誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。
原子力論考(107)東京オリンピック2020決定が示す意味
»2013年9月 8日
開米のリアリスト思考室
原子力論考(107)東京オリンピック2020決定が示す意味
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
当ブログ「開米のリアリスト思考室」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/kaimai_mizuhiro/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
こんにちは。文書作成能力向上コンサルタントを本職にしつつ、趣味でエネルギーや安全保障問題を論じている開米です。
まずは2020年、東京オリンピック決定! ということで、ヒャッホー!!!! ですね!!
生中継で発表を見ていたので、決定の時は思わずガッツポーズをかましてしまいました。
で、、、、ここでオリンピックへの期待を語る、のは他の方におまかせして、私はこの決定が原発事故処理に与える意味合いについて書くことにしましょう。簡単に言うとつまり
もちろん、どちらについても異論はあることでしょう。
しかし、たとえばこのNHK報道を見てみると・・・・
これは結局のところ、「福島第一原発はいまだに危機的状況だ! そしてこれから健康被害が続出する!」と主張し続けてきた人々にとっては極めて「都合の悪い事態」なんですね。なんたって、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と発言した安倍首相のスピーチを「海外のメディアが支持」し、そして「東京オリンピック2020決定」なわけですから。
その結果、一番端的な反応としてこういう声が上がっています。
こういうのは極端ですが、もうすこし穏健な人々にとっては、この「TOKYO2020」は、事故の影響についての理解を考え直す良いきっかけになります。
私の知人の中にも、「原発事故の後、すぐに東京でも放射線障害の患者が続出すると思っていた」と、後日こっそり私に語ってくれた人が何人もいました。この場合、「すぐに」というのは2011年前半のうちに、ということです。確かに、そういう論調で放射能の危険を煽ったメディアは複数ありましたし、個人まで入れれば数えきれません。
率直に言えば当時の首相が率先してそういう恐怖を煽っていたんですから、それに影響されてしまったとしても無理はないんです。
ところが、いまだに「恐怖煽り」に乗せられている人々が最近言っているのは「7年後って、いちばん被曝の影響でバタバタ人が死ぬころだよね」・・・です。
半年以内にバタバタ死んでいくはずじゃなかったんでしょうか。
もちろん現実にはそういうことは起きないので、彼らは次々と「放射能によって健康被害が出る期限」を先延ばしにして行かざるを得ません。いつかは被害が出る、ということにしないと自分が嘘をついたことに、あるいは自分が馬鹿だったことになるからです。
しかし、それももう終わりです。
安倍総理大臣は、福島近海でのモニタリングの数値、および食品検査や健康調査の結果という証拠を挙げて、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と明言しました。
これが嘘である、と海外メディアやオリンピック選考委員が考えたのであれば、東京が選ばれるわけがありません。国家の最高責任者が公的に堂々と嘘をついた国がオリンピック開催国に選ばれるわけがないでしょう? 安倍総理のスピーチは国際的に信頼された、ということです。
"【東京五輪決定】「安倍首相演説が決め手」ロイター通信が絶賛 - MSN産経ニュース"
http://sankei.jp.msn.com/smp/world/news/130908/erp13090806590005-s.htm
なぜ信頼されたか、と言えば、もっとも大きな理由は、それが事実だからです。
" WHOによる報告「福島で健康被害が出る恐れは極めて小さい」"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/7554.html
米国ウッズホール海洋研究所による福島事故に関するFAQ
"FAQ: Radiation from Fukushima : Woods Hole Oceanographic Institution"
http://www.whoi.edu/page.do?pid=83397&tid=3622&cid=94989
"This is not to say that the radiation from Fukushima is not dangerous"
事実を踏まえて、それに対処していく姿勢を示し、それを語ることで人は信用されるということです。
それを今回のオリンピック2020東京当選は表しています。
一方、放射能の恐怖や脱原発を強硬に主張する人々がやっているのはこういうことです。
↓
"原子力論考(106)ニュージーランドでの鯨集団死を福島の事件と詐称するデマ"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16786.html
