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一目で分かる直感的表示「色分け」

一目で分かる直感的表示「色分け」

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 皆さんお久しぶりです。キングジムファイリング研究室の野原です。
 効果を感じてもらえる小改善、「立てる」の次は「色分け」です。

 

【色分けは「表示」の強力版】

 探しやすい。分かりやすい。ルールが守られているか、誰もが確認しやすい。それを実現するために「色分け」は非常に強力な方法です。

 なぜかと言えばそれはもう、遠くからでも一目瞭然の一言に尽きます。文字での表示は判読する必要がありますので、文字の大きさや見る距離が限られますが、色分けはそうした心配もありません。

 また、色にはその色が持つ印象などもあり、うまく一致させると更に効果が増します。

 例えば黄色や赤は「緊急性」や「警告」のような印象を与えますし、黄色よりも赤の方がより緊急度が高いように感じる、といった具合です。

 

【ホルダーの色から始めてみましょう】

 前回「書類は1案件を1つのホルダーに入れていくと、なお良いです」と書きましたが、皆さんトライしてみましたか?

 「1案件1ホルダー」に慣れてきたら、今度はホルダーの色にルールをつけてみます。何でもいいのですが、最初はシンプルに「重要なものは赤」としてみてはいかがでしょうか。

 当社の製品なら、キングホルダー封筒タイプ(No.780-10)などがお薦めです。100枚程度の書類が入って、書類が落ちにくいフタもあり、2穴タイプなのでそのままキングファイルに綴じることもできて便利です。

 「もう、透明なホルダーを買ってしまったよ」という方は赤い付箋でも結構です。色分けルールが自分の中で確立するまで、付箋でやってみるのもいいと思います。

 色分けすると、どれが重要か一目で分かるようになります。「立てる」と併せれば隠れることがなく、色分けの効果が増します。

 慣れてきたら、黄色は、緑は...と少しずつルールを増やして行きましょう。ただ、3つくらいまでがいいと思います。私は過去に付箋を6色で色分けしていましたが、実際には6色も必要なかったように思います。色は分かり易い反面、抽象的だからか、複雑な分類には向かないようです。

 

【他のものにも広げる】

 更にホルダーだけでなく、他のものにも広げていきましょう。ボールペンやマーカー、付箋、スクエアパターン(キングファイルの背見出しにある正方形)などです。

 私はボールペンの色をルール化しています。赤は重要、青は数字やお金に関すること、緑は意見や考えというルールです。

 赤と緑の違いですが、例えば資料の訂正などをしているときに、明らかな間違いの訂正は赤で行いますが、修正のしかたを決めきれないような場合は、修正候補やその時点での考えなどを緑で書いています。

 このルールは学生の頃決めたもので、青は年号などによく使ったのですが今はほとんど登場しません。多くの色を設定しても、結局は使い易い数に収斂されるのでしょう。

 

【色分けを維持する】

 一度決めた色分けルールは維持することが重要です。そのためには、用具を切らさないことです。

 重要案件をホルダーに入るとき、赤がなければ、透明のホルダーに入れてしまうでしょう。こういうことが起きると、色分けに対する信頼度が低下してしまいます。

 そのためには、案件が終了したら速やかに書類を共有に移し、ホルダーはストックに戻すことです。こうすれば情報のライフサイクルも確立し、用具も一定の余裕さえあればそれで充分回るようになります。

 続けることで不要なルールは自然と淘汰され、あなたの仕事に合ったルールに育っていきます。

 

【もっと色を活用しよう】

 さて、今回の「色分け」いかがだったでしょうか。

 文具にはたくさんの色があるのに、結構無頓着に使っていたのではないでしょうか。この色に意味付けするだけで、色はひとつの機能になり、遠目にも判断できる、すぐ分かるという効果として現れてくれます。

 ですから色分けルールは、シンプルかつ直感的で、広く応用できるものが良いですね。複雑な分類は次回の「表示する」に任せることにしましょう。