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「見える化」すれば仕事もファイリングできる
当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
みなさんこんにちは。キングジムファイリング研究室、コンサルタントの野原です。
今日も時間のファイリングについてお話です。「見える化」すれば、不要なものが明確になり、ファイリング -つまり、捨てること- できるようになります。
今日はその仕事の「見える化」について、リストアップよりも一歩進んだ方法をご紹介します。
リストよりもさらにファイリングしやすいマトリクス
やるべき仕事をリスト化するといろいろなことがわかります。「なんだこれだけか」と気が楽になったり、やるべきでないことを抱えていたりしているのが、明確になってきます。
しかし、逆に優先度が低いことも高いことも一つは一つとして表現されてしまうのもまた難点ではあります。
そこで、緊急度と重要度でマトリクスを作ってみましょう。左に行くほど緊急度が高く、上に行くほど重要度が高くなるように、リスト化した仕事をそれぞれ評価し、配置していくのです。重要度は、自分にとっての重要度で判断しましょう。そう、前々回のブログ「時間もファイリングする 本当に必要なことに時間を使う私の方法」で書いたことですね。
誠ブログ「重要事項を優先する ~『7つの習慣』より~」 上の図のⅣに属する、緊急度も重要度も低いことは止めていくことを前提に考えましょう。
逆に緊急度も重要度も高いもの(Ⅰに属すること)は早くやらなければなりません。
Ⅲに属する、緊急度は高いが、重要度が低い仕事は要注意。あなたの大切な時間だけを奪い、あなたの成長を妨げている仕事です。
Ⅲに属する仕事を減らすには、緊急度は低いが重要度が高い業務(Ⅱの領域)を確実に行っていくことです。ここがつまり、時間投資なのですね。時間投資をすることによって、重要度が低く緊急度の高い仕事が減り、その分が余剰時間として返ってくるのです。
Ⅲの領域に仕事がたくさん配置された人は、時間に追われている人です。出てきた仕事に対応するだけで1日が終わってしまっている傾向にあるのではないでしょうか。
このマトリクスは、自分の仕事の仕方がなりたい自分の方向に向いているかどうかを客観的にみる指標になります。
仕事をリスト化すると、マトリクスに配置してくれるアプリケーション!
私は、その日やるべきことをテキストファイルにリスト化し、やったこともテキストにメモして残していく「これさえメモ」というものを2001年から実践しています。
いつどこで何をやったか、誰と会って何を渡したか、どんなことを考えたのか、そういったことが全てかかれたいわばライフログです。テキスト形式なので、どんなデバイスでも閲覧・編集が可能です。全文検索もできますので、忘れてしまった過去のいろいろなことを短時間で調べることができます。
これさえあれば何でも分かるので私は「これさえメモ」と呼んでいるのです。
で、このこれさえメモに1日のはじめに書いた「やること」を、先のマトリクスに配置するため、行の頭に緊急度、優先度を1~5の5段階で指定してExcelに持って行くと、マトリクス上に配置してくれるというアプリケーションを、Excelマクロで作りました。
私はこのマトリクスを印刷して、1日のメモなどは全てこの1枚に書き込みます。その日の商談、電話メモ、とにかく何でもです。
で、1日の終わりにこの1枚をビーっとスキャナーに通してハイ、おしまい。
このシステムはすごいですね。今はこれが最も自分のスタイルに合っています。
提案した自分で言うのもなんですが、毎日やることを手作業でマトリクスにするのは相当面倒だと思います。やればやっただけのリターンはあると思いますが、あまりこういうことに時間がかかるようだとやっぱり目先にぶら下がっている仕事をやりたくなっちゃいますよね。こういうことこそパソコンに任せる仕事です。
上の画像で、下にあるようなテキストのリスト上では特別何も感じなくても、上のようなマトリクスに配置されると、「今日は出てきた仕事に対応しているだけだな」とか「今日は時間投資がたくさんできた」といったことが、見えてきます。
そう難しいマクロではないので、みなさん是非、マクロの練習に取り組んでみてはいかがでしょうか。マクロが効果的な時間投資先であることは、前回のブログ「ボロ儲け時間投資先は、ファイリングと何?」をご覧ください。
そういうことがアナログでできるカンミ堂10ミニッツ
マクロを使って、いろいろなことが自動化できて作業時間の短縮になるということと、時間管理の方法を一つの例で併せてお伝えしたわけですが、時間管理の仕方についてはアナログ的な方法もあります。
それが、カンミ堂から発売されているテンミニッツです。
これは、1日の仕事を付箋に書き出し、「見える化」だけでなく「さわれる化」もしてくれます。優先順位に合わせて、その日の仕事を実際に見て、手で動かして、スケジュールを構築できます。突発的にスケジュールを組みなおすことがあっても、手で動かせます。
かけられる時間はどれだけか、どこの時間が空けられるか、不要な仕事はないか。そういったことを考えながら予定を組むのに、これ以上に直感的な作業があるでしょうか。
パソコンは再利用性に優れますが、手で触って動かしてという直感さではテンミニッツにはとても及びません。1日が終わったら、フラットベッドのスキャナーか携帯のアプリで画像化しておけば記録としても残せますね。
カンミ堂のテンミニッツはまさに仕事前の10分で、1日の仕事を整理するからそう言う名前なのだそうですが、この目先の10分を惜しんで仕事に充ててしまうと、時間貧乏からは抜け出せません。少しお金ができるとすぐに使ってしまうようなものです。
この10分は時間投資です。投資ですから、始めたその日にリターンがあるとは限りませんが、1日10分の時間投資を継続することにより、徐々に時間の使い方のムダが明確になり、反省し、修正されて、やがて大きなリターンを得るような体質になっていきます。書籍『テンミニッツ仕事術』には、その開発経緯や効果なども詳しく書かれています。
いかがでしたでしょうか。
ファイリングも見える化が大切です。「できていない」「できた」ことが見えるようになっていないと、振り返りも修正もできないからです。
時間は目に見えないのでなおさら「見える化」が必要です。ファイリングの考え方を使えば、限られた時間の中で、最大の効果を出せるようになるでしょう。