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講演会、セミナー参加から、何を得ているのか?ー参加者編
当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
業界をリードする経営者や専門家の講演会やセミナー参加で得られるものの最たるものは、その講演会の講師が伝える「情報」です。しかし、講師が伝える「情報」以外の要素にも得られるものは数多くあります。例えば、プレゼンテーションに役立つ話の組み立て方であったり、聞き手の反応にどのように対応しているのかなどです。その詳細を前回の記事ではご紹介しました。
更にこのような場で大事なのは「参加者」に意識を向けることです。今回は「参加者」に目を向けて、ビジネスに活かせる点をご紹介します。
2.参加者からメリットを得る
それでは、実際に私が参加した講演会を元にポイントをまとめます。
2012年10月と11月に、私はある業界団体が主催する講演会に2回出席しました。2回とも対象は経営者。講演会後に参加者同士の交流会が設定されていました。
講演会後の交流会は、講師と直接話をしたり、参加者同士がお互いのビジネスで役立つ情報交換ができるような場となっているため、参加者の多くは、講演者の話し以上に交流会を目当てにされている方もいらっしゃいます。その機会も、参加しなければ得られないものです。
更に視点や視野を変えると、それ以外のことが得られます。
そのことをお伝えするために、2回の開催概要をご紹介します。
【1回目】
・開催時間:18:00~20:00
・講演者:化学品メーカー 代表者
・講演テーマ:赤字から黒字へ転換するための革新的経営戦略とは
・参加形態:講演会+参加者同士の交流会(軽食付)
・参加申込者数:100名
・当日の参加者数:80名前後
・参加特典:講演者が提供するサンプル商品(事前案内はなし)
【2回目】
・開催時間:14:00~16:30
・講演者:元大手飲食サービス業 創業者(現在は、コンサルティング会社経営)
・講演テーマ:景気後退時に黒字で業績を拡大し続ける経営のコツ
・参加形態:講演会+参加者同士の交流会(ティー付)
・参加者数:110名
・当日の参加者数:80名前後
・参加特典:なし
ご覧いただいた通り、似たようなテーマで、同じぐらいの集客規模です。(ちなみに、開催場所は同じ場所。会場は異なります)
このデータからは、「業績向上に関心を持つ経営者が多いんだな」ということがわかります。
しかし、参加したことでわかったことがありました。それは、参加者の属性です。(この団体が主催するイベントでは、情報交換がしやすいように、当日参加者情報を公開しています)
1回目の講演会の参加者は、メーカー、商社、物流サービス業、サービス業、塾経営など、ある一定規模以上の組織の経営者が中心でした。
2回目の講演会の参加者は、仲介業、士業、コンサルタント業など、個人経営或いは小規模組織の経営者が中心でした。
同じような集客規模ではありますが、参加者の内訳はずいぶん違っていたのです。私個人にとっては「似たようなテーマ」でしたが、情報を受け取り、取捨選択する側の反応は大きく異なっていたのです。
この参加傾向の違いは、1つは講演者の経歴や話をされるテーマにあったと思います。参加者は、今の自分の状況に近い聞き手の話を聞くという傾向があるのかもしれません。もう1つ大きな要因としては、「時間帯」があったのではないかと考えます。
というのも、ある程度の事業規模を持つ経営者は、ビジネスが動いている時間帯は、なかなか自分のために時間を使えないものです。一方、士業やコンサルタントなど、小規模で事業を営んでいる経営者は、自分が必要と思えば、その時間帯に時間を確保することが可能です。言葉を変えると「対象によって時間の使い方は、大きく異なる」ということなのです。
そのようなことを元に、自分の場合を振り返ってみると、経営者を含めてお打ち合わせをする必要性がある時は、全体的な方向性がある程度決まっていて、最終的な確認レベルの場合は昼間が多く、意見やアイデアを出し、共有しなければならないような場合は、時間のゆとりがある夕方~夜間にかかることが多いことに気が付きました。
まとめとなりますが、日頃私たちは「誰が」、「何を」、「なぜ」、「いつ」、「どのように」買うのか(或いは行動を起こすのか)といった、マーケティング的発想を求められています。講演会やセミナーなどに参加し、参加者の傾向を見ることは、このマーケティング感覚を磨くことにつながります。更に、参加者同士の交流の場があれば、参加動機を聞くことで、より具体的な情報を得られます。それが、ビジネス感覚を磨く訓練にもなります。こうした間接的な訓練の機会が多ければ多いほど、高い視点、広い視野を身に付けることにつながるのです。
次回は、「運営者編」をご紹介します。