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ファイリングを成功させる「7つの習慣」

ファイリングを成功させる「7つの習慣」

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 誠ブログと週刊ダイヤモンドのコラボで、スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」のキャンペーンを行なっております。

 私もこの機会に読み始めました。

 コヴィー氏には遠く及びませんが、私もファイリングを成功させる7つの習慣というテーマで書いてみたいと思います。

 

【ファイリングを成功させる7つの習慣】

 ファイリングを成功させる習慣を7つ挙げると以下のようなものがあると考えました。

1.捨てる

2.立てる

3.表示する

4.ファイル管理表を作成する

5.ルールを作る

6.道具をうまく使う

7.意識を持つ

 コヴィー氏の「7つの習慣」では、最初の3つは私的成功、次の3つが公的成功、最後の1つは全ての支えとなるもの、としています。

 私もファイリングを成功させる7つの習慣を何の気なしに挙げてみた所、個人の机に関すること、共有ファイルに関すること、ファイリングシステム全体を維持するために必要不可欠な「意識」とに、まとめることもできるのではないかと思うに至り、その順番に並べてみました。

 

【私的成功~個人ファイリング~】

1.捨てる

 やはり、始まりはここからでしょう。とにかく管理できない分量を持っていても、管理できるはずがありません。管理できないのはあなたに能力がないのではなく、管理しようとしている分量が多すぎるのです。

2.立てる

 立てれば、見えるので忘れません。スペース効率も良くなります。出しやすく、戻しやすいのでスムーズです。だから気持ちいい。他の書類に隠れることもなく、管理の目が行き届きやすくなり、寝かせていたときよりも、多くの書類を管理できるようになります。

 これだけのメリットがある「立てる」は、個人の机まわりレベルの管理であれば、これだけで回りだす場合もあるのです。

3.表示する

 ルールもなんとなく決めただけでは分かりません。表示をしないと忘れてしまったり、いつの間にか変わってしまったりすることもあります。

 たとえ自分の中だけのルールであっても、表示をして、ルール通り出来ているかどうか、すぐに見て分かるようにしておくと、やる気も維持されます。

 目的を達成する上で特に重要なルールは、表示の中でも特に強力な「色分け」を使用すると良いでしょう。

 

 これら3つの習慣を実践することで、自分の周りのファイリングはかなり改善されると思います。

 しかし、仕事は個人で完結するものでないのと同様、ファイリングも個人だけでは大きな効果は望めません。ファイリングの目的は色々ありますが、全てみんなでやって初めて大きな効果をもたらすのです。

 そのためには、この本にあるように、私的成功を収めた後は、相互依存への公的成功を目指すべきです。

 

【公的成功~共有ファイリング~】

4.ファイル管理表を作成する

 ファイル管理表を持つことにより、ファイルが目の前になくても、キャビネットが別の場所にあっても、すべてのファイルの情報を一覧できます。

 他の人が登録したファイルでも、その業務に詳しくなくても、どこに戻す、いつ捨てる、と言ったファイル運用のための情報が、誰でも同じように分かり、答えられます。

 見出し作成や廃棄するファイルの抽出もすべて管理表のデータを基にして行うので、管理表さえしっかり作っておけば、後は管理表が導いてくれます。

 管理表さえあれば、管理できる分量をさらに増やすことができるでしょう。

5.ルールを設定し、明確化する

 自分たちの達成したい目標を決め、それを実現するために必要なルールを定めます。クリアデスクはどこまでやるのか、管理表には誰が登録するのか、見出しの色分けはどうするか...。

 ルールを決めたら、それができているかが誰にも分かるよう、見える化します。

6.道具をうまく使う

 見出しは手作業で作っても全く問題ありません。ファイル管理表をノートに書いて作っても、目的は達成できます。

 しかし、その作業工数はとんでもないものになるでしょう。やはり、ファイル管理表のメンテや、見出し印刷をしてくれる道具があった方がはるかにラクです。

 道具を用意することは対策ではありません。しかし、ルールを守りやすくする手助けにはなってくれます。目的やルールがしっかりとできていれば、どんな道具が有用か見極め、使いこなすことができるでしょう。

 

【自分を磨く~意識を持つ~】

7.意識を持つ

 意識を持つことは、この本で言っているように、他の全ての習慣の支えとなるものであり、継続的な改善を図ることと実によく合致していると思います。

 意識がなければルール通りにやっていくことなど不可能です。

 後回しでいい、自分がやる仕事じゃない、そう思う人がいれば、想像以上に早くて多い、書類の発生ペースについて行けず、ファイリングは遅れて行くばかりです。

 書類はすべて会社とステークホルダーのもの、自分は職務遂行のために「お借りしている」というつもりで臨めば、書類を扱うことに対して高い意識を維持できるはずです。

 その意識はさらなる効率的な方法を見つけ出すでしょう。それはあなたの仕事の仕方に最も適した情報管理のロジックであり、かけがえのないスキルになるのです。

 このように意識を持って臨めば成果も上がり、また自らを磨こうと思うスパイラルを生み出すのです。

 

 というわけで、私なりの「7つの習慣」をまとめてみました。

 この本は、ファイリングを行う上でも合致していることが多く、「こういうことが言いたかったんだよ」と思わず手を打ってしまうような記述にもたくさん出会いました。

 今回、「ファイリング成功のための7つの習慣」が、うまくこの本で言う7つの習慣に倣ってまとめられたのも、この本で言う7つの習慣が普遍の「原則」に則っているからに他なりません。

 やはり「原則」というものは分野が変わっても使えるものなんだといちいち納得し、こういう普遍の理論を見出すことが結果として効率的であるというコヴィー氏の主張を垣間見た気がします。

 皆さんも、この機会にぜひご一読を。