれば、ナナロク世代(2013年時点の37歳前後)から下に10歳(=27歳)くらいまでがいわゆる「両生類」となり、38歳以上は「オールドメディア世代」、26歳以下は「ニューメディア時代」というのがざっくりとした我流の分類です。

人間は分かり合えるものだという心持ちではいたいと思うのですが、どうしても「どうしてこの世代の人達はココは頑ななのだろう?」と思うことがあります。それは、生まれてきた時代が異なるので仕方がないことなのだ、と思いました。("情報"という一側面で見た場合、)年齢が上がればスキルがたまる時代ではありません。また"情報"を、人間のフィルターが通る時、どのようなフィルターを経由してアウトプットが出されているのかは常に意識するべきです。


【まとめ】全てを読んだ上で広報ポイントを読むのがお勧め。

今回2つのポイントのみ上げましたが、もちろん他の章も大変読み応えがあります。特に東洋経済オンラインが多くのPV数を稼ぐようになった"仕掛け"が書いてあります。成功事例から学ぶことは多くあります。第2章はアメリカでのメディアのマネタイズについて。第3章はメディアのマネタイズの可能性について触れられています。広報として機能するだけでなく、自社のメディアをどうするか、という課題を抱えている、もしくは今後抱える方も多いでしょうから、一度頭に入れておくことをお勧めします。

既に本書を読まれた方はどのようなご感想を持たれたでしょうか?いろいろなスタンスの広報担当者さんがいらっしゃいますので、わたしとは違う観点で読まれた方もいらっしゃるのではないかと思います。
もしよろしければ、わたしにも是非感想をシェアして下さい。秋に広報連絡会で読書会など催せればと思っております。企業広報さんで本書についてのご自身の意見を持ち、一緒に企画を練って頂ける方を募集します。ご興味ある方は以下までご連絡下さい。
広報女子会・広報連絡会共通連絡先:
prpparty@gmail.com