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「捨てる」という名の時間投資術:1か月満期コース ~定着編~

「捨てる」という名の時間投資術:1か月満期コース ~定着編~

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。

机周りの整理は進んでいますか?

今回は要らないものを捨て、要るものだけになった後の、増やさない仕組み作りについてのお話です。

 

【出口を確保し、入口は狭める】

 不要な物の整理はそれなりにパワーの要る作業だったと思います。でもこれは、今までやってこなかったことを一気に片付けたにすぎません。増やさない仕組みを構築すれば、日々のちょっとした仕事の合間の整理だけで、きれいな状態を維持できるようになります。

 腕のいい料理人は、作りながら片付けていくので、決してキッチンを汚しません。常に、効率の良い状態を維持しています。腕の立つビジネスパーソンもそうありたいものです。

 モノを増やさないためには、モノが入ってくる入口を狭くして量を抑制することと、不要になったものが溜まることのないよう処分の方法、すなわち出口を確保することが必要です。

 捨てるルールと処分の方法が確立していれば、捨てる面倒が軽減されます。面倒でなければ捨てられます。要らないんだけど、捨てるのが面倒だから捨てない、なんてのはありませんか。そう言うものを作ってはいけません。

増やさないルール

  • 捨て方が分からない、面倒なものは持たない
  • 内容だけ分かればいいなら写真やスキャンで済ませる
  • ワークフローや生活スタイルを確立し、本当に使用シーンがあるかを判断する
  • タダだからと言って簡単に貰わない
  • 共有物で済ませられないか
  • お土産やカタログギフトは消費できるものを選ぶ

 お土産やカタログギフト、デスク周りで使えるもの、飾れるものも結構ありますよね。こうしたものは思い入れが強く、捨てる段になると思い出や貰った人の気持ちを捨てるような気持ちになって困ります。最近のカタログギフトは、体験型の商品も充実しています。あなたの経験としてプラスする方を選ぶといいですね。

 

【ストックのためのルール】

 会社からあなたに与えられたスペースは決してタダではありません。なのにあなたにそれを与えているのは、あなたが業務を遂行するのに必要だと会社が考えているからです。ですから、効率が低下するようなデスク周りにしてはいけませんし、デスク周りという一等地を与えるには、それなりの条件が必要です。

ストックのためのルール

  • 戻す場所はあるか
  • 面倒な収納場所、収納方法でないか
  • 戻す場所が見える化されているか
  • 捨てるためのルールはあるか
  • 良く使うものほど近くに配置されているか

 収納場所は探しやすく、出しやすく、戻しやすいのが最高です。良く使うものほど、この操作が行いやすい一等地を与えます。

 探す作業と出す作業が面倒だと、あるのに新品を下ろしたり、新しく書類をまた印刷したりして、重複が増えます。

 戻す作業が面倒だと、戻さなくなるので散らかっていきます。

 面倒だと感じる基準は性格によっても、その日の気分によっても違いますので、実現方法は人によって異なりますが、極力ラクに済む方法にしておくにこしたことはありません。

 

【持たざる解放感を知ろう】

 さあ、これで皆さんは要らないものを捨て、増えにくい仕組みを作りました。本当に必要なものは探しやすく、出しやすく、戻しやすい環境になっています。いかがですか?とっても気分がいいでしょう。

 物を減らすということは、あなたを楽にしてくれるのです。この開放感を知ったら、確実に定着します。常日頃から、これはいらないんじゃないか、これを解決する道具はどこかにないか、いつも考えるようになります。

 もしかしてデキるビジネスパーソンかも?なんて思ったりしてしまいます。そういう気持ちを自制する必要はありません。そちらに向かっていることは確実なのですから。気持ちが上向くと、不思議といろいろなことがうまく回りだすものです。これは思わぬ副産物です。

 さて、4回にわたって実施してきたすぐ効果が出る、片付け術、この作業によって得られるリターンは、本来有限であるはずの「時間」です。だから片付けはすごいのです。

 さあ、あなたはこの時間を、何に使いますか?