"原子力論考(104) 東日本で奇形魚続出というデマについて"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16756.html
"原子力論考(101) せめて一次ソースを確かめましょうよ"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16546.html
"原子力論考(37) 作業員200人死亡? あ、それデマですから"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/4280.html
"原子力論考(93)「電力需要ピークはわずか年間5-6時間」と主張する人々が無視していること"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16343.html
まったく事実に基づかない情報を並べ立てて、「恐怖」や「悪者追及という娯楽」を刺激する方法で人を動かそうとする手法は長続きしません。原発事故当時の首相がその種の手法を使う親玉のような人物だったがために、その手法に国家レベルで振り回されてしまいましたが、それももう終わりです。
大事なことなのでもう一度書きます。
もう終わりです。
去年の衆院選、そして今年の参院選で、「脱原発」を掲げる政党が惨敗したのもそのことを表しています。
ですので、もしこのブログを読んでいる読者の皆さまに、いまだに「放射能の恐怖」デマから抜けていない家族や友人がいたら、そろそろ一度、どんな不安を持っているか、じっくり話を聞いてあげてください。(「説得」は逆効果になることがあるので、「不安を聞く」ことをメインにするほうがよいでしょう)
■開米の原子力論考一覧ページを用意しました。
→原子力論考 一覧ページ
まずは2020年、東京オリンピック決定! ということで、ヒャッホー!!!! ですね!!
生中継で発表を見ていたので、決定の時は思わずガッツポーズをかましてしまいました。
で、、、、ここでオリンピックへの期待を語る、のは他の方におまかせして、私はこの決定が原発事故処理に与える意味合いについて書くことにしましょう。簡単に言うとつまり
(1)原発事故の影響はもはや拡大せず、収束に向かっていること、ということです。
(2)日本が国としてそれに対して責任を持って取り組んでいること、
の2点について国際的な信認が得られた
もちろん、どちらについても異論はあることでしょう。
しかし、たとえばこのNHK報道を見てみると・・・・
"首相 汚染水問題「政府の責任で対策」"
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130908/k10014371261000.html
安倍総理大臣はこの後の質疑でさらに詳しい説明を求められたのに対し、「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメールの範囲内で完全にブロックされている。福島の近海で行っているモニタリングの数値は最大でもWHO=世界保健機関の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ。また、わが国の食品や水の安全基準は世界で最も厳しいが、被ばく量は日本のどの地域でもその100分の1だ。健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は汚染水対策について「抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、すでに着手している。責任を完全に果たしていく」と述べ、抜本的な解決に向けて政府が責任を持って対策を進めていると強調し、理解を求めました。
"海外メディア 汚染水の説明を評価 NHKニュース"
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130908/k10014371451000.html
現地ブエノスアイレスで見ていた海外のメディアからは東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題について安倍総理大臣が「東京に被害がないことを保証する」と発言したことを評価する声が相次ぎました。
これは結局のところ、「福島第一原発はいまだに危機的状況だ! そしてこれから健康被害が続出する!」と主張し続けてきた人々にとっては極めて「都合の悪い事態」なんですね。なんたって、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と発言した安倍首相のスピーチを「海外のメディアが支持」し、そして「東京オリンピック2020決定」なわけですから。
その結果、一番端的な反応としてこういう声が上がっています。
"【放射能】東京オリンピック開催決定に絶望の声【福島】"
http://togetter.com/li/560745
『言いたくないけど、7年後って、いちばん被曝の影響でバタバタ人が死ぬころだよね。』
『狂ってるのは「日本(の支配層)」だけじゃ無かったんだ
「世界(の支配層)」も完全にグルだと言う事が良く解った』
