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ボロ儲け時間投資先は、ファイリングと何?

ボロ儲け時間投資先は、ファイリングと何?

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 こんにちは。キングジム、ファイリング研究室(←2012.1.27公開セミナーの募集、今日からです!)コンサルタントの野原です。

 今日は、時間のファイリングについて具体的に私がやった方法をお話しします。

 効果的にファイリングを行うためには、ファイリングの考え方、ファイル用具や管理ソフトが必要なように、時間のファイリングもノウハウがあると改善の仕方がだいぶ違います。

 

書類探しとPCの無駄な操作は重要度ゼロ!

 私は、いろいろなお客様にお会いする機会が多いのですが、無駄な時間としてなくすべきこととして、書類探しのほかに、無駄なPC操作、操作方法を考えたり調べたりしている時間があると思います。

 ファイリング指導の中でお客様のPC操作をみる機会もあります。そのとき、もう少しPC操作を覚えれば、もっと仕事が速くできるのに、と思うケースは良くあります。

 仕事ができないわけではないのに、PCの操作で遅くなっているというのはもったいないことですよね。

 誠ブログの読者の方ではそういう方はあまりいらっしゃらないのかもしれませんが、もし、チームの中でそういうことがあれば、スキルのある人が教えてあげるだけでチームのスピードが上がります。

 簡単なのは、ショートカットキーをいくつか覚えることではないでしょうか。「ショートカットキー一覧」とかで検索すればすぐ出てくるので、ここで具体的なものを挙げることはしませんが、私がよく使うのは下の二つくらいです。

・[ウィンドウズキー]+[D]=デスクトップ表示と元の表示の切り替え
・[ウィンドウズキー]+[E]=エクスプローラ機動

 また、カット、コピー、ペースト、上書き保存、検索、印刷、アンドゥ、リドゥなどの基本的な機能は異なるアプリケーションでも汎用性が高くて覚える価値が高いですね。

 後は、単機能だけ単発的に使うのではなく他のと複合させることです。デスクトップの表示のショートカットなどは、デスクトップにショートカットをたくさん置いている人などは効果的ですね。

 私は、デスクトップにはほとんどアイコンを置いていませんが、内線番号表だけはデスクトップに置いています。内線したいとき、電話番号を聞かれたとき、とにかく内線表は参照回数が多い。でも、デスクマットなどは使いたくありません。

 デスクトップ表示にしてアイコンをダブルクリックすれば、すぐに内線表を見ることができて快適です。内線表へのアクセス性が良くなったので、私は別の人宛の電話をとって折り返しを頼まれたとき、電話メモには折り返し先の内線番号を記載するようにしています。こうすれば、メモを見た人は、すぐに電話できますよね。自分の時間投資が、チームの役に立つって素敵じゃないですか。

 

ボロ儲け時間投資先はExcelにあり

 皆さんが仕事でたくさん使うPCアプリケーションは何でしょう。私はExcelとPowerPointです。

 その内、Excelは時間投資をした効果が早く大きくあらわれる、ボロ儲け時間投資先だと私は思います。

 一つが関数で、その先のレベルとしてマクロがあります。似たような単純作業を繰り返し行うとか、毎日、毎週、毎月定期的にあるような単純作業は、これらを使って自動化すると、場合によってはとんでもない余剰時間を生み出してくれる可能性を秘めています。

 関数はご存知だと思いますが、マクロはまだそれほどなじみのない方も多いかもしれません。 マクロとは、数値だけでなく、関数ではできないような罫線を引いたり、色を塗ったり、セルを結合したり、コピーしたりなどの作業も含めて自動化してくれる機能です。

 要は簡単なプログラムを組むわけですが、Excelマクロのすごいところは、プログラムを組まずとも、「ツール」-「マクロ」-「新しいマクロの記録」という機能を使って、自分の操作を記憶させることができる点です。録音ボタンみたいな丸のボタンを押したら、覚えさせたい操作を一度自分で行います。終わったら四角の停止ボタンを押せば、記録完了。

 このまま使ってもいいのですが、今の操作をプログラムにするとこうだよ、というのをツール」-「マクロ」-「Visual Basic Editor」という機能を実行すると、見ることができます。

 そうすると、今やった自分の操作が、プログラムになっています。

 自分でやったことですから、だいたいこれがこの操作だな、っていうのもわかります。Excelのマクロの本(多くは「ExcelVBA」というタイトルかと思います)はたくさん出ていますので、1冊買って勉強すれば、手作業でプログラムを修正できるようになります。そうすれば、より親切なプログラムに育っていきますし、そうしているうちにいつの間にかプログラムが組めるようになります。

 慣れてくると、これは関数を使えば簡単にできるな、とか、マクロを使えばもっと早く高度なことができるぞとかが見通せるようになります。特にマクロが自分の思い通りに動いた時の感動はやめられません。

 

私の時間ボロ儲け話

 私は、ファイリングの仕事に携わってから、このExcelマクロを覚えました。2000行もあるファイル管理表の全角文字を1行1行半角に手作業で直す作業をしていた時、「パソコンを使っているのにこんな面倒な作業を繰り返すなんておかしい!絶対に解決策があるはず!!」と思って探し、マクロという方法があると知ったのです。

 幸い私は趣味レベルであったものの、プログラムの経験がありましたので、全角→半角変換マクロはいとも簡単にできてしまいました。

 これまで1日かかってた作業が30秒もかからずにできるようになったときは、こみあげてくる笑いに耐え切れず、ニヤニヤしながらパソコンの画面を眺めていましたね。相当怪しかったことでしょう。同時に、空恐ろしささえ感じました。似たような単純作業を5人も雇って1日かけてやっているわけです。それが作業そのものだけならホントに30秒で終わっちゃうんですから。私も含めて全員いらなくなっちゃいます。もう、仕事をしているフリをするのが大変で大変で...。

 仕方ないので、Excelマクロの勉強に時間を再投資しまくりました。全角を半角に変える仕事は30秒で終わらせ、あとはマクロのお勉強。

 似たような単純作業も次々マクロ化し、複雑な条件判断も入れていくと、人のやることはどんどん減っていきました。投資した以上の余剰時間がリターンとしてどんどん生まれ、このスキルを知っているかどうかの違いは大きいと確信しました。

 

 いかがでしたでしょうか。もし、みなさんがExcelの単純作業に多くの時間を費やしているとしたら、ぜひ、関数かマクロにできないか検討してみてください。必ず投資以上の効果はあります。

 単純作業をたくさんこなして、仕事をしたような気になってはいけません。

 本来パソコンができる仕事を、あなたが時間をかけてやっているとしたら、それは緊急度が高く、重要度の低い、削減の対象となる時間なのです。

 たとえサラリーマンであっても、自分を経営者だと思って、時間投資をして関数やマクロという「部下」を増やすべきです。単純な繰り返し作業は「部下」に任せた方が速く、間違いもせず、文句も言わずこなしてくれます。

 そしてみなさんは、みなさんにしか出来ない、専門的なことや、創造的なこと、次の一手を考えることに時間を費やすべきです。

 社内の仕事をどんどん引き受け、売れっ子になりましょう。それこそ時間投資の大きな効果です。