誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

わたしを支えた2冊の本:半沢直樹ヒット理由も分かる『28年周期で大変化 ささいなことから時代が見える』

わたしを支えた2冊の本:半沢直樹ヒット理由も分かる『28年周期で大変化 ささいなことから時代が見える』

広報女子部 部長

「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。

当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こちらの書籍は2012年度のわたしの"編集長へのお土産本"でした。
通常セミナーで聴講させて頂くと結構な金額を参加費としてお支払いするのだろうな...と思われる編集長と会食をさせて頂く機会が何度かありました。

それは機会といっても、わたし自身が「他の広報も連れてきますので」と"お願い"している立場だったりして、どっかから降って湧いたものではありません。なので、お声がけをした本人として、何かしら御礼をしたいと思う時、何だったら相手のためにもなるだろう?と考え用意していたのがこの本だったのです。

そして自分自身のPRでもありました。腕のあるメディア人だったら、数カ月後を読んで仕事を広報と一緒に仕事をしたいはずです。「今流行っている、でも2,3ヶ月先にはわからない」ようなものだと、ネット、テレビはOKですが、特集企画を2,3ヶ月前から準備するようなメディアだと対応ができません。自分は2,3ヶ月後や半年後、これからの時代の"流れ"を考えていますよ、というアピールツールだったのです。

著者はスガワラトレンド研究所所長の菅原健二さん。(漫画家の方ではありませんよ)
彼は自動車のシェイプから見る時代の変遷に注目し、家電、時計、ファッション、化粧品、清涼飲料まで幅広くトレンドに一定の法則があることを見出すのです。

彼が見つけたのは"56年"の時代の流れ。その前半・後半の"28年周期"。
この周期によって、「歴史は繰り返す」も説明できます。

歴史が繰り返しているのは、ファッションだけではありません。自動車の形、人気の出るタレントの顔、食べ物の好み、音楽、またのそこで歌われる詩に至るまで、すべてのジャンルが同じようにこの周期で同時に動いています。

※この話を説明するのに欠かせないのは写真や絵等の資料なのですが、本のものを転載するわけにはいきませんので、ココはわたしの画力でがんばってみます。落書きくらいの絵しか描けず、お見苦しいですがご容赦下さい。

例えば、車のシェイプ。
1960年代~90年代くらいまで、車のシェイプは角っとした四角い形。もちろんライトも四角いフォルムです。「西部警察」で使われたような車です。
skyline.jpg
それが、2000年前後から丸いライトの丸いシェイプの車が増えてきたと思いませんか?1957年から始まる56年周期の前半28年が四角いフォルム、後半の28年が丸いフォルムの流行として現れています。

March.jpg
この予測で行くと、次は2027年前後に四角い形のフォルムの車が出てくると予想されます。


またファッションで言うならば、1956年グレース・ケリーがモナコに嫁いだ際に着用したドレスと、2011年英国キャサリン妃が着用したウェディングドレスも非常によく似ています。ここにも「歴史は繰り返す」が見られます。(※以下は、絵はわたしですが、コンテンツは㈱感性リサーチによる研究結果です)

grace.jpg
どうでしょう?記憶に見たキャサリン妃のドレスと似ていませんか?

catharin.jpg
ちなみに少し前(たぶん今も)流行っていたビスチエ型のドレスは、子どもの世代になると古く感じるはずです。わたしたちの時代には「かわいい~~~♪」として着ていたものが、「うわー。古い」に変わってしまうんですね。でも、いつの時代も新鮮で美しいデザインというのは難しいと思うので、自分たちが気に入っているものを着たらいいと思います。

ちなみに1981年のダイアナ妃のウェディングドレスは、装甲アーマーみたいなドレスでした。

diana.jpg
でもあの時代には、これが豪勢で素敵だったのだと思います。
ダイアナ妃の写真を見てから、キャサリン妃の写真を見ると、途端に貧相な気がしてしまいます。


いかがでしょう?
時代には波があります。そして、今去った時代は数十年後には戻ってくると考えられます。

...という話をすると、「今はネットとか出てきて、どんどん時間の流れも早くなっているし、これからは違うよ」「っていうか、これって気分じゃん?」と言う人がいます。

これは"必ずしも" ではなくてあくまでも仮説です。未来に起こることを予測する以上、仮説の域は出ません。しかし、何か不思議な力によって起こっている波があるかもしれない、そう仮定することによって、成功の確度を少しでも増やせるならば、その努力をするべきだとわたしは考えています。

最近、『半沢直樹ヒットの理由』という分析記事を書いている記事をいくつも見ますが、残念ながら、この"波"について書いている記事は見つけられませんでした。時代の波は、ヒーローにも押し寄せます。つべこべ言わず1人で戦う"スーパーマン"みたいなヒーローなのか、愛する者を守る"スパイダーマン"なのか、正義の味方"ウルトラマン"なのか...時代に寄って受け入れられ支持をされるヒーロー像は異なるのです。

半沢直樹は、単に倍返しなキャラクターではありません。仲間を大切にし、理念で人を集め戦っていくタイプです。2013年からはひとつの時代の転換期。これからは周囲から孤立しても自分の意思を通す人に人が集まってきます。その転換期に相応しい、今の人たちの気持ちにあったドラマだったのだと思います。

スガワラトレンドのメソッドは、㈱感性リサーチに受け継がれています。感性リサーチの代表黒川氏はAI(人工知能)の研究者だったバックボーンから、脳の仕組みと時代の流れを合わせてトレンド分析をしています。

近々、感性リサーチの客員研究員である手塚先生の講座も開きたいと思っております。短期間で多くの調査をするため合宿で、と考えております。少人数での実施になると思いますので、興味のある方のみメールをさせて頂きます。
ご希望の方は、以下までご連絡下さい。

広報女子会・広報連絡会共通連絡先:prpparty@gmail.com
(会社名・部署名・ご都合のつきやすい日程があるようでしたらお寄せ下さい)