『明らかにウソをついて獲得した五輪。日本人全体が欺瞞に飲み込まれてゆくのだろう。』
こういうのは極端ですが、もうすこし穏健な人々にとっては、この「TOKYO2020」は、事故の影響についての理解を考え直す良いきっかけになります。
私の知人の中にも、「原発事故の後、すぐに東京でも放射線障害の患者が続出すると思っていた」と、後日こっそり私に語ってくれた人が何人もいました。この場合、「すぐに」というのは2011年前半のうちに、ということです。確かに、そういう論調で放射能の危険を煽ったメディアは複数ありましたし、個人まで入れれば数えきれません。
率直に言えば当時の首相が率先してそういう恐怖を煽っていたんですから、それに影響されてしまったとしても無理はないんです。
ところが、いまだに「恐怖煽り」に乗せられている人々が最近言っているのは「7年後って、いちばん被曝の影響でバタバタ人が死ぬころだよね」・・・です。
半年以内にバタバタ死んでいくはずじゃなかったんでしょうか。
もちろん現実にはそういうことは起きないので、彼らは次々と「放射能によって健康被害が出る期限」を先延ばしにして行かざるを得ません。いつかは被害が出る、ということにしないと自分が嘘をついたことに、あるいは自分が馬鹿だったことになるからです。
しかし、それももう終わりです。
安倍総理大臣は、福島近海でのモニタリングの数値、および食品検査や健康調査の結果という証拠を挙げて、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と明言しました。
これが嘘である、と海外メディアやオリンピック選考委員が考えたのであれば、東京が選ばれるわけがありません。国家の最高責任者が公的に堂々と嘘をついた国がオリンピック開催国に選ばれるわけがないでしょう? 安倍総理のスピーチは国際的に信頼された、ということです。
"【東京五輪決定】「安倍首相演説が決め手」ロイター通信が絶賛 - MSN産経ニュース"
http://sankei.jp.msn.com/smp/world/news/130908/erp13090806590005-s.htm
なぜ信頼されたか、と言えば、もっとも大きな理由は、それが事実だからです。
" WHOによる報告「福島で健康被害が出る恐れは極めて小さい」"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/7554.html
米国ウッズホール海洋研究所による福島事故に関するFAQ
"FAQ: Radiation from Fukushima : Woods Hole Oceanographic Institution"
http://www.whoi.edu/page.do?pid=83397&tid=3622&cid=94989
"This is not to say that the radiation from Fukushima is not dangerous"
事実を踏まえて、それに対処していく姿勢を示し、それを語ることで人は信用されるということです。
それを今回のオリンピック2020東京当選は表しています。
一方、放射能の恐怖や脱原発を強硬に主張する人々がやっているのはこういうことです。
↓
"原子力論考(106)ニュージーランドでの鯨集団死を福島の事件と詐称するデマ"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16786.html
"原子力論考(104) 東日本で奇形魚続出というデマについて"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16756.html
"原子力論考(101) せめて一次ソースを確かめましょうよ"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16546.html
"原子力論考(37) 作業員200人死亡? あ、それデマですから"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/4280.html
"原子力論考(93)「電力需要ピークはわずか年間5-6時間」と主張する人々が無視していること"
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/16343.html
まったく事実に基づかない情報を並べ立てて、「恐怖」や「悪者追及という娯楽」を刺激する方法で人を動かそうとする手法は長続きしません。原発事故当時の首相がその種の手法を使う親玉のような人物だったがために、その手法に国家レベルで振り回されてしまいましたが、それももう終わりです。
大事なことなのでもう一度書きます。
もう終わりです。
去年の衆院選、そして今年の参院選で、「脱原発」を掲げる政党が惨敗したのもそのことを表しています。
ですので、もしこのブログを読んでいる読者の皆さまに、いまだに「放射能の恐怖」デマから抜けていない家族や友人がいたら、そろそろ一度、どんな不安を持っているか、じっくり話を聞いてあげてください。(「説得」は逆効果になることがあるので、「不安を聞く」ことをメインにするほうがよいでしょう)
■開米の原子力論考一覧ページを用意しました。
→原子力論考 一覧ページ