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決して仕えてはいけない社長

決して仕えてはいけない社長

細島 誠彦

株式会社TransamManagementSystem代表取締役。 中央大学法学部卒業後、ベンチャー企業その他企業の経営企画室長、管理本部長、CFO、取締役を歴任。経営戦略構築、マーケティング戦略構築、新規事業の立ち上げや財務戦略、M&Aなど、企業の参謀業務に従事。

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組織において、ある程度の地位につけば、
社長とのやり取りは増えるもの。
そこで、社長に完全に従属し、何でもYESマンになることができれば、
一生、その社長とやっていくことができるだろう。
確かにそういう人生はあるだろうし、そういう人は多くみてきた。
しかし、そのような人物を近くに求めるような社長なら、その会社は長くない。
怖がらずにNOを言える人材を集めるような社長でなくては、
一緒にビジネスをやっていくべきではない。

仕えていい社長、仕えてはいけない社長がいる。
ここで判断を間違えると一生を左右することになる。

決して、仕えてはいけない社長は、
大きく3つに分けることができる。

1)信念がない
経営にも人生にも信念がない人である。
経営理念もない、あっても絵に描いた餅というタイプの人だ。
こういう人は、その場その場で考え方がぶれ、言うことが変わる。
よって、一度決まったことも、次の瞬間には逆のことを言い出す。
そのような社長とともに働くことはできない。
決まったことは、決まった瞬間に組織として取り組みだす。
それを、そのときの気分で簡単に覆してしまう。
そんなことをやられては、周りはたまったものではない。
「こんな人、いないだろう」と思う人も多々いると思うが、
確実にこの世に存在している。
なぜ、そうなるか?それは、信念がないからだ。
迷ったときに、寄って立つ信念があれば、ぶれることなどない。
それがなく、自信もないから、その時々、そのときの気分で、
言うことが変わる。
もし、こういうタイプの社長に仕えているようなら、
すぐに転職すべきだろう。


2)器が小さい
会社は、残念ながら社長の器以上の器にはならない。
たまたま、うまくいったとしても、それは一時のこと。
すぐに器に応じた大きさになる。
こういうタイプの人は、自分のことしか考えない。
例えば、報酬。
会社というのは組織で成り立つ。
そこで働く人を、ちゃんと見分け、報酬を上げるべき人にはあげていく、
そういうことをしなければならないのだが、
自分の報酬をいかに上げるかが最重要なものと考える。
人を正当に評価せず、自分の報酬のことしか考えない社長というのはどうだろう?
そんな会社がうまくいくはずがない。

ある会社で実際にあったことだが、ある有能な社員が会社を辞めると告げた。
その社員が、その会社の重要部分をほぼひとりでまわしていたので、
会社としては変わる人もいないため崩壊の危機だ。
説得するものの、決心は変わらないようで、最後の説得として社長は、
これまで払っていた給与600万から800万に上げるから残ってくれと伝えた。
その有能な社員は、この言葉にさらに呆れ、会社を去った。
これまで人を正当に評価していなかったことをさらけだした瞬間だ。

器の小ささは、本人ではどうにもならないかもしれない。
しかし、努力はできる。人の意見を聴くということができればいい。
残念ながら、器が小さい人というのは、自分が大事。
人の意見も聴かない。
よって、このような人には仕えてはいけない。


3)人を知らない
人というのは難しい。
私は、その難しさを克服できないので、いかに人と接しないかを考えてしまう。
人を知らない人はその難しさもわかっていない。
どういう発言をすれば、人はどう考えるのか?
どういう行動をすれば、人をどう動いてくれるのか?
それがわからないために、威張ったり、怒ったりを繰り返す。
当然、こういう人に人はついていかない。
こういうタイプの人はマネジメントができるはずもない。
社長というのは、会社組織において最もマネジメントができなければならない人だ。
こういう人が社長の会社では、
マネジメントなど皆無という組織にならざるを得ない。
マネジメントの重要性が理解できないために、
組織においても、マネジメントの重要性が浸透しないのだ。


このように、仕えてはいけない社長の3つのタイプを書いてみた。
いま、働いている会社の社長は、3つのタイプに当てはまっていないだろうか?
もし当てはまるようなら、自分の人生をもう一度考えてみた方がいい。