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今更ですがプリウスってどうよ?

今更ですがプリウスってどうよ?

popo柿澤

免許を取る前から車が大好き!休日に車に乗らない日はない。運転好きで、お酒もほとんど飲まないので旅行に行くと重宝されます。普段はアイティメディアでフィジカルイベントの制作・運営をしてます。


前回の予告通り、プリウスについて書いてみたいと思います。ハイブリッドと言えばプリウス!というより、代表的な日本の車と言えばプリウス!というぐらいの勢いで売れてますよね。トヨタと言えば、カローラはどこへ行ってしまったのやら...
トヨタのディーラーで話を聞いてみると、プリウス以外が全然売れなくて...と、肩を落としていました。ここまで偏ってしまうと、販売店としては考えもののようですが、それだけ売れているには理由があるはずなので、その「理由」に迫ってみたいと思います。


■シャープになったデザイン
今回のプリウスは3世代目となるわけですが、初代と2代目は流線型を意識したのか、ホワンとしたデザイン。言いかえれば、もっさりした感じで、私はあまり好きではありませんでした。しかし、今回の3世代目は直線を多く利用したシャープなデザインに変更されました。初代から2代目へのモデルチェンジも大幅に改良されたわけですが、私にとっては今回のデザイン変更の方がインパクト大きかったですね。
 ちなみに、ライトは通常のハロゲンモデルに加えLEDヘッドライトを搭載したモデルがあります。よくHIDと間違える人がいますが、プリウスはLEDヘッドライトを搭載しています。LEDはHIDに比べランプの寿命が長いためメンテナンス面では有利。しかし、価格が高いのが難点。まず壊れないけど、壊れたら大変...という感じです。LEDヘッドライト搭載モデルは、2連プロジェクタ+ハイビームの3連構造になっており、見た目もいい感じです。
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■内装は「安っぽい」とよく言われていますが...

プリウスは車格でいえばCセグメントに属する車となります。で、よくCセグメントの車としてはちょっと安っぽいよねーコンパクトカーならわかるけどさー、なんて言われることが多い。でも、価格を忘れちゃいませんか?と言いたくなる。一番売れ筋の「S」が220万円。同じトヨタで比べれば、アクシオやアリオンあたりが同クラスとなるわけですが、こちらは売れ筋の1.8Lモデルで約200万円。価格差は約20万円だが、ハイブリッド代と考えればそんなもんでしょう。この2車種と比べてそんなに劣るか?といわれると... アクシオやアリオンはおじ様をターゲットに置いた車なので、木目調のパネルなどが多く使われている。プリウスは、もっと若い世代も含め広いターゲット層を狙ったデザインとなっているため全体的にすっきりとした感じで小物入れなどが非常に充実している。注目してほしいのは、シフトレバー(?)の下にもスペースがあるところだ。

 確かに、プラスチックむき出しのプリウスに対して、アクシオやアリオンは木目調パネルを利用しているため高級感はあるが、触ってみると質感は大した変わらない。世の中で言われているほどプリウスは酷くないと私は思う。
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■パワー感はお見事の一言
トヨタのディーラーも売り込む時に「2.4L並みの力がある」と説明するが、乗ってみると嘘でないことがわかるだろう。低速ではモーターのトルクでグイグイと車が加速していく。普通にアクセルを踏み込むと、エンジンは高回転まで回らずに、静かに加速していくので、遅くね?と、勘違いするが、デジタルのスピードメーターをみるとすごい勢いで数字が上がっていく。Fitのときにも書いたが、ハイブリッドの魅力は、やはり1クラス上の排気量の車に乗っている感覚が得られるところだろう。「ハイブリッドにすると○○円高い!」と単純に比べる人も多いが、そのメリットも大きい。


■走りは...
この車に長い時間乗って、一番驚いたこと。それは、「意外と足回りは良くできている」ということ。ちょっと硬めのセッティングだが、予想以上にサスペンションの動きは良い。しかし大きな問題は「剛性」。お世辞にも良いなんて言えません。ヨレヨレという言葉が一番似合う。ひどすぎる...。

