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オフィス無法地帯化の原因とは(2/2)
当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
前回に引き続き、ファイリング維持のために必要な要素である、「ルール」「道具」「意識」について話を進めていきたいと思います。
【道具は対策にはなれない】
道具はあくまでルールを守ることを手助けしてくれるものであって、守るには「意識」が重要だということを前回お話しました。
しかし、なぜかとにかく「道具」を用意する(多くの場合、買う)ことが対策だと思っている人が多いのには驚かされます。買っただけでは対策にはなりません。決められたルールを守りやすくするためのものに過ぎないのです。用意した道具を正しく使い、ルールを守ろうと思う意識があって、初めてその道具が本来の性能を発揮するのです。
一部、電子ファイリングシステムなどの道具では、決まりどおりにやらないと先に進めなくなるようなしくみになっているものもありますが、それでも教育の余地をゼロにしても良いところまでは行っていません。紙ファイリングや机の整理・整頓などに至っては、ほとんどが意識に頼っています。
大体にして、そういう強制的な道具の中でないと、ルール通り動けないというのは、その時点でおかしいことですし、何より大変寂しいことですよね。
ルール通りにするべきだという意識があっても、私ほどではないにせよ、人間誰しも弱い部分を持っています。
時々は、やりたくない日や、間違えてしまったりする日もあるでしょう。道具にはそこを是正してもらうのであって、ルール通りする気さえない人までも強制的にルールに乗せる、というものを期待してはいけません。
もし、そんな道具を導入したら、微塵の独創性も許さない、まるでベルトコンベアーに乗せられているだけのような、極めて無味乾燥なオフィスになるでしょう。ルール通りに仕事は進むかもしれませんが、きっと何の進歩もなくなることでしょう。
オフィスの無免許運転が多い原因は、「ルール」、「道具」、「意識」のどこかに問題があるのではないでしょうか。
【意識が無法地帯化を防ぐ】
ファイリングに限って言えば、目的としては情報セキュリティのためであるとか、業務効率の向上のためであるとか、組織によって求める目的は色々だと思いますが、そうする必要性が十分に理解されていれば、ルールが設定されても、決して窮屈には感じないでしょうし、道具はとても便利なものに感じられるでしょう。
ファイリングは、どのような仕事をする上でも必要なスキルですし、普段の生活にも応用できることがたくさんあります。
便利に仕事をさせてくれるようになるし、書類探しなんて言う、誰にでもできる作業に時間を取られず、あなたにしか出来ないことに時間を使えるようになります。そして、そうなっていく自分を感じるのが、何より楽しい。
何のためか分からないルールや道具にがんじがらめにされて、やらされ感の中で窮屈に仕事をするより、同じやるなら積極的に、意識を持って取り組んだ方が自分のためにもなります。
それが、オフィスの本来の姿だと思いますし、そのような環境なら、この先訪れるであろう様々な変化にも、意味を理解して、必要な対策を立て、ルールどおり前向きに対応できるようになるのではないかと思います。