 実は、この車に乗り込んだ時、センタートンネルがないことに気づき「あれ?剛性に自信あるのかな?」と期待していた。センタートンネルは、FR車のドライブシャフトを通すものだと思われがちだが、実は剛性にも大きく影響する。少し前までの車をみると、FFでもこのセンタートンネルが存在する車がほとんど。それは、剛性を上げるためだ。私の中で、「センタートンネルが無い車は、剛性に自信があるから」と思い込んでいる節があったので、今回も期待したのだが... 見事に裏切ってくれました。

 ボディーやシャシーが、まったくサスペンションの動きを受け止められていない。そのせいで、足回りがバタバタとばたつく印象がある。おまけに、コーナーを曲がれば車がグニャリとよれるのが気持ち悪い。車の事をよくわからないうちの嫁さんまで「この車なんか気持ち悪い...」という始末。いくらコスト削減とはいえねー。この調子でいくと、開口部や空間の大きいプリウスαがすごく心配です。
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■ハンドルの重さはもうちょっと何とかならんのか?
この車で一番許せないところが、ハンドルの軽さ。とにかく軽い。指一本でラクラク回る。車を駐車場に止める時などは良いのだが、高速道路なんぞ走ろうもんなら、ハンドルが軽すぎて怖い。走りがまったく安定しない。電動パワステを採用しているのだから、車速に応じてハンドルの重さを変化させることくらい簡単にできるはず。そのくらいの工夫はしてほしかった。


■燃費は驚くばかり
約700キロのドライブを終えて、実燃費を計測するとなんと21.5km/l(燃費計では23.2km/l)。45Lしか入らないタンクで700キロも走れてしまうことがとにかく驚きです。給油を月に1回しかいないという人が多いと営業マンに聞きましたが、それは確かな情報の様だ。持ち主に聞いたところ「これでも悪い方だよ」と... ハイブリッドを所有したことのない私は言葉も出ませんでした。


総合的に考えて、この車はありか?なしか?と聞かれたら「あり」と即答します。売れてるだけの価値はあると思いますね。先ほどアクシオやアリオンと比べて約20万円差と書きましたが、ハイブリッドは税金の優遇もあるので、実質の金額差は少なくなります。価格が実質ほとんど変わらず、エンジンは力強いし、燃費はいいし。そりゃ、プリウス売れますよ。ほんと... でも、私がこの車を買うなら、ボディー剛性の強化パーツは確実に入れちゃいますけどね。あ...いじること前提の車なんてやっぱり「なし」かな??(笑)

 もうひとつ忘れてはならないのは、この車はかなり癖のある車だということ。車というより電車ですか?って言うくらいにほんと違和感があります。この違和感は、とにかく試乗して体験する必要があります。一度も乗らないで買おうなんて、この車に関しては絶対にしない方がいいです。それに、試乗すれば他にも色々なことがわかるかもしれません。なぜなら、車は乗らなきゃ分からないことだらけなのだから。
IMG_0022.JPGグレード:プリウス S"ツーリングセレクション"
価格:252万円(2011年11月現在の価格)
サイズ:4,480×1,745×1,490ミリ(全長×全幅×全高)
燃費:ガソリン1リットル当たり30.4キロ(JC08モード)
エンジン最高出力:73キロワット(99馬力) / 5,200rpm
エンジン最大トルク:142ニュートンメートル(14.5キロ)/4,000rpm
モーター最高出力:60キロワット(82馬力)
モーター最大トルク:207ニュートンメートル(21.1キロ)


---popo柿澤の独り言---
最近では、αの人気に押されて、プリウスの販売台数は若干落ちているようです。でも、最近NEWプリウス!なんてCMも始まり、マイナーチェンジが施されたようです。PHV(家庭用電源で充電ができるハイブリッド車)も間もなく発売されるみたいだし、プリウスアクアなんて、小さなプリウスも登場する予定。トヨタのプリウス攻勢がハンパないですね。独り言だから書いちゃいますけど、私はトヨタのなんでも80点を狙う車づくりの姿勢が嫌い。そんな私でも、買ってもいいかな?と、思わせるプリウスはほんとすごいと